SHOP

内祝い

  1. トップ
  2. 赤ちゃん・育児
  3. 高校教員であり2児の父でもあるパパ頭さんに聞く、家族への愛の伝え方【育児まんが家・パパ頭】

高校教員であり2児の父でもあるパパ頭さんに聞く、家族への愛の伝え方【育児まんが家・パパ頭】

更新

2人目の育休を取って、子どもと一対一で1日中過ごすことのハードさを知ったと言うパパ頭さん。

公立高校の教員として働きながら、長男のににくん(6歳・年長)と二男のととくん(3歳・年少)の子育ての様子をまんがにしてSNSで発信するパパ頭さん。育児に奮闘する様子がほのぼのとしたタッチで描かれるパパ頭さんの投稿は、子育て世代のママやパパたちの共感を呼んでいます。パパ頭さんに、育児をして気づいたことや、家族を大切にするために心がけていることなどについて話を聞きました。

2人目の育休で、自分は全然育児をできていなかったと気づいた

――パパ頭さんは公立高校の教員をしているそうですが、育休の取得は難しくありませんでしたか?

パパ頭 6年前に長男が生まれて1カ月の初めての育休を取った当時は、男性育休の取得は今よりも少しハードルが高い状況でした。僕以外に育休を取った男性教員も身近にいなかったので勇気を出して上司に相談し、ちょうど学校の夏休み期間の1カ月間育休を取りました。でも、実際に育児をしてみたらこれではたりないと実感しました。

2人目が生まれたのは2019年の年明けごろで、当時僕はクラス担任をしていました。新年度に入ると進路相談もあるため、年度をまたがないギリギリの3月までの3カ月間、育休を取ることにしました。

――2人目の育児は少し長く子どもにかかわってみて、1人目のときには気づかなかったことなどありましたか?

パパ頭 二男の育休中は、妻は生まれたばかりの二男のお世話をし、僕は主に長男をみる役割でした。僕は1人目で育休もとったし、家事も育児も得意なほうだから長男のお世話は大丈夫だろうと思っていました。ところが二男が生まれて、妻の出産入院中から長男と一対一で過ごしたときに気づかされたのは、僕はそれまで妻がいない状態で育児をした時間はほとんどなかった、ということです。出産入院で妻が自宅にいなかったこのときが初体験という状況でした。

実際に子どもと一対一で1日中過ごすとなると、育児の難易度が1段階上がったように感じました。長男と公園に行ってピクニック気分でランチを食べようとしても、口をふいてあげたり、散らばったゴミを拾ったり、水筒のお茶を飲ませてあげたり・・・僕1人ではとても手がまわらず、自分はちっとも食べられません。
買い物に行っても、長男が何かに気を取られて走っていってしまうたびに買い物が中断されるし、何をするにも予定通り進まない。自分は全然育児をできてなかったんだなという大きな気づきがあり、反省しました。

子どもたちの得意なことを伸ばしてあげたい

――パパ頭さんの教員という職業が、育児に反映されていると思うことはありますか?

パパ頭 僕は教員になって11年目になりますが、子どもって高校生くらいになるとある程度自分の得手不得手、好き嫌いが見えてくると思います。苦手なものを補って一定のレベルに上げることも大事だと思う一方で、同じ時間をさくのであれば、自然とやってしまうことや、学んでいて楽しいことを追求することの背中を押してあげたほうがうまくいくことがあるな、と感じています。

とくに高校1年生くらいの早い段階に、その子がどんなことを楽しみにして頑張れるタイプなのか、休み時間や授業外の時間に様子を見て探すようにしているんです。そしてその子の楽しみを刺激するような接し方を心がけています。

自分の子どもたちにも同じように考えていて、できるだけ得意なことを伸ばしてあげたいな、と思っています。長男は料理が好きでよく手伝ってくれますし、カフェを開きたいなんて夢を話してくれることもあるので、子ども向けの料理教室に通ってみようか、と検討しています。
二男は文字を書くのが好きです。買ってあげた絵本を自分で読んで、お絵描き帳などの紙に自分でひらがなやカタカナや簡単な漢字を書いたりしています。

――息子さんたちが熱中している様子は、どんなときに発見するんですか?

パパ頭 僕も妻も家事をしている時間に、彼らが自分でどんなことを選んでやっているのか、というのを無意識的に観察しています。自分で選んでやっていることこそが、子どもが自分から興味が持てることなのかなと。そんなふうに見てしまうのは職業病かもしれません(笑)

愛を伝えるにはよく相手を観察することから

相手の状況をよく観察して行動することも、家族への愛の伝え方の一つ、とパパ頭さん。

――今はパートナーとの育児家事分担はどうしていますか?

パパ頭 基本的に日中私が勤務している間は、妻が幼稚園の送迎や家のことをしてくれています。僕は18時くらいには帰宅するようにしているので、家族みんなで夕食をとったあと、僕が食器の片づけ、洗濯をして、おふろのあとの寝かしつけもやって、という感じです。

――パパ頭さんの著書『パパが育休取ってみたら妻子への愛が深まった話』には、「愛を伝えるにも行動が必要だ」とありました。パパ頭さんが家族に愛を伝えるために日ごろ気をつけていることはどんなことですか?

パパ頭 よく観察することです。妻に対しても、子どもに対しても、相手が今どういう気持ちでいて、何を求めていて、どうしたらうれしいのかを見つけられるように変化を見落とさないこと、相手の状況をよく知ろうとすることを常に心がけています。

今日はひざをすりむいてるから転んだのかな、といった健康状態の観察もそうですし、子どもと服を買いに行ったら子どもが選ぶ服の色の好みが変化してきたな、とか、きょうだいと話す言葉のバリエーションが増えてきてるな、という発達の変化とか。相手の変化や状況がわからないままピントのズレたことをやってしまわないように気をつけています。

現場で感じる生徒たちの価値観の変化

子どもが生まれる前はさして気にとめなかったようなことも、子どもがいるとなぜか特別な出来事に。

――父親であり教員である視点から、教育現場での結婚・妊娠・育児などに関する包括的性教育についてはどう考えますか?

パパ頭 包括的性教育は保健体育や家庭科で扱われることが多いですが、僕が担当する社会の分野では、男女平等のことやLGBTQのことを法律とからめて扱うことがあります。この数年で、生徒たちの思い込みや偏見がフラットになってきたと感じています。

僕は授業でよく「結婚するときにパートナーから自分の名字に変えてほしいと言われたらどう感じますか?」と質問します。5年前くらいでは、男子生徒を中心として「自分の名字が変わるのが嫌だ、抵抗がある」と答える人が多かったです。それがここ2〜3年は、男女間であまり差がなくなり「自分の名字が変わるのは構わない」「お互いの名字が名乗れるならそれでいいんじゃないか」という生徒が多くなってきました。「山田と鈴木が結婚したら『山木』にすれば?山木になっても困らないのでは」と真剣に議論してレポートを書く子もいました。

今年すごく面白いなと思ったのが、憲法24条の婚姻の条文を読んだ生徒が「『両性の合意に基づき』って書いてあるけど、『両者』じゃだめなんですか?『両性』とあるなら同性婚は憲法違反になるんですか?」と質問をしたことです。そこに疑問を持つこと自体がすごいな!と感じました。性的指向や性自認について関心を持ちつつ、その選択は個人の自由であるという感覚は大人よりも生徒たちのほうが持っていると感じます。

お話・イラスト/パパ頭さん 取材・文/早川奈緒子、たまひよONLINE編集部

これからどんな親でありたいかを聞くと、「子どもが成長するにつれて親が見えない時間が増える分、彼らが何を大切にしているのか、心は寄り添える親でありたい」とパパ頭さん。「子どもが好きなことができたら、自分もそれを理解して面白さを共感しあえたらいいな、と今から楽しみです」と話してくれました。

●この記事は個人の体験を取材し、編集したものです。
●記事の内容は2023年7月当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

パパ頭さん(ぱぱあたま)

PROFILE
2児の父。公立高校教員。妻子との日常や、男性として育休を取得した経験を漫画でつづっている。

X(旧Twitter) @nonnyakonyako

Instagram @papaatama

Blog「パパ頭の日々のつぶやき」

『パパが育休とってみたら妻子への愛が深まった話』

X(旧Twitter)で大反響を得た「パパが育休を取った話」に大幅描き下ろしを加えて書籍化。家族の日常を描きながら、命をはぐくむことへの深い考察や、育休を取得して育児を経験したからこそわかったことがユーモアたっぷりにつづられる。パパの育休取得コミックエッセイ。パパ頭著/1210円(KADOKAWA)

赤ちゃん・育児の人気記事ランキング
関連記事
赤ちゃん・育児の人気テーマ
新着記事
ABJマーク 11091000

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第11091000号)です。 ABJマークの詳細、ABJマークを掲示しているサービスの一覧はこちら→ https://aebs.or.jp/

本サイトに掲載されている記事・写真・イラスト等のコンテンツの無断転載を禁じます。