保育園・幼稚園行事で親がやってはいけないことは?我が子の成長を実感!笑いと涙の行事エピソード
今回のテーマは「我が子の行事」についてです。保育園や幼稚園の初行事は感慨深いものですよね。「たまひよ」アプリユーザーに聞いたエピソードとともに、子育てアドバイザーで保育士・幼稚園教諭の資格を持つ高祖常子さんに、見学時の親の心構えや子どもとのコミュニケーションについて、アドバイスをいただきました。
我が子の成長ぶりについつい、涙…
最初にみんなの声からご紹介します。
「行事は全て涙。成長ぶりを見てこっそり泣いてました」(さやちゃん)
「年長さんになって、運動会で鼓笛をやる時はやっぱり感慨深いものがあった。周りの子たちも小さい時から知ってるから、みんな立派になって…と涙目になった」(カスミン)
「風邪気味で挑んだ初めての運動会。先生から『ダンス、一番上手だから期待してる!』と言われていたけど緊張と体調不良で固まって泣いてしまった2歳。
その1年後、ニコニコ発表する姿に成長を感じ、涙目でした!」(ぴよ)
「年少の時、外遊びでお友だちとかけっこをして、負けると走るのをやめたり、泣いて怒っていた娘。初めての運動会では転んでしまい、その時点でもう走れないだろうと心配して見ていると、自分で立ち上がり、最後まで走りゴール。感動で泣きました」(まみぃ)
「0歳児から2歳児までの発表系のイベントでは、ずっと泣いていて参加できたことがなく、ずっと保育士さんに抱っこされていました。
幼稚園に進み、初めてちゃんと参加できた時には、先生方が一番喜んでくださいました。参加できないことも思い出になるので、泣き顔フォト集を作って楽しみました」(U)
「娘が突然、リレーのアンカーとしてたすきをつけて登場。事前に何も知らされていなかった私と夫は唖然…」(きっこ)
「ダンスはいつも踊れない(泣)」(こはる)
「年子の兄妹で兄2歳、妹1歳で保育園へ預け始めたのですが、入園式の日、子どもと親が離れる時間があり、教室へ迎えに行くと不安で泣いてる妹に一生懸命おやつをあげて慰めようとしているお兄ちゃんを見て涙が出ました。
10年経った今も、喧嘩をしつつもとても仲の良い兄妹です」(まんじゅう)
「保育園で枝豆を育てており、他の子の豆は小さくてやせているのに、娘のはぷっくりと大きい実がなっていました。どうしてかと娘に聞くと、毎日水をあげたあと、『大きくなりますように』とお願いしていたそう。『他の子は?』と聞いたら、水をあげたらそのまま遊びに行ってしまったとか。たまたまかもしれないけど、とても感動しました」(仕事から解放)
「お弁当の日に、喜んで食べている写真を見せてもらい、嬉しかったです」(ふーみん555)
「活動報告のムービーを、毎年同じイベントごとに比較すると、昔、お兄さんたちがしていたことがだんだんとできるようになっていて、盛り上げる側になっている姿に感動します」(むちゃこ)
「初めての参観の時に、いつもいないママがいるのが不思議だったのか、ずっとこちらを気にしていてチラチラ見て、なかなか遊びに集中できない様子が可愛かったです」(ちゃ)
微笑ましい話が多いですね。行事の前や行事が終わったあと、子どもにはどんな声かけをするといいのでしょうか。子どもとのいいコミュニケーションについて、子育てアドバイザーの高祖常子さんに伺いました。
ほかの子と比べたり、結果にこだわったりするのはNG
「みなさんのコメントを読ませていただいて、子どもたちが頑張っている様子が目に浮かぶようです。そして、すべてが温かいコメントだったこと、とてもうれしく思いました。
もう成人したわが子の話ですが、保育園時代、長男は被り物が嫌いな子でした。行事のたびにみんな帽子や飾りをかぶっているのに、わが子だけは『また、かぶってない…』と思っていました。
それが、年長さんの行事の時には被り物をしていて『かぶってる!』というのが一番最初に感じた印象です。さほど気にしていないつもりでしたが、『かぶることができた』ことに最初に注目してしまった私は、やはり、みんなと同じにしていないわが子が、ちょっと気になっていたのだと思います。
でも先生の対応は、かぶりたくなければかぶらなくてOKという感じだったのでしょう。温かく見守ってくれていたから、かぶっていなくても行事に楽しく参加できていたのだと思います。
『みんなかぶっているんだから、かぶりなさい』なんて毎回言われていたら、行事への参加自体、イヤになっていたと思います。
行事に限らずですが、ほかの子と比べず、わが子の以前と比べるということを意識するといいですね。
そして、できたことはもちろんですが、頑張ったことをほめましょう。
運動会は順位があったり、発表会では失敗してしまったりということもあるでしょう。ほかの人から見れば、『順位はビリだった』『セリフを間違えちゃった』と見えるかもしれませんが、近くで見ている親だからこそ、子どもの頑張りに注目して認めることができます。ぜひ、頑張ったことに対して、声をかけましょう。
Uさんが『参加できないことも思い出になる』と書いていましたが、まさにその通りですね。『その場にいられた』『お友だちがやっている様子を見た』だけでも、子どもにとっては大きな経験になっていることでしょう。
行事の前は、子どもなりにドキドキしているものです。発表会のセリフを『間違わないようにね』とか、かけっこで『ころばないようにね』と言うと、緊張してしまう子もいます。親は『楽しんでおいで!』と笑顔で送り出すことを心がけましょう」(高祖常子さん)
私も子どもたちが大きくなった今でも、いろいろな行事での姿を鮮明に覚えています。後から振り返れば、いいことも失敗しちゃったことも、いい経験でした。「〜しないように」とは言わずに、笑顔で応援したいですね。
(取材・文/メディア・ビュー 橋本真理子)
高祖常子さん
PROFILE)
子育てアドバイザー、キャリアコンサルタント。保育士、幼稚園教諭、社会教育主事、ピアカウンセラーなどの資格を持つ。NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事、NPO法人ファザーリング・ジャパン理事ほか。全国13万部発行の「育児情報誌miku」編集長として14年活躍。育児誌を中心に編集・執筆を続けながら、子どもの虐待防止と、家族の笑顔を増やすための講演活動、ボランティア活動を行う。3児の母。著書多数。
※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※記事の内容は2023年9月の情報であり、現在と異なる場合があります。