夫婦で育児をすることはテニスのダブルスに似ている。「育業」は今しかできない“家族の土台を頑丈にする”ための時間【人気漫画家 宮川サトシさんインタビュー】
「育休」の新しい愛称として東京都より発表された「育業」。たまひよでは東京都とタッグを組み、「#我が家の育業ストーリー」を募集しました。ママ・パパから寄せられた投稿数は約1100件‼ そのなかから、人気漫画家のおぐらなおみさん・宮川サトシさんによって6つのエピソードが選ばれ、漫画化されました。今回は宮川サトシさんに、寄せられた投稿を読んだ感想や、「育業」についての思いを聞きました。
宮川サトシさんProfile
岐阜県出身。2013年マンガ家デビュー。『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』(新潮社)は大きな話題となる。現在は雑誌『モーニング』(講談社)にて『ワンオペJOKER(原作)』を連載中。2児のパパでもある。
「育業」によっての気づきが、円満な家庭へと好転させていく!
今回のキャンペーンで集まった「我が家の育業」の投稿を読ませていただきましたが、皆さん、「育業」をしたことでの気づきと、そこから好転していく様子を描かれていた印象ですね。僕はフリーランスですが、育児には向き合って考える時間が必要だし、そこで生まれる夫婦のチームワークがいかに重要か、ということを思い出したりしました。投稿者のエピソードをマンガ化していくことは、育児のみならず、円満な家庭を作っていく上で大切なことを思い出させてもらえるような、貴重な体験でした。
「育業」している夫と妻の心の変化に共感、感動した投稿を選びました
たくさんの投稿から3つのエピソードを選びましたが、選んだ基準は漫画に起こしやすい投稿…であったこと。こう言ってしまうと身も蓋もないですが、ご家族の関係性が伝わってくるエピソードって、やっぱり漫画にしやすいんですね。そういった投稿を中心に、登場人物の心の変化にも共感しながら選ばせていただきまた。
1作目に描いた育児を車の運転に例えたストーリーも、3作目の夫が育児の主役の座を背負って奮闘するお話もとても共感できて、どちらも漫画化のイメージがすぐに浮かびました。2作目の夫が家族の爪を切るエピソードは僕の妻も感動していて、夫婦で盛り上がっている勢いのまま、漫画のラフを描いたように思います。
夫婦で協力して育児をすることはテニスのダブルスに似ている!
僕はフリーの漫画家なので家にいる時間が長いのですが、どんな状況であれ、テニスのダブルスみたいなイメージで子育てにあたっていて、その場その場でボールに近い方が拾いに向かい、点を取る。それがお互いをサポートすることにつながるんじゃないかなと思っていて。それは子どもが少し大きくなってきた今でも、変わらないですね。
「育業」は、今しかできない“夫婦の土台を作る”貴重な時間です
この「育業キャンペーン」で漫画を描かせてもらったことで、僕にはすっかり「育業」というワードが定着しましたし、パソコンでも一発変換で出るようにしました(笑)。「育休」より発音しやすいし、もっと自然に広まるといいなと思います。それに、寄せられた投稿は、ありがたみを感じられている内容がほとんどでしたし、育業できるならした方が良いと思います。「育業」は、今しかできない“家族の土台を頑丈にするための”貴重な時間ですもんね。
2人のお子さんの子育て中である宮川さんご自身の考えもふまえて、育業への思いを語っていただきました。この「育業キャンペーン」を機会に育業する人が増え、家族が協力し合うことで、社会全体も思いやりにあふれたものになることを願っています。(取材・文/ひよこクラブ編集部)
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