保育園から幼稚園への転園で気をつけたいポイントは?【ママたちの体験談と専門家からのアドバイス】
今回のテーマは、保育園から幼稚園への転園についてです。
慣れ親しんだ園から転園するのは心配なことも。そこで保育園から幼稚園への転園について口コミサイト「ウィメンズパーク」の先輩ママの声を紹介するとともに、保育園を考える親の会アドバイザーの普光院亜紀さんにアドバイスいただきました。
保育園から幼稚園への転園ママの声
まずはママたちに転園についての声を紹介します。
■親の出番が多く下調べが必須
「フルタイム正社員で子ども3人が私立幼稚園卒です。フルタイム正社員で幼稚園へ通うことは、園や会社の風土、柔軟さによるところが大きいと思います。どこの幼稚園も同じだったのは、月に1度は日中に親が園に出向く行事があること、月曜代休や学級閉鎖になりやすいです。預かり保育の時間や長期休暇時の対応、役員や行事の親の出番は幼稚園によって全然違うのでそこは下調べが必須だと思います」
■幼稚園型の認定こども園に転園する人も
「幼稚園によっては、認定こども園に変わっているところもあるので3歳から幼稚園に変更する方もいます。子どもが通っていた幼稚園型こども園は預かりは19時まで、役員は専業主婦のママさんたちが率先して受けてくれていたので、平日の行事は遠足のつき添い、授業参観くらいでした。幼稚園は、ほぼ園庭があるので、園外保育の事故の心配は減ります。英語や課外授業などのカリキュラムに力入れているのは、私立幼稚園のほうが多いかも」
■保育園への転園よりも幼稚園の方が入りやすいことも
「2歳児までの保育所からの幼稚園です。幼稚園でも、預かり保育は夜6時や7時まで、預かり後も送迎バスあり、給食あり。さらに午前保育も年に数回、長期保育も基本有り、行事もほぼ土日、代休でも預かり保育ありという、働いている方も通わせやすい条件の所もあります。ちなみに私は夕方までのパートですが、上の条件ほぼ当てはまる私立幼稚園に通わせています」
■習い事ができるのもメリット
「末っ子の園は幼稚園色の強い園だったので大変でした。同居の祖父母の手助けがなければ無理でした。子どもが大きくなって思いますが、幼稚園だろうと保育園だろうと関係ないですね。小学校入学して半年もすれば関係なくなるし、成績優秀で運動神経抜群の子が幼稚園卒なのかと問われたら、そうでもありません。転園を考えるのであれば、仕事に影響がないかで考えるのが大切だと思います」
■延長保育のお金が必要
「フルタイムなら幼稚園は不向きではないかと。幼稚園は、基本14時から15時には帰宅。ただこども園があるなら、そこに入るという手も。幼稚園型こども園は、基本教育現場なので、保育を期待したら、あれ?ということもあります。お昼寝がなかったりするし…」
■働きやすいのは保育園かも
「3歳で転園しました。うちも新設の小規模園でした。設備もよく、子どもも愛情いっぱいに接してもらい感謝しかないのですが、3歳以上になると、毎日物足りないのでは?と感じて…。ただ長期休みに入ると、毎回、お弁当持参であることや大雨警報などすぐに休園になるのは、デメリットかも。働きやすさを考えると、やはり保育園かと思いますが、手厚い私立園か認定子ども園ならフルタイムや正社員でもやっていけるのかな」
■祖父母の協力がある人が多いかも
「幼稚園に通わせている子どもがいますが、やはり祖父母ありき。園によっては長期休みの預かり保育がない日もあるので、完全フルタイムは難しいこともあるようです」
子どもが今の園が好きだったら、幼稚園への転園はNO!要検討を
保育園から幼稚園への転園を検討するとワーママ向けに、普光院亜紀さんから転園を考える時のポイントを伺いました。
「『3歳になったら幼稚園に転園したほうがよいでしょうか』という質問を受けることがありますが、『子どもが今の園を好きだったらNO』です。
子どもに『幼稚園の教育』を受けさせたいと考える人もいますが、教育は保育園でも行っていますし、保育内容は、幼稚園だから保育園だからというよりは、園によって違っていると言ったほうがよいでしょう。
幼児期の教育では、一人一人の子どもが、のびのびと自分を発揮できるような環境がつくられているかどうかが重要になります。学齢期に『あと伸び』する基礎的な力は、一斉に同じことをさせる習い事的な保育よりも、子どもが自分の興味や関心を広げて、仲間とコミュニケーションをとりながら遊ぶような保育を中心とするほうが伸びやすいと考えられています。
つまり、現在の園で子どもが伸び伸びできていない、合っていないというようなことがある場合は、選択肢がふえる3歳で転園を検討するのもよいと思います。
転園先を選ぶ場合には、その種類についても理解しておいたほうがよいでしょう。従来は、園といえば、保育園か幼稚園でしたが、それらを合わせた認定こども園がふえてきました。
認定こども園には、認可保育園基準を満たした保育所型、幼稚園基準を満たした幼稚園型、両方の基準を満たした幼保連携型のほか、認可外の地方裁量型があります。また、保育園および認定こども園の2号・3号認定は親が働いている家庭向き、幼稚園および認定こども園の1号認定は専業主婦の家庭向きとして設けられていますが、近年は幼稚園や認定こども園の1号認定の保育+預かり保育で働く時間をカバーする人もふえています。
親が働く家庭が、幼稚園方式の保育を利用する場合、いくつかの注意ポイントがあります。確認していきましょう。
1)預かり保育の実施形態は園によって違っています。夏休みなどの長期休暇中も実施しているか、時間や実施日は親の働き方に合っているかなどは、しっかり確認してください。
2)保育園には、必ず調理室があり自園調理が行われていますが、幼稚園ではケイタリング(外部搬入)が多いので、どんな業者が入っているか、献立の栄養バランスや食材の安全性などについて説明を聞いておくと安心です。
3)親が家庭にいることを前提としている園の場合、PTAや行事などが平日の日中に集中していることがありますので、働き方に合っているかどうかチェックしたほうがよいでしょう。
4)これは少数だとは思いますが、幼稚園時間のみ重視していて、預かり保育の時間は部屋の中でビデオを見せるなど、おざなりな内容になっている園もあるので注意が必要です。
5)お昼寝の有無など生活のしかたについても話を聞いておきましょう。親が働く家庭に理解があるかどうかが表れる部分です」
(お話/普光院亜紀さん)
幼稚園でも預かり保育が増えたことで、働くママ・パパにとっても身近になった幼稚園への転園。教育だけにとらわれて転園するのは、お子さんだけでなくママ・パパ自身の負担になることも。慎重に検討が必要ですね。
(文/メディア・ビュー 酒井範子)
※文中のコメントは「ウィメンズパーク」(2022年1月末まで)の投稿を再編集したものです。
※この記事は「たまひよONLINE」で過去に公開されたものです。
※記事の内容は2020年5月の情報で、現在と異なる場合があります。