「頑張りすぎず、まあいっか!」「親自身が幸せでいることが大事」。育児替え歌で大バズりのシンガーソングライター・TAKさんご夫婦の子育て術とは
「お茶は毎回こぼすよね」とか、「この時間になると絶対泣くよね」など、子育て中の誰もが共感できる“子育てあるある”の替え歌動画を、TikTokやInstagram、YouTubeで配信しているシンガーソングライターのTAKさん。投稿してわずか1時間半で100万再生と大バズりした動画もあり、多くのママやパパの共感を得ています。
今回は、TAKさんと奥さまのAYAさんに、ご家族のこと、また子育ての中でモットーにしていることを聞きました。
<プロフィール>
TAKさん
AYAさん
シンガーソングライター。R&Bボーカルグループ『JAM SOUL』としてのライブ活動、LAへの音楽留学を経て、現在はソロシンガー、音楽クリエイターとして幅広く活動中。3児のパパで、育児替え歌がTikTokやYouTubeで話題に。奥さんであるAYAさんも、TAKさんと同じ「Lush Music」に所属し、今後インフルエンサーとして活動していく予定。
自宅での動画制作は、子どもとのコミュニケーションタイム
――都内で音楽活動をされていて、現在は静岡にお住まいということですが、引っ越されたのはきっかけがあったのでしょうか。
TAKさん 2年半前に、都内から静岡県に引越ししました。僕たち夫婦が所属している「Lush Music」が静岡を拠点にしていて、「こっちで本腰を入れてやらないか」と声をかけてもらったこともあります。その頃にちょうど引越しを考えていて、このタイミングで心機一転、ガラッと場所を変えてみるのもいいかなと思い、決断しました。ちょうどコロナ下でもあったし、家でできる仕事も多くなったこともあって、どこにいても仕事はできたというのもありましたね。
今、長男が4歳、次男が1歳11か月、三男が6か月なんですが、長男は都内で2歳まで育ちましたが、次男はこっちに来てから生まれたので、すっかり“静岡っ子”ですね。
――――お子さんも動画に一緒に登場されていて、ご家族の明るく楽しい雰囲気が伝わってきます。TAKさんから見て、どんなご家族ですか?
TAKさん 子どもたちは動画に写っている、そのままの雰囲気です(笑)。妻も動画の通り、明るくて笑い上戸ですね。みなさんが見たままの家族像だと思います。
――――お子さんたちは、動画撮影に積極的に参加してくれるんですか?
AYAさん 子どもたちは動画撮影を楽しんでいますね。撮影が終わっても、まだやりたい!なんて言うぐらい。撮影は、彼らにとって遊びの一つ、家族で戯れる一つなのかもしれないです。我が家は特殊な形だとは思いますけど、コミュニケーションの一つになっていますね。
――――三人目のお子さんが生まれて半年ということですが、子育てで大変なこと、楽しいことなど教えてください。
TAKさん かわいいも、楽しいも三倍です!子ども1人に大人1人が見ていなきゃいけない状況のときは、現実的に大人の手が足りないので、やっぱり大変です。三男は抱っこして欲しくて泣いていても、すぐに抱っこしてあげられないこともありますからね。
ただ、子どもには子どもだけの世界があるみたいで、一人っ子のときよりも、兄弟三人の方が一緒に遊んでくれたりと楽な部分もあります。一番下の子も、安全な場所さえ確保できれば、お兄ちゃんたちのそばにいる方が機嫌よくしていることもあるんです。
――――TAKさんの替え歌を聴いていると、子育てにすごく参加されているなという印象ですが、実際にはどうでしょうか。
TAKさん 在宅で仕事をしている時間が長いので、必然的に関わる機会は多いかもしれないです。でもやっぱり、妻の負担の方が大きいと思いますよ。
AYAさん 半分半分ぐらいかなと。まだ下の子が小さいので、小さければ小さいほど、お母さんじゃなきゃ嫌だというシーンもありますよね。なので、実際には私の方が負担は大きいかもしれないですけど。ただ、とくに細かく分担はしていないですが、最初に育児についての考え方はきちんと話し合いました。
自分たちも親になって、まだ5年だからこそ、頑張りすぎず自然体で
――――普段、子育てで気をつけていることや、モットーにしていることはありますか?
TAKさん 子育てにおいては、僕たち夫婦の精神状態を保てるかどうかが大切かなと思うんです。たとえば、部屋が散らかっていたり、シンクに食器が残っていても、「まあ、あとでやればいいや」でいいのかなと。部屋が汚いのを許せないのは大人の僕たちであって、これをきっちりやらなきゃと思うと、ただただ疲れるだけなので。きっちりやれば、汚されることにイラっとしたり、思うようにいかないと子どもに大きな声で当たってしまったり……。そうはなりたくないですよね。最低限のことだけやっていればいいかなって、そのあたりの感覚は夫婦で一致しています。
AYAさん 私も、「まあ、いいか」って思うことですかね。こうしなきゃ、これをしなきゃって思うと、自分でもイライラしちゃうし、夫にも完璧さを求めてしまう……。子どもに対しても同じで、「こぼさないで」「早くして」など、子どもにいらない要求をする必要も無くなります。
私たち親自身が、穏やかでいること、幸せでいることが大切なのかなと思います。私たちもまだ、親5年目の新米なので!
――――最後に、育児で毎日奮闘しているママやパパにメッセージをお願いします。
TAKさん 動画では華やかで楽しく見えるかもしれませんが、実際は我が家もやっぱり、めちゃめちゃしんどい時もありますね。理想的な家族に見せているだけなので(笑)。みなさんのご家庭と変わらないです。だから、一緒に頑張りましょう!
AYAさん 私は、今のママ・パパ世代って、働きながら子育てをしている方がとても多いと思うんです。今は、男の人が育児に参加して当たり前になっていく、シフト期間なのかなと。夫婦で育児することが当たり前の時代に、早くなってほしいです。
みなさんと共有したい気持ちは、親である前に、自分という人間を大事にしていいんだよということ。親だから、子どものためだからと、自分のことを我慢したり、締め付けないで欲しいです。親でも自分の人生を大切にしていれば、自然と子どもを大事にできると思います。
親として頑張りすぎず、肩の力を抜いて子育てをしているから、お子さんにも笑顔で接することができる……。動画を通じて映る、TAKさんとAYAさん、そして3人のお子さんから、そんな雰囲気が伝わってきました。
子育てで息詰まってしまったり、孤独を感じていたり、どこにも吐き出せない気持ちを抱えていたら、ぜひお二人の動画を見てみてください。クスッと笑えて、ちょっと元気になれる、そんな動画が満載ですよ。
取材・文/内田あり