「私、子ども服サイズが着られるの」という謎のマウントから、「告白された~(でも全部嘘)」という怖めのマウントまで。私が体験したマウントエピソード
「たまひよ」アプリユーザに「これまでに“マウント”をされた経験はありますか?」と、質問。「あった」約31%で、「なかった」は約37%となりました。コメントではクスッと笑えるものから、ゾワッとするものまで、興味深いエピソードが寄せられました。
ママ友や夫婦など人間関係に詳しい長島ともこさんに聞きました。
これまでに“マウント”をされた経験はありますか?
マウントとは「わたしってすごいのよ」的な言動をすることで、相手より優位に立とうとする行動を言います。マウントをされた経験が「ない」は36.7%ですが、2位は「わからない」でした。「されているのだろうけど、自分はマウントとは思わなかった」「今から思えばそうだったのかも」という、声が寄せられました。
「マウントをされたことがある」人へ、誰にマウントをされたことがありますか?(複数回答)
1位 学生時代・独身時代からの友人 51.6%
2位 職場の上司や同僚 38.1%
3位 夫(妻)の親族(義両親・義きょうだい等) 17.5%
4位 ママ友・パパ友 15.1%
5位 自分の親族(両親・きょうだい・従妹等) 11.9%
一番多かったのが「学生時代・独身時代からの友人」でした。結婚・出産などステージが変わったことが影響しているようです。2位には「職場の上司や同僚」が入りました。アンケート層の約7割が働いており、身近な存在のようです。
インパクト強めのマウントエピソードを紹介します。
価値観が独特すぎて対応に困る、謎マウントエピソード
「職場の先輩に『私、子ども服サイズでも着られるのよ』と、マウントというか自慢をされたことがあります。私は大人になっても子ども服を着ようとする発想に驚き、さらにそれが自慢になると思うことに驚き、なかなか謎な思考でした」(330)
「義母から『哺乳瓶の飲ませ方が間違っているから教えてあげる』『ミルクの作り方が間違っているから教えてあげる』と、言われました。一応、教わりましたが間違いポイントは謎のままです」(りり)
「不妊体質なのでなかなか授からず仕事に邁進していた頃、義妹から『働けていいなあ。私なんて子どものご飯を作らなきゃいけないし、そんな時間はない。あなたは働いているから家事もしなくていいのでしょ?』と、謎の子育てマウント。私は今、妊娠中。変わらず家事と仕事をしているし、育休とったら職場復帰予定です」(まちゃん)
「初めて勤めた会社の女性上司(40代)は10代で出産されそうで、お子さんはすでに30代でした。私は母が29歳のときの子だと知ると『えー⁉すごく遅くない?』と。若かった私は頭が真っ白になり、何も言い返せませんでした。ちなみに1年後、メンタルを病んでその会社は退職しました。
そのあとに勤めた会社では逆マウントされました。当時既婚でしたが、同じ年で独身の同僚から『既婚者は未婚を見下している』という謎の持論を展開されました。その割には夫の学歴、勤め先、家は賃貸かマイホームか、など根掘り葉掘り聞かれて怖かったです」(牡丹)
「シングルマザー時代、ママ友から『車を現金一括で買ったの~。車は現金で買うものよね?』と、言われたことあります。スルーしときました(笑)」(caocao)
「義母は会うたびに夫(義母にとって息子)の昔話をしてきます。話の内容は『私と息子の絆は深くて、すごいんだ』というものなんですが、どう考えても夫はそう思っていない(笑) 勝手に言ってるなぁとスルーしています」(みっち)
「は!?」と思わず言いたくなる、イラっとマウントエピソード
「前の職場での出来事です。出産を終えた先輩から『育休の説明を聞きたい』と連絡がありました。産休前に育休の説明したよなぁと思いつつ先輩が久しぶりに来社。私と目が合った瞬間『早く結婚して子ども産みなよ~』と、部署内に響き渡る大声で言われました。
おそらく私は先輩より早く役職に就いたので、それが面白くなかったのでしょう。ほかにも色々あったので、その先輩とは仕事の会話のみになりました」(りy)
「実父の知識マウントがすごいです。例えばテレビ番組のクイズで自分は正解がわかると『この答えはわかる?』と、必ず周りに聞いてきます。答えられないと『こんなことも知らないの~?』と、どや顔。本人は『すごい』『物知りだね』と、褒めてもらいたいのでしょうがお子様か!」(ELLIE)
「大学入学してまもなく、初対面の同級生に『〇〇県出身』と言ったら、『雰囲気が〇〇県民(田舎)っぽいね~』と、言われました。
その人は都会生まれの都会育ち。比べて私は上京したてであか抜けていなかったのかもしれないけど、思いやりの欠如している人として一切関わらないようにしました」(sumi)
「妊娠した際に、先輩ママでもある友人と最近の妊娠・出産事情の話になりました。すると私が集めた最近の情報を全否定。『自分が出産した数年前の話が正しい』みたいなマウントをとられました。
友人は自分の経験を話しただけなのかもしれないけど、最新情報を頭から否定するのはちょっと違うよなぁとモヤモヤ。『教えてくれてありがとう』と、伝えてそっと距離をとりました」(kzs)
背筋がゾクッとする、怖めのマウントエピソード
「大学時代の話です。同級生から『〇〇くんに告白された』『××くんに告白された』と、複数人からコクられた話を聞かされたのですが……。ひょんなことからすべて嘘と判明。そっと距離をとりました」(ちーたん)
「Aちゃんは園時代からの幼馴染み。ことあるごとにマウントをとられて傷ついてきましたが、長い付き合いなので今に至ります。
私は結婚してすぐ妊活を始めましたがなかなか授からず、Aちゃんに『不妊治療を考えている』と、伝えた数ヶ月後、『予定外の妊娠をした。産むか迷っている』と、連絡がありました。実は周りには伝えていなかったけど私は妊娠中でした。
もし、私が不妊治療中にこのメッセージを受け取ったら?考えただけでもゾッとします。Aちゃんとは静かに距離をとろうと、ようやく決心がついた出来事でした」(なつこ)
マウントの対処方法は「スルー」「そっと距離を置く」が多数派
マウント対策は相手にしないことが一番!と、いろんな方法でかわしているようです。
「マウントをとる人は『すごい』って言ってもらいたいだろうなと感じるので、相槌は『すごーーい!』『まじで⁉』が鉄板です」(焼肉定食)
「マウントされたと思っても無視一択。『すごいね!』などは絶対言いません!」(March)
「マウントをとらないと生きていけない、可哀想な人だと思うことにしています」(ゆゆゆ)
「ひと回り年上の義姉&義兄たちが昔の子育て論を押し付けてきます。経験からのアドバイスはありがたいけど、やはり時代が違います。同意はしないけど、とりあえずニコニコ。その後、実母に話してスッキリしています」(yrqn)
すかっと言い返す人は少数派のようです。
ママ友関係や夫婦関係に詳しい長島ともこさんに聞きました。
「マウントするのは自信のなさの裏返しの可能性も。さらっと聞き流しすのが一番」と、専門家
「『マウントされた経験がある』というユーザーは、約31%とのこと。
人を見下すようなニュアンスが含まれた物言いに、思わずムカッとしたり、モヤッとしたりしたことでしょう。
そもそも“マウント”は、サルやゴリラが自分の優位性を周囲に示す行動を表す動物行動学の専門用語“マウンティング”、格闘技で相手を押し倒し、馬乗りになる体勢を表す“マウントポジション”が由来といわれています。
私たち人間に本能的に備わる“競争心”が根っこにあり、マウントをとりたがる人というのは、『自分が他人よりも優れた存在であることを認識することで、自己肯定感を高めたい』など、承認欲求が強い傾向にあるといえるでしょう。
そのいっぽうで、実は自分に自信がなく、虚勢をはって相手を威嚇し優位に立つことで、自信のなさを打ち消したい側面もあるのではないでしょうか。
『マウントされた』と感じたら、ユーザーさんが言うように、『へーそうなんだ!すごいねー』とさらっと受け止めたり、聞き流したりするのがいちばんです。
売り言葉に買い言葉で、“マウント合戦”に参戦するのは時間のムダ。イライラ・モヤモヤがかえって増してしまうかもしれませんので、避けたいものですね。
相手との関係性や時と場合によっては『え、もしかして私、マウントされてる?』など、冗談まじりで明るく返すのも一案です」(長島ともこさん)
長島ともこ
フリーライター、エディター、認定子育てアドバイザー。教育、育児、妊娠&出産を中心に幅広い分野で取材、執筆、企画ディレクション等を行う。PTA活動にも数多く携わり、その経験をもとに、書籍『PTA広報誌づくりがウソのように楽しくラクになる本』『卒対を楽しくラクに乗り切る本』(厚有出版)を出版。All About子育て・PTA情報ガイド。大学生と中学生の母。
文/和兎 尊美
※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※調査は2023年3月実施の「まいにちのたまひよ」アプリユーザーに実施ししたものです。(有効回答数401人)
※記事の内容は2023年5月の情報で、現在と異なる場合があります。