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結婚8年目で娘を出産後、体調が急変。「左手はほとんど動かない」と医師からの告知・・・。つらいリハビリを頑張れたのは家族のおかげ【体験談】

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写真は、まひしていない右手で、生後間もない稟ちゃんに触れる祥子さん。

第1子の稟(りん)ちゃんを出産し、幸せな時間を過ごしていたわずか数日後、体調が急変。大静脈血栓症と脳内出血を併発し、左手足にまひが残ってしまった布施田祥子さん(以下祥子さん)。出産時の様子や大静脈血栓症と脳内出血を併発したときのこと、子育てについて話を聞きました。

結婚から8年目に妊娠。双角子宮で予定帝王切開に

祥子さんと夫の亮さんが結婚したのは、2人が27歳のとき。友だちと食事をしていた地元の飲食店で、偶然出会ったのがきっかけです。

「お店に入ったら、私の専門学校時代の友だちがたまたまいて、そのグループに夫がいました。そのときは何もなかったのですが、1年後に夫から“会えない?”と連絡をもらいました。専門学校の友だちに私の連絡先を聞いて、教えてもらえたのが1年後で、そこで連絡をくれたそうです」(祥子さん)

結婚当時、祥子さんはジュエリー関係の仕事を。夫の亮さんも会社員で、2人とも忙しく結婚後“すぐに子どもが欲しい!”とは思わなかったと言います。しかし結婚から1年が過ぎたころ、不妊治療をしている友だちのすすめで、念のため検査を受けてみることに。

「大学病院の産婦人科で検査を受けたのですが、検査の結果、双角子宮(そうかくしきゅう)とわかりました。子宮内部がハート形のようになっていて子宮内部に狭い部分があり、狭いほうの卵管は通りが悪いので、妊娠しにくいと言われました。でも自然妊娠の可能性はあるとのことで、あまり気にしませんでした」(祥子さん)

祥子さんが稟ちゃんを授かったのは、結婚から8年目の35歳のときでした。

「妊婦中はつわりがひどかったです。妊婦健診でも、双角子宮なので赤ちゃんが育ちにくいかも・・・と言われました。自宅近くの総合病院で出産することにしたのですが、私の場合は、双角子宮で赤ちゃんが産道を通れないということで予定帝王切開での出産となりました」(祥子さん)

産後8日目の夜中、急に足がもつれて歩けなくなり、左手に違和感を覚える

生後5日目の稟ちゃん。このころ、祥子さんにはとくに異常は見られませんでした。

稟ちゃんが予定帝王切開で生まれたのは、2011年8月。出生体重は2700gでした。

「稟という名前は、私が決めました。“りん”という響きが好きで、以前から女の子なら“りん”と決めていました。元気に生まれてくれて、医師にも“双角子宮で子宮が狭いのに、よく2700gまで育ったたね”と言われたぐらいです。母子ともに元気で、あとは退院する日を待つのみでした」(祥子さん)

しかし産後7日目あたりから、祥子さんの血圧が上がり始めて頭痛に襲われます。

「私は片頭痛持ちなので、頭痛は“いつものだ”と思っていました。血圧も看護師さんから“よくあることだから、少し様子を見ましょう”と言われました。
しかし産後8日目の夜中0時ごろ、急に足がもつれて歩けなくなってしまって。たまたま看護師さんが近くにいたのですが、病室に戻れなくなり、看護師さんにかかえられて、病室のベッドに戻り、血圧を下げる薬をもらいました。
夜中2時ごろに、左の手が氷のように冷たくなっていくのを感じて、ナースコールをして来てもらったのですが“夜中は検査ができないから、少し様子を見ましょう”と言われました。

夫や母にLINEでSOSのメッセージを送ったところ、夫も母も“いつもの祥子と違う! 文面がおかしい! 誤変換が多すぎる!”と感じたようで、朝イチで夫が病院に駆けつけてくれました。すぐにCT検査とMRI検査をしましたが、そのころ私は意識があまりない状態でした。
検査の結果、何らかの原因で血液の一部がかたまって血栓となり、血管のなかでつまる大静脈血栓症と脳内出血の同時併発とわかり、ICU(集中治療室)に12日間入院して治療が行われました。吐きけと頭痛がひどくて、私はずっと薬で眠っていました。夫は私が大好きなグループの嵐の曲を耳元で流し、ずっと私に話しかけたり、名前を呼んだりしてくれていたそうです」(祥子さん)

先に退院した稟ちゃんは、祥子さんの実家と夫の実家で預かることに。
「当時中国に住んでいた姉が、 “母や父だけでは、赤ちゃんのお世話は大変だから”と、急きょ帰ってきて、実家で母たちと一緒に稟のお世話をしてくれました」(祥子さん)

医師からは「左手はほとんど動かないからあきらめて」と告げられる

病室で稟ちゃんにミルクをあげる祥子さん。

ICUを出たあとは、脳外科に2カ月間入院。医師からは「手はほとんど動かないからあきらめて。足は頑張ればなんとかなるかもしれないけれど、車椅子に乗ることになるかもしれない」と告げられました。また、大静脈血栓症と脳内出血を発症した原因はわからないと言われました。
祥子さんが薬で眠っているときに、夫は医師から「薬が切れても、意識が戻るかわかりません。目覚めても、寝たきりか、車椅子になるでしょう」と言われたそうです。

「医師からの言葉を聞いたとき、夫は私が寝たきりの生活になることを覚悟したそうです。神社にもよくお参りをしてくれていたと、あとから知りました。

一方、私は根拠はないのですがなぜか“絶対、歩けるようになる!”と思っていました。
私は嵐の大ファンで、発病をした5カ月後の2010年1月に、当時のナゴヤドームで開催されるコンサートに行く予定でした。チケットも取っています。“絶対、行ける!”と自分を信じました。
子育てに関しても“無理かもしれない”とは、不思議と思わなかったです。悪い考えを払拭(ふっしょく)するとかではなく、本当に自然に“大丈夫”と思いました」(祥子さん)

リハビリ病院に転院し、家族の支えを受けながらリハビリを頑張る

脳外科を退院後、祥子さんは左手と左足のまひのリハビリを行うための病院に転院。5カ月間、入院してリハビリに専念しました。

「リハビリの病院では、最初に目標を聞かれるのですが私は、①嵐のナゴヤドームのコンサートに行く、②稟を自転車に乗せて送迎できるようにすると言いました。自転車の送迎は、将来的に働くことを視野に入れた目標です。

絶対、かなえたい目標があると、どんなにつらいリハビリも頑張れます。また稟の存在や家族の支えも大きかったです! 私は奇跡的にも、左足に装具を付けて歩いて、嵐のコンサートに1泊2日で行くことができました」(祥子さん)

1人で稟ちゃんのお世話ができるように練習

稟ちゃんのお世話は、左手がまひしていてもできる方法を担当の作業療法士さんと相談しながら、考えていったという祥子さん。
「最初は、赤ちゃんと同じ大きさの人形を使って抱っこする練習をしていたのですが、“人形だと感覚がつかみにくい”と言ったところ“実際に自宅で稟ちゃんを抱っこしながら練習しましょう”と言われて、自宅で抱っこやおむつ替えの方法などを教わりました。うまくできないことは、次のリハビリで取り組むという流れで進めました。そのころは週末だけ外泊許可をもらい、週末は家族3人で、自宅で過ごすような生活でした」(祥子さん)

祥子さんがリハビリの病院を退院し、自宅に戻り、稟ちゃんとの生活が始まったのは、稟ちゃんが7カ月になってからです。

「左手にまひがあるので、稟をおふろに入れるなど両手を使ったお世話はできません。でも右手と右足を使ってお世話はできます。私ができないことは、夫に任せればいい! 2人で育児をしていけば大丈夫! そんなふうに考えていたので、自分を追い詰めたり、“子育てなんて無理”と思ったことはありませんでした。

稟は今11歳ですが、夫の母から“稟ちゃんと話していると、祥子さんのことを気にかけて、守ろうとしているのがわかるわ。優しい子ね”と言われたことがあります。急がないといけないようなとき、娘が真っ先に“ママは足が痛いから急げないよ。ゆっくり歩いて”と言うそうです。

幼かったときは、私が稟を守るのに必死でしたが、いつの間にか稟が私を支えてくれる存在になったんだな・・・と思います」(祥子さん)

お話・写真提供/布施田祥子さん 取材・文/麻生珠恵、たまひよONLINE編集部

祥子さんは最近、稟ちゃんと親子でK-POPにハマっていて、2人でイベントなどにも行くそうです。また2017年に起業し、車椅子を利用したり、下肢装具を着けていても、おしゃれにはける靴などを扱うセレクトショップ「Mana'olana」を立ち上げて活動しています。“興味があることや好きなことは、とことん楽しむ!”という姿勢が、祥子さんのパワーの源のようです。

「たまひよ 家族を考える」では、すべての赤ちゃんや家族にとって、よりよい社会・環境となることを目指してさまざまな課題を取材し、発信していきます。

●この記事は個人の体験を取材し、編集したものです。
●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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