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りんごや桃で口の中がかゆくなる「花粉-食物アレルギー症候群」。発症に幼児期のアレルギー症状が関連していることが判明【研究発表】

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少女が冷える
●写真はイメージです
RyanKing999/gettyimages

国立成育医療研究センターでは、同センターで出産予定の妊婦さんと生まれた子どもを対象に行う出生コホート研究(追跡調査)で、幼児のアレルギー症状と学童期以降に発症しやすい花粉-食物アレルギー症候群(pollen-food allergy syndrome/PFAS ピーファス)の関連性を明らかにしました。研究に携わった、アレルギーセンター室長 山本貴和子先生に、今回の研究でわかったことを聞きました。
※この論文は、国際雑誌「Nutrients」に掲載されました。

国立成育医療研究センターで生まれた子と、出産予定の妊婦さんを対象に追跡調査

今回の研究は、国立成育医療研究センターで出産予定の妊婦さん(2003年から2005年に妊娠した人)1701人と、同センターで生まれた子ども1550人を登録して調査を行って、診察や血液検査により、ぜんそくなどのアレルギー性疾患や症状、IgE抗体価などの調査を継続的に実施。また①アレルギーの既往歴、②フルーツや野菜を食べたときに、口の中がかゆくなったりするか、③睡眠時間などをアンケート調査で聞いていて、現在も追跡調査は続いています。今回の結果は521人のデータを解析したものです。

「今回の研究は、アレルギー疾患で病院を受診した子どもだけを調査対象にしたものではなく、当センターで出産した一般集団のママと子どもを追跡し、健康状態の推移を継続的に調査しているものになります。
アレルギー疾患は、アレルギー症状があるすべての患者さんが受診するとは限りません。受診はしないけれど、アレルギー症状がある方はたくさんいるので、私たち研究チームは、研究データがかたよらないように一般の人の集団に近い母集団(調査対象となる全体の集団)を作ることを第一に考えました。アレルギー疾患の有無などは問わず、同センターで出産した妊婦さん、子どもを研究対象としたことで、一般の集団に近い母集団で調査ができました」(山本先生)

PFASは、りんごや桃などを食べると口の中がかゆくなったりするのが特徴

研究でわかったことは、未就学の時期にアレルギー症状があると、思春期ごろに花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)を発症しやすいということです。

「追跡調査の対象の子どもたちには、5歳、9歳、13歳、17歳のときに血液検査などを行いアレルギーの有無を調べていますが、5歳でアレルギー症状があると、13歳のときに花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)を発症しやすいことがわかりました。
普段、診察をしていても、このような子どもは多いので、花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)はアレルギーマーチの中で発症されるのではないかと考えてはいましたが、研究でそれが裏づけされました。
アレルギーマーチとは、乳幼児期のアトピー性皮膚炎から食物アレルギー、気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎など、成長に伴い次々と異なるアレルギー疾患を発症することです。

花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)の特徴は、花粉症から始まり、花粉抗原と交差反応性を示す果物や野菜を食べると数分以内に口の中がかゆくなったり、ヒリヒリしたりします。口腔粘膜にアレルギー症状が起きることが多いのですが、まれにじんましんやせき込みなどの全身症状が出ることもあります。

とくにアレルゲンとなりやすいのは、りんご、桃などです。生で食べると口の中がかゆくなったり、ヒリヒリするなどのアレルギー症状が出やすいので無理に食べさせる必要はありません。
ただし加熱をするとアレルギー症状が出にくくなるため、加熱をして食べられようならば除去しなくてもいいです。

また花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)は、一般的には学童期以降に多いのですが、なかには幼児期で花粉症になると、就学前に発症する子もいます」(山本先生)

シラカンバ(Bet v 1)IgE抗体陽性だと、PFASになる傾向がより高い

調査では、5歳のときのアレルギー症状から、13歳のときの花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)のなりやすさを倍率で表しています。

「5歳でシラカンバ(Bet v 1)IgE抗体陽性だと、陽性でない子より10.6倍も花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)になりやすいことがわかりました。スギ(Cri j 1)のIgE抗体陽性だと2.74倍です。
子どもに花粉症の症状がある場合は、将来、花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)になるかもしれません。
またここ数年はコロナ禍で、外出が減ったり、日常的にマスクをしていることが多くなり、花粉症の症状が一時的に緩和されたり、発症が抑えられた子も多いと考えられますが、花粉症が必ずしも治った訳ではありません。

ほかには5歳のときアトピー性皮膚炎(+ぜんそく、鼻炎などの併存)がある子も、花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)を発症しやすいことがわかっています」(山本先生)

東京都が令和元年10月に都内の区市町村で3歳児健診時に実施した「3歳児全都調査」(回答数2727人)では、3歳までになんらかのアレルギー疾患があると医師に診断された子は38.1%。平成16年度から約40%という横ばい状態が続いています。

「東京都の3歳児全都調査では約40%の子がなんらかのアレルギー症状があると診断されていますが、前述の通りアレルギーマーチによって、花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)は発症することがわかっています。そのため乳幼児期のアレルギー疾患は早期に適切に治療することが大切かもしれません。
また花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)治療の基本は原因食物の除去ですが、生のりんごや桃などはだめでも、加熱調理された加工食品であれば、摂取できることが多いです。アレルギー専門の先生に相談してみてください」(山本先生)

お話・監修/山本貴和子先生

取材・文/麻生珠恵、たまひよONLINE編集部

花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)は、まだ広く知られていないアレルギー疾患です。学童期以降に発症するケースが多いのですが、なかには就学前でも発症することが。しかし、好き嫌いと勘違いされることもあるそうです。そのためりんごや桃などを食べたときに口の中をかゆそうにするなど気になる症状があるときは、好き嫌いと決めつけずに、花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)を疑ってみましょう。

●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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