「心が救われた」「笑いに変換できた」1時間半で100万再生の大バズり! シンガーソングライター・TAKさんに聞く、“子育てあるある”替え歌動画の誕生秘話
「お迎えに行ったの17:30、来るの早すぎるっつーけどさ、翌日17:50に行ったら、
お・そ・す・ぎ・る〜♪」
リズミカルなこのフレーズに、「要求がムズすぎる〜、この20分の何が違う〜♪」と、絶妙な返しをするのは、シンガーソングライターのTAKさん。この育児替え歌動画がTikTokやYouTubeなどSNSで大バズりし、子育て中のママやパパの共感を得ています。
そこで今回のたまひよでは、TAKさんと奥さまのAYAさんに、育児替え歌の誕生秘話や動画制作のこと、またその想いについてお聞きました。
<プロフィール>
TAKさん
AYAさん
シンガーソングライター。R&Bボーカルグループ『JAM SOUL』としてのライブ活動、LAへの音楽留学を経て、現在はソロシンガー、音楽クリエイターとして幅広く活動中。3児のパパで、育児替え歌がTikTokやYouTubeで話題に。奥さんであるAYAさんも、TAKさんと同じ「Lush Music」に所属し、今後インフルエンサーとして活動していく予定。
子育て中の人が共感する“育児あるある”を 歌やリズムにのせて、軽快&コミカルに!
――――TAKさんの現在のご活動やお仕事について教えてください。
TAKさん 大学在学中に音楽活動をはじめて、その後は都内で音楽の仕事をしていました。おもに、ライブ活動やステージシンガー、楽曲制作、ボーカルレッスンなどです。そんな中でご縁があった「Lush Music」に、現在は所属させてもらっています。2年ほど前から、SNSに自分の音楽を知ってもらうための動画制作・配信を行なってきました。
――――育児替え歌がバズったのは、何か戦略的なものがあったのでしょうか。
TAKさん YouTubeの切り抜き動画で人気のひろゆきさん、その独特の横向きアングルを真似して、子どもからのお悩みに答え、さらにカメラ越しの妻を笑わせるという、ちょっとコミカルな動画を去年の夏頃に投稿しはじめたんです。ひろゆきさんの切り抜き動画が、SNS上に毎日溢れていた時期で、その波に一緒に乗っかった感じですね。それがいきなり、100万再生を突破したので、それでアカウントが広く認知されるようになりました。
子どもからの悩みごとは、夫婦で「こんなシーン、あるあるだよね」と、想像しながら考えました。たとえば、子どもが夜泣きをするので、「夜寝れないんですけど、どうしたらいいですか?」といった相談に、僕がコミカルに返答するという構図です。
そこから、最近の人気曲を育児あるあるのフレーズに代えて歌う“育児替え歌”にシフトしていったんです。この独特のアングルはあえてそのまままに。そうすることで、パッと見た時に自分のアカウントだと気づいてもらいやすいんです。というわけで、僕の動画は基本、自宅のデスクの前の、この角度が固定です(笑)。
――――YouTube、Instagram、TikTokと3つのSNSで動画を配信しているそうですが、何をメインに投稿しているのですか?
TAKさん 現在は動画を作成すると、YouTube、Instagram、TikTokに同時に投稿をしています。とくに、これをメインにしているというのはなくて、どれかのSNSで見てもらえたらいいなというスタンスです。僕のアカウントを知ってもらうきっかけで、最初に動画がバズったのは、実はTikTokでした。縦動画のフォーマットというのも、バズった一つの要因だと思います。
TikTokは、中高生ぐらいの子たちが踊っているのを投稿しているイメージですよね。でも実際に視聴している人は、もっと幅広い世代だったんですよね。さらにここ数年で、TikTokの知名度もさらに上がって、視聴している世代の幅はもっと広がっているのではないでしょうか。
育児の要素を絡めた音楽のコンテンツに偶然行き着いて、それがたまたまTikTokで好評だったのですが、後追いの形でYouTubeとInstagramでも縦動画のフォーマットが主流になっていき、運がいいことに同じように視聴回数が徐々に伸びていきました。
「心が救われた」「笑いに変換できた」 ママやパパからの声から勇気をもらった
――――育児をテーマにしたのは、何かきっかけがあったのですか?
TAKさん 育児をしている中で、たびたび起きる出来事ってありますよね。「お茶は毎回こぼすよね」とか「この時間になると絶対泣くよね」「布団に置くと、絶対目を開けちゃうよね」など。我が家でもこれだけ起こるんだから、どこの家でも一緒だろうな〜と思うし、同じような境遇の人には「めっちゃ、分かる〜!」という感じですよね。僕たち夫婦の子育て替え歌は、みなさんの家でも起こりがちな「共感」がポイントになっていると思います。
AYAさん 動画のコメント欄に、「心が救われました」「イライラしちゃってたけど、笑って子どもを見守ることができるようになった」「一生懸命に頑張りすぎていたけど、それも笑いに変換できました」などといった声をいただきます。こういうコメントをもらうと、育児で大変なのはうちだけじゃないよね、みんな一緒だよねと思えて、私たち自身も勇気付けられますね。
――――普段ならスルーしちゃいそうなことだったり、イライラだけで終わってしまいそうなことも、TAKさんの動画を見ていると、それを笑いに上手く変えているなと思いました。
TAKさん どうしたって、イラっとするものはイラっとするし、起きちゃうものは起きちゃいますよね。どうせ経験するなら、せめてこれを笑いに変換しないとなって(笑)。きっと、ママ友同士での会話の中でも、そういう「あるある話」って飛び交っていると思うんですよね。人に愚痴るより、こういう場所で一緒に笑って、発散させられたらいいですよね!
AYAさん コロナ下で保育園や幼稚園での行事が制限されたり、送り迎えのタイミングもずらさなきゃいけなくて、親同士の接触が減っていていますよね。育児が孤独になりやすい状況なんだろうなと思うと、このアカウントがみんなで集まれる場所になれているかな〜と、ちょっとうれしくなります。
育児をする中で、どうしても起こってしまう“あるある話”も、イラっとして嫌な気持ちで終わるより、笑いに変えて気持ちよく発散させたいもの。TAKさんとAYAさんのアカウントには、ママやパパだからこそ共感できる“あるある話”を、軽快に、コミカルに歌い上げています。
後半では、いつも明るく楽しいTAKさんとAYAさんご夫婦の、子育てについてお聞きしています。
取材・文/内田あり