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日本には「男性を育児から排除するシステム」が残っている!?今、真に求められる「父親支援」とは【「子育てのミライ応援プロジェクト」エントリー団体の活動紹介2】

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これからの子育ての未来を広げるために、現在たまひよでは「子育てのミライ応援プロジェクト」を実施中。生み育てやすい社会の実現に向けて頑張る3つの団体の活動に対して、ママやパパに投票してもらう取り組みです。本日は、エントリー団体の1つであるDaddy Support協会の担当者に活動内容をお話してもらいます。

ママパパが応援投票!子育てのミライ応援プロジェクトはこちらから

男性育児支援の「仕組み作り」が必要

育児・介護休業法の改正などにより、男性の育休取得が大きく進められています。しかし「推進」の裏で、「支援」がないことにより、さまざまな問題が起き始めていることを、前回の記事でご紹介しました。
2回目の今回の記事では、「どうやって解決していったら良いか」について、Daddy Support協会が考えていることをご紹介します。

さて、「母親の支援」はどうやって行われているでしょうか。日本には「母子保健法」という法律があり、ここに妊婦健診や乳幼児健診、母子手帳のことが書いてあります。法律に書かれた制度として自治体が主に進めるのが「母子保健」であり、これに応じる形で病院や保健所・訪問など、さまざまなところで支援が行われています。

しかし、父親の支援はこのような制度はありません。むしろ社会的には、育児から排除されることすら多いのが現状です。
実際に1年の育休を2回取得したDaddy Support協会理事の中西信介も、「我が家の育児は、妻が外で働き、自分が主体でした。しかし支援の多くは母親に向けられており、孤立を感じることも多くありました。父親が育休を取ることは推進されても、その先に頼れる先がない、という現実を目の当たりにしていました。」といいます。

この状況をDaddy Support協会代表理事の平野翔大は、「長いこと『男は仕事、女は家庭』でできてきた日本社会には、根強く『男性を育児から排除するシステム』が残っています。例えば産後に男性を育児から引き離す『里帰り出産』や、育児マーケティングが未だに女性向けに偏っていることなどが代表例です。」と指摘しています。

私たちの社団が目指しているのは、この「仕組み」を変えること。
これまで「父親の支援」というと、パパ向けの教室や講座、コミュニティなどが中心でした。もちろんこのようなよりポジティブになれる活動も大事ですが、今必要なのは「男性を育児から排除するネガティブな仕組みそのものを変える」こと。
だからこそ、「妊娠初期から“早く”」「妊娠期間を通じた“切れ目ない”」支援を制度面から作り、「当たり前に男性が育児をできる」環境を作る必要があると考え、自治体か病院といった、必ずパパママどちらかが来ることになる場所で活動しているのです。

お父さんへの声がけを、変える。

Daddy Support協会が意識していることが、もう1つあります。
それが「良いパパ像」からの脱却です。

「父親は強くあらねばならない、そういった思考で、育児も、パートナーの支援も、仕事も、稼ぐことも、全部抱えるのは、最悪です。」と、自分がメンタルヘルス不調になった経験を持つDaddy Support協会理事の斉藤圭祐はいいます。

Daddy Support協会は名前の通り、「父親を支える」をテーマにしています。しかしこれは協会が支えるのではなく、「支える社会を作る」ということ。
父親自身に対しては、「全て抱え込まず、人を頼ってこそ、健康に育児ができる」「一緒に育児をするパートナーとして、お互いに弱みも見せ合うことが大事」と伝えています。
これは「受援力」を高めるということ。「良いパパ」としてなんでもできる、そういった父親像ではなく、周りにも頼りながら、健康に育児ができる「誰もがなれる父親像」を提示しています。

実際にDaddy Support協会が実施するセミナーを受講した、ある企業の人事担当者は、「男性の育休を進めることが大事なのはなんとなく理解していました。しかし企業として、取得促進以上に何をすればいいのかが分かっていませんでした。セミナーでは『育児をする親の支援が大事』であること、そしてそのために企業ができることなどをご紹介頂き、認識が変わりました。『休み』だけでなく、『上司や同僚の支援』からも進めることで、本当に育休が取りやすく、社員が働きやすい会社になると思います。」
と、「父親として過ごしやすい会社」のあり方について語ってくださっています。

目指すは、「自分たちがいらない世界」

「支援が必要」「完璧なパパでなくていい」ということを、Daddy Support協会はさまざまな手段で広めていこうとしています。

その一つの手段が、「リーフレット」と「父子手帳」。
これまで妊娠初期に父親が得られる情報はほぼありませんでした。しかし初期でもつわりなどは問題になりますし、妊娠届提出から出産までは30週もありません。だからこそ男性育児支援には、妊娠早期(妊娠届提出時など)に行政や企業から父親に向けて渡されるツールが必要と考え、作成を進めています。
これらのツールはさきほどの「支援」や「受援力」のことについても触れつつ、パパにとって本当に重要な考え方・妊娠や出産の知識をまとめています。

この他にも父親向けの教室・セミナー、支援をする担当者や専門職向けの教育、より父親が行政や専門職と接しやすくする仕掛けなども幅広く展開しています。

「区はこれまでも、パパの応援講座やパパママ準備教室などを実施していましたが
、Daddy Support協会のご活動を通じて、それが当事者である男性にとって参加しやす
いものであったか、情報はしっかり届くものとなっていたか、受援力を高める支援にな
っていたかなど、男性の目線から見直す必要があると感じました。」と、Daddy Support協会と共に男性育児支援の取り組みを進めている、東京都豊島区の安達子育て支援課長はいいます。

「父親だって、妊娠初期から育児中まで、『切れ目のない支援』が必要です。今私たちがやろうとしていることが、いつか当たり前になり、母子保健と同様に法律に書かれ、日本どこでも行われているのが目標。そうなったら、この団体は解散すればいいと思っています。」
と、代表理事の平野は、あくまで「当たり前のことをやろうとしているだけ」と言います。しかし、そのためにはこれまで長いこと作られてきた文化・制度を一つ一つ変えていく必要があります。そのまだ最初の一歩ながら、大きな一歩を作るべく、Daddy Support協会は頑張っていきます。

リーフレットは10月15日のたまひよファミリーパークで、来場頂いた方にはお渡しできるように進めています。是非お越し頂き、「あたらしい父親像・支援」について聞いて頂けたら嬉しいです。

文/ Daddy Support協会 広報担当  構成/たまひよONLINE編集部

【10/2から!ぜひ投票にご参加ください】
「子育てのミライ応援プロジェクト」では、ほかにも、妊娠育児の社会課題に取り組む団体をご紹介しています。妊娠中・0歳1歳のママパパのみなさま、「これからの子育ての未来を広げる」ため、ぜひ応援したいと思う活動や団体に投票をしてください。

「子育てのミライ応援プロジェクト」エントリーしている3団体についてはこちらから

一般社団法人 Daddy Support協会
代表理事 平野 翔大(産業医・産婦人科医・医療ジャーナリスト)
慶應義塾大学医学部卒業後、初期研修・産婦人科専門研修を経て、現在は産業医として20社近くを担当。産婦人科・産業医の現場で「男性の育児環境」に問題を感じ、男性育児支援の推進団体として2022年に(一社)Daddy Support協会を創設。経済産業省「始動 Next Innovator」に採択され、自治体・企業と協働した活動を進めている。また医療ジャーナリストとしても同問題を論じ、単著「ポストイクメンの男性育児」(中公新書ラクレ)はじめ、多数のweb記事執筆・講演も行う。
twitter:@waterfall27fly

●記事の内容は2023年9月当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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