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闘病の末、生後11カ月で命を終えた二女。長女の存在と入院中に心救われた出来事が生きる希望に

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写真は、生まれたばかりの長女の付き添い入院をしている光原さん。

わが子の入院に付き添うママを、さまざまなカタチで支援する、NPO法人キープ・ママ・スマイリングが発足したのは、2014年11月。理事長 光原ゆきさんがわが子の入院に付き添った経験から、NPO法人キープ・ママ・スマイリングは生まれました。光原さんに子どもの入院に付き添っている家族の課題や活動について聞きました。

2人の子どもが生後すぐに手術。長い付き添いが始まる

光原さんが、子どもの入院に付き添うことになったのは、第1子が誕生してすぐでした。

「35歳で1人目を出産しましたが、生まれてすぐに大きな病気が見つかり、NICU(新生児集中治療室)のある大学病院に転院することになりました。
当時は医療サイトの編集長をしていたのですが、妊婦健診ではとくに異常はなく、私自身も体調がよかったので、産休ギリギリまで働いていました。
しかし出産後、医師に“すぐに手術をしないと命の危険がある”と言われ、頭の中が真っ白になりました。
第1子は女の子ですが生後5日目には8時間におよぶ大手術をしています。入院は半年にわたり、ずっと私がつき添っていました」(光原さん)

その後、第2子を出産します。

「上の子のことがあったので、最初からNICUのある大学病院を選んだのですが、妊婦健診で難病が見つかり“生まれたらすぐに手術が必要”と言われました。しかし、その大学病院では手術の経験が乏しいとのことで、手術実績がある県立病院に転院しました。
二女は生後すぐに手術を受けて、そこからいくつかの病院に入退院を繰り返しました。私がずっと付き添っていたのですが、11カ月のときに容態が急変し、息を引き取りました」(光原さん)

二女を亡くした当時、光原さんは医療サイトの部署から異動して、育児メディアの仕事をしていました。赤ちゃんとかかわる仕事がつらくて異動を希望します。

「当時は、二女を亡くしたつらさを忘れたくて、仕事に打ち込めばどうにかなるかも・・・と思ったのですが、ふとした瞬間に涙が止まらなくなることがありました。

私自身、生きる希望を失いかけていました。でもそのとき私を救ってくれたのが、4歳になる長女の存在です。長女はまだ幼くて、二女が亡くなったことをきちんと理解できていませんでした。だからこそ私にニコニコと笑いかけて、いつものように元気に接してきます。長女がいなければ、私はどうなっていたかわかりません。

また二女を亡くした当時、近所のママ友が食事を作りによく自宅に来てくれました。憔悴している私を見てほうっておけなかったんだと思います。ママ友には、本当に感謝しています。

そのうち私も、冷静になって二女の死を受け止められるようになりました。“短い命だったけれど、この子はきっと何か使命があって生まれてきたのではないか?”と、二女が生まれてきた意味を考えるようになりました」(光原さん)

二女の付き添い中に、ふと立ち寄ったおばんざい屋さんの料理に救われる

光原さんは、長女と二女の入院中に計6つの病院での付き添いを経験しています。
子どもの入院に付き添うときの状況は、病院によって異なります。付き添う人用のシャワールームが完備されている病院がある一方で、シャワールームがないために近くの銭湯に行くように言われる病院もあります。付き添い者の食事が注文できる病院もある一方で、院内のコンビニや近くのお店にお弁当などを買いに行かなくてはいけない病院もあります。

「二女が京都の病院に入院していたときは、食事はコンビニ弁当が主でした。二女がICUに入ったために付き添いができなくなったとき、久しぶりにごはんを食べようと外に出たところ、ふと目に止まり、ふらっと入ったおばんさん屋さんの食事がおいしくて! 当時の食事というと、冷めたお弁当や菓子パンばかり食べていたので、やさしい甘さのだし巻き卵や炊き立てのごはんを食べるのは久しぶりでした。温かくて、栄養満点の食事に心が救われた思いでした。

その日の夜と翌日の昼にもおばんさい屋さんを訪れたところ、大将から“最近、よく来るけどどうしたの?”と聞かれ“二女の入院の付き添いでコンビニ弁当ばかりで・・・”と話しました。すると大将が“うちの孫も入院して、娘が付き添っていたことがあるんだよ。1つ500円でお弁当の配達してあげるから、よかったら注文しなよ”と言ってくれました。私は人の好意には遠慮することなく甘えるタイプなので、病院で付き添っているママたちにも声をかけて、何個もお弁当を注文するようになりました。
ママたちからも好評でした。私自身も、おばんざい屋さんのお弁当に、どれだけ心が救われたかしれません」(光原さん)

子どもの入院に付き添うママたちに食の支援を始めるも、新型コロナの流行で活動が難しく

光原さんは2014年11月、NPO法人を立ち上げて活動を開始しました。
2015年夏、入院中の子どもに付き添う家族が滞在する「ドナルド・マクドナルドハウスせたがや」で、滞在中の家族に夕食を作る支援活動を行ったところ大変喜ばれました。

「温かくて、おいしい夕食を食べて元気になるご家族の姿を見たときに、京都のおばんざい屋さんで元気をもらった、当時のことを思い出しました。私たちができる支援はこれだ!と思いました」(光原さん)

その後も、ドナルド・マクドナルドハウスせたがやでの夕食作りを定期的に続けながら、聖路加国際病院小児科病棟などに、栄養満点でおいしい手作りのお弁当を定期的に届けるなど活動を広げていきました。
しかし、この活動の課題は、手作りのお弁当を受け入れてもらえる施設にいる付き添い者しか支援できないことでした。

一流シェフ監修のおいしい缶詰を届けて、ママたちを応援!

写真は、「ミールdeスマイリング」。「豚肉のりんご煮」「大豆ミートのキーマカレー」など4種類あり、子どもの入院に付き添うママたちには、4種類を1セットにして無料で届けました(現在は2種類のみ製造・配布)。

「1人でも多くの人に、おいしい料理を届けて応援したい!」という思いで、NPO法人キープ・ママ・スマイリングは新たな支援方法を模索し始めます。それが一流シェフが監修するおいしい缶詰を届ける活動でした。

「この活動は、私たちの食の支援活動に、全面的に協力してくれている⽶澤⽂雄シェフ(株式会社No Code代表取締役兼Chef+)の協力を得て実現にこぎつけました。

2019年11月からは、佐賀大学医学部附属病院小児病棟で、子どもの入院に付き添っているママたちに、月1回定期的においしい缶詰を届けています。これまでに東京医科歯科大学病院、成田赤十字病院の小児病棟にもお届けし、缶詰ならと受け入れてもらえる病院の輪は少しずつ広がっています。
ママたちからは“缶詰とは思えないほどおいしい!”“やさしい味でほっとする”など喜びの声を多数いただきました。
こうした食の活動を通して、微力ですが1人でも多くのママたちの力になりたいというのが、私たちの願いです」(光原さん)

お話・監修/光原ゆきさん 協力・写真提供/NPO法人キープ・ママ・スマイリング 取材・文/麻生珠恵、たまひよONLINE編集部

光原さんによると「子どもの入院に付き添う家族の状況は、私が付き添っていた当時からほとんど変わっていません。支援が必要なママは、全国にたくさんいます」と言います。

キープ・ママ・スマイリング

光原ゆきさん(みつはら ゆき)


PROFILE
NPO法人キープ・ママ・スマイリング理事長。医療サイト編集長などに従事。2人のわが子の入院につき添った経験をもとに、2014年11月NPO法人キープ・ママ・スマイリングを設立。病気の子どもや発達がゆっくりな子どもを育てるママたちに、さまざまな支援を行う。

●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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