SHOP

内祝い

  1. トップ
  2. 赤ちゃん・育児
  3. 赤ちゃんの病気・トラブル
  4. 二女が川崎病に…。治療のため、突然たったひとりで入院することに。号泣した夜【双子育児漫画家いよかん】

二女が川崎病に…。治療のため、突然たったひとりで入院することに。号泣した夜【双子育児漫画家いよかん】

更新

どこに行くにも何をするのもずっと一緒だった双子のかぼすちゃんとすだちちゃん。

2019年に双子を出産し、その育児の漫画やイラストをSNSで発信している漫画家・いよかんさん。双子のかぼすちゃん・すだちちゃんは現在3歳で保育園の年少クラスに通っています。2歳で臍(さい)ヘルニアの手術をした以外は、大きな病気もなく育ってきた2人ですが、2023年の3月、すだちちゃんが川崎病にかかってしまったのだとか。その病状や入院の様子について、いよかんさんに話を聞きました。

溶連菌と言われたけれど症状がよくならず・・・

――川崎病と診断されるまで、すだちちゃんにどんな症状がありましたか?

いよかんさん(以下敬称略) はじめは発熱と体に赤い発疹が出たのですぐ近所の小児科を受診したら「溶連菌でしょう」と言われ、薬をもらいました。

でも2日たっても赤い発疹が続いて症状がよくなりませんでした。日曜日だったので、夜間や休日に家に往診に来てくれるサービスをお願いして診てもらいましたが、やはり「溶連菌ですぐ治るでしょう」と言われました。溶連菌感染症ならずっといっしょにいるかぼすにもうつるのでは?と思いましたが、かぼすはずっと元気。不思議に思っていました。

その翌日の月曜日もすだちはすごくつらそうで、起きたいのに起き上がれないから「起こして」というほど。そんな状態のすだちがクッキーが食べたいというので、スーパーに行くついでに、その近くにあるいつもと違う病院に行って診てもらったんです。そしたら、「これは川崎病かもしれないから、今すぐタクシーで大きな病院に行ってください」と言われました。

川崎病はなんとなく聞いたことはありましたが、知っていた初期症状と一致しなかったので、まさかすだちが川崎病だったとは思わず、そんなに大変な病気なんだと驚きました。買い物ついで受診したことを後悔しながら、「一度家に帰ってお薬手帳をもって」なんて言ったら、「いやいや今すぐに行ってください」とさらに念を押されました。本当に驚きました。

すぐにタクシーで大学病院に行き診察してもらったら、川崎病と診断されそのまま入院することになってしまいました。

――突然入院することになってしまったんですね。入院は付き添いですか?

いよかん その日はかぼすもずっと一緒にいたんです。すだちがそのまま入院になるなら、私もかぼすも一緒に付き添い入院できればと思っていたんですが、付き添いはママ1人だけ、きょうだいの入院はできないとのことでした。さらにコロナ禍のため、入院後はいっさい面会禁止と言われました。

その時期は夫が繁忙期で残業続きだったから、私が付き添い入院するとかぼすを見てくれる人がいないし、実家も頼れない時期だったので、やむなくすだち1人で入院してもらうことにしました。

その時点では入院がいつまでかわからないし、子どもと離ればなれになるのは初めてのこと。私の姿が見えないだけで「ママ、どこ!」と大騒ぎで、寝るときも私のそばにピッタリくっついて寝る、そんな甘えん坊のすだちが、私がいなくて大丈夫なのだろうかということがとっても心配でした。

離ればなれで過ごすのは生まれて初めての2人

双子でも、姉のかぼすちゃんはおしゃべり、妹のすだちちゃんはおとなしい性格だそうです。

――一緒にいたかぼすちゃんは、妹すだちちゃんの入院についてどんな反応でしたか?

いよかん かぼすは診察の途中から不穏な空気を感じたらしく、泣き出していました。すだちが看護師さんに抱っこされて入院病棟に連れて行かれるのを見送る廊下では、かぼすが「すだち!すだち!」と名前を呼び続けながら大泣きに、そんな様子を見て、私も涙が出ました。

双子はかぼすが約2000g、すだちが約1900gで生まれました。体重が2000g未満だったすだちは生後しばらくNICUで過ごすことになったので、私とかぼすはひと足先に退院して、すだちはその1週間後にNICUを退院しました。かぼすとすだちの2人が別々に過ごしたのは、生まれた直後のその期間だけです。あとは、いつもどんなときも一緒に過ごしていた2人です。

かぼすはその夜、寝言でも「すだち・・・」と名前を呼んでいて、せつなくて胸が締めつけられるようでした。

――いよかんさんも心配だったのではないでしょうか。

いよかん 入院したその日、治療内容の説明があり、血管の炎症を抑えるためすぐに点滴治療をする必要があるとのこと。しかし、治療を開始してみないと入院期間についてはどうなるかわからないようでした。帰宅してからネット検索しても、1週間で退院できる人もいれば2カ月かかったという人もいて・・・先が見えない不安がありました。

でも入院した翌日に病院から連絡をもらい、「だいたい1週間くらいで退院できる可能性が高そうです」と言われて少しホッとしました。入院してすぐ免疫グロブリン療法という点滴治療をしたのが効いたようです。ただ、すだちの状態について毎日連絡をもらえるわけもないので、どんな様子で過ごしているかがわからなくて心配でした。せめてビデオ通話でもできたら安心だったと思います。

その後、数日して日曜日には退院できそうだとわかったので、土日にかぼすを夫に預け、私が付き添い入院をすることができました。

――月曜の入院以来、4日ぶりにあったすだちちゃんの様子はどうでしたか?

いよかん 再会したら泣きながら抱きついてきたりするのかな、と思っていたんですが・・・私がすだちの病室に行ってみたら、私を見つけて顔がぱっと明るくなってニコニコしていました。看護師さんが髪の毛をかわいいおだんごスタイルにまとめてくれていて、よくしてもらっていたんだな、とわかって心底安心しました。

看護師さんから聞いた話では、すだちは最初はシクシク泣いていたけど、しばらくしたら看護師さんとたくさんおしゃべりをして仲よしになったそうです。看護師さんとウインクしあったりするほど打ち解けていました。

――子どもの適応力はすごいですね。

いよかん 私はすだちのいない4日間ずっとすだちのことで頭がいっぱいで心配で心配でたまらなかったですが、すだちはすだちで1人で大丈夫だったんだなって、すごく成長を感じました。もともとかぼすよりすだちのほうがおとなしくて、そんなにおしゃべりをするタイプではなかったはずなのに、看護師さんから聞くとすだちは、すごく明るくおしゃべりしていたそうです。

退院後は、以前と同じように元気に過ごしています。川崎病は、しばらくは月に1回受診して経過観察する必要があります。その後、約5年間くらいは、年に1回の検診を受ける必要があるそうです。今後も気をつけて様子を見てあげたいと思います。

保育園に通い始めた双子の現在

慣らし保育のときは双子はギャン泣きだったものの、今ではすっかり楽しく通っているようです。

――最近の双子の成長の様子を教えてください。

いよかん 私の仕事の関係で、2023年春から双子は保育園の年少クラスに通い始めました。保活をした際に区役所に相談したら、3歳からは難しいだろうと言われていたんですが、運よく空きが出そうなところが近所にあって、ラッキーなことに双子が一緒に入園できることになりました。

私が住んでいる地区はなかなかの保育園激戦区で、その上双子に対して加点がいっさいないんです。きょうだい加点で1点は加点してくれるんですが、ただでさえ多胎児の親は大変な思いをしているので、多胎児加点をしてほしいな、と思うところです。私の周囲では歳の近いきょうだいも双子も別々の保育園になってしまうケースはよく耳にします。私は、もし双子が別々の保育園になるのなら、幼稚園の二次募集にかけてみようかとも思っていました。

――保育園に通い始めた双子はどんな様子ですか?

いよかん 最近いろんな感染症が流行しているので双子はいろいろともらってきて、病気を繰り返しています。それでも、2人が目に見えて成長していて、2人のおしゃべりの内容もすごくおもしろくなってきました。

2人は仲よく遊んでくれるぶん、けんかすることもとっても多いです。同じおもちゃが二つあっても、なぜか2人とも片方のおもちゃを取り合って、どっちかが泣き出すまでヒートアップしてしまうことはしょっちゅう。私は一応、「順番に使おうね」となだめてはみるものの、2人とも全然聞いてくれないので、もう眺めるしかない、と諦めて遠目で眺めるようにしています(笑)。ひどいけがにならないようにだけ気をつけて、あとは見守っています。2人が一緒にけんかしたり遊んだりする様子を見ているのが楽しいし、これからどんなふうに進化していくのかもとっても楽しみです。


お話・イラスト/いよかんさん 取材・文/早川奈緒子、たまひよONLINE編集部

溶連菌と言われなかなか治らなかった症状がまさか川崎病だったとは、いよかんさんもかなり驚いたそうです。急な入院となり、生まれてからずっと一緒だったママとお姉ちゃんと離ればなれになったすだちちゃん。入院生活ではママの心配よりもずっと成長していたようです。


●この記事は個人の体験を取材し、編集したものです。
●記事の内容は2023年6月当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

いよかんさん

PROFILE
2019年12月に一卵性の双子かぼす(長女)とすだち(二女)を出産。2020年の緊急事態宣言の自粛期間中にブログとInstagramを開設し、双子育児に関するイラストや4コマ漫画の執筆を始める。

Twitter:@k_iyokan

Instagram:@kankitsuke_futago

『双子育児、ちょっぴり詰んでます!』

双子育児はしんどさ2倍、でもかわいさは無限大! おしゃべり大好きで陽キャな姉・かぼすと、おとなしいけどしっかり者な妹・すだち。双子の母・いよかんがドタバタ&ほのぼのした双子育児の日常を描いたコミックエッセイ。いよかん著/1265 円(KADOKAWA)

赤ちゃん・育児の人気記事ランキング
関連記事
赤ちゃん・育児の人気テーマ
新着記事
ABJマーク 11091000

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第11091000号)です。 ABJマークの詳細、ABJマークを掲示しているサービスの一覧はこちら→ https://aebs.or.jp/

本サイトに掲載されている記事・写真・イラスト等のコンテンツの無断転載を禁じます。