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4月発足「こども家庭庁」って何するところ?子育て中のママたちが大臣に会いに行きました

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小倉大臣に、事前アンケートで集まったママ・パパ3981人分の声もお届けしました。(写真右から)サンキュ!アンバサダー・風間千嘉さん(32才)、菖善くん(4才)、小倉將信大臣、たまひよ読者・加藤菜緒さん(35才)、遙真くん(10カ月)、和寛さん(41才)

4月1日に発足した「こども家庭庁」。日本で初めて“こども”という名称がつく独立した行政機関として誕生した省庁です。今回、『たまひよ』と『サンキュ!』が独占取材を敢行! こども家庭庁担当大臣の小倉將信さんに直接インタビューし、両誌編集長とともにママ・パパのリアルな声を届けてきました。

オレンジのロゴマークに込められた意味とは?

たまひよ読者・加藤さん:こども家庭庁のロゴマークを拝見しました。「こどもまんなか」というキャッチコピーを掲げていますが、このコピーの意味やロゴマークへの思いを教えてください。

小倉大臣:こども家庭庁は“こども基本法”という法律の施行と共に発足した組織です。“こども基本法”では、こどもの意見を真正面から受け止めるということと、それを国の政策のまんなかに位置づける。さらにそうするにあたって、こどもの最善の利益を第一に考えるということが決まりました。

加藤さん:それが「こどもまんなか」の思いなんですね。

小倉大臣:私も大臣に就任してから小学生、中学生、高校生などの若い人たちといろいろな話をしてきましたが、大人から言われたことをやらなければならない、大人に自分たちの意見を言ってもちゃんと取り合ってはもらえないと思っている子が多かったように感じます。

これから私たちは率先して、こどもをこども扱いしない、一人前の国民として話を聞く、そういったことを一つ一つ積み重ねていくことで、「こどもまんなか」社会を実現していきたいと考えています。

ロゴマークには“大人たちがこどもを見守っていく”というメッセージが

小倉大臣:ロゴのデザインですが、実はこどもの「ど」の濁点の部分は、目の形を意識しています。これは、“大人たちがこどもたちを見守っていく”という意味を込めています。「こども」という表記も平仮名にして、小さいこどもも読みやすくなればと。全体を温かみのあるオレンジ色にしているのも“温かい気持ちでこどもを見守っていく”というイメージです。

加藤さん:このロゴマークから、やわらかい印象を受けました。平仮名表記も、「ど」の点々が目になっているのもすてきですね。

こどもを巡る問題を抜本的に解決し、「こどもまんなか」社会を実現したい

サンキュ!アンバサダー風間さん:このタイミングでこども家庭庁がスタートした背景を教えてください。

小倉大臣:皆さんニュースを聞いたと思いますが、昨年の出生数が80万人を切ってしまいました。これは過去最少で、推計よりも8年早く少子化が進んでいます。1年で80万人弱だから、このペースで進むと80年後に日本の人口は6400万人…人生100年時代という言葉もありますから実際はもっと多いと思いますが、単純計算すると今の半分以下という、ものすごいペースで人口減少が進みます。

実は少子化でこどもの人数は減っているのに、むしろいじめの件数は高止まりしてしまっています。児童虐待もかなり高水準。不登校のこどもも約25万人※1まで増えてしまいました。また、こどもの自殺者数も514名※2と過去最悪です。

こどもの数が減っているのに、とりまく問題はむしろ悪化してしまっているんです。そのため、一人一人がこの国で幸せに、すこやかに成長していくための組織として、こどもを巡る問題を抜本的に解決する「こども家庭庁」が発足しました。
※1、※2=2021年度、文部科学省調べ

風間さん:こどもの数は減っているのに、いじめや自殺が増えているんですか!? ちょっと衝撃を受けました。

就学前の子育て家庭についても保育支援を手厚く

『初めてのひよこクラブ』を手にとる小倉大臣。「たまひよ、もちろん知っていますよ」

『たまひよ』統括編集長・米谷:具体的にこども家庭庁は、これから何をしてくれるのでしょうか?

小倉大臣:いろいろなことをやっていきます。

たとえば小学校就学前のこどもについて。3歳未満のこどもがいて、どの施設も利用していない家庭が現在、約6割※3。親御さんが自宅で子育てしていますが、核家族化が進んでいる中、大変な思いをしている例もあります。そういった約6割の未就園児への支援というのも増やしていきたいです。保育園や幼稚園に定期的に預けている家庭以外でも、一時預かりを利用できるような方向にしたいなと思っています。

こどもがちょっと手を離れて再就職したいと思うけれど、就労要件を満たしていないから保育園や幼稚園に預けられない、預けられないから再就職活動もできないという話も聞きます。就職活動をするときに、自由に園に預けられる体制をめざします。

また、今の若い人には“こどもを持つと、これまでの自由がなくなる”という考えを持っている人も結構多い。一時預かりをもっと自由に利用できるようにして、好きな歌手のコンサートに行くときやママ・パパ2人でデートしたいときは預けるなど、保育園や幼稚園の力を活用できるようにしたいですね。
※3=令和元年調査より(2022年度の報告書にも記載)

子育てを社会全体でしっかりと支えていくしくみづくりを

『たまひよ』統括編集長・米谷もインタビューに参加

『たまひよ』編集長・米谷:「こども家庭庁」という言葉から、子育ては家庭でという印象を持つ人もいると思います。「家庭」という言葉をどう、とらえたらよいでしょうか? 今は、共働き家庭が増え、育児環境も多様化する中、子育てにママ・パパだけが孤軍奮闘する時代ではないと思います。たまひよは「チーム育児」を提案していますが、育児をサポートする体制や環境づくり、世の中の意識についてお考えを教えてください。

小倉大臣:まず、大前提としてこどもの育ちにとって「家庭」の役割は重要です。“児童の権利に関する条約”においても、「こどもは、家庭環境の下で、幸福、愛情および理解のある雰囲気の中で成長すべき」とされています。

ただ、何も家庭ですべて子育てをしてください、という意味では決してなく、家庭を基本としつつ、社会全体でこどもを支えていく、子育てをしている方を支えていく。そういう意味で、こども家庭庁をとらえていただければと思います。

『たまひよ』編集長・米谷:「チーム育児」についてはどう考えますか?

小倉大臣:非常に重要な考えだと思います。この間、岸田総理と岡山県の奈義町に行ってきました。現在、日本全体の出生率は1.3※4ですが、この奈義町は出生率2.95※5で奇跡の町と言われています。

さまざまな子育て支援策を実施しているだけでなく、町全体が子育て家庭に対して温かいですし、子育て支援拠点に行けば、地域の人がみんなで子育てしている。そういった社会や地域全体で子育てをしていけば、希望する人がこどもを持ちやすくなるということを実感しました。
※4=2021年度調査 ※5=2019年度調査より

こどもを育てる喜びを素直に感じ取ってもらえる社会に

『サンキュ!』編集長・山本:最後に、大臣が想像する日本の未来の姿を教えてください。

小倉大臣:今子育てしている方、これからこどもを持ちたいと思っている方がさまざまな負担感なく、こどもを育てる喜びを素直に感じ取ってもらえる社会にしたいです。こどもを持つと経済的負担、身体的負担がある、あるいはキャリアや自分の趣味を中断せざるを得ないなど、さまざまな制約ばかりがあると思われてしまっているのが、わが国での“こどもを持つ”ということ。

経済的負担もなくしていきます。身体的負担も極力、減らしていきます。こどもを持つことによって仕事や趣味をあきらめなくていい日本にしたいというのが私たちのメッセージ。まだまだ道半ばですが10年後20年後、そういう社会にしていきたいです。

読者パパとも同世代。小倉大臣は気さくな方でした

『たまひよ』統括編集長・米谷(左)&『サンキュ!』編集長・山本(右)もインタビューに参加

対談終了後、事前アンケートによるママ・パパ3981人分の声が詰まった、こども家庭庁への「要望書」もお渡ししました。

インタビュー中は、菖善くんにおもちゃをあげたりと、終始、こどもたちを気にかけていた小倉大臣。「せっかくですから座っていただいても」と、こどもと一緒に読者ママたちに大臣席を体験させてくれるワンシーンもありました。


お話/小倉將信大臣 取材協力/こども家庭庁 撮影/林ひろし 取材・文/杉澤美幸 構成/たまひよ企画編集局
●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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