ヤバイかも!子育て世代、ママ・パパのお小遣い「金額は決めていない」が最多。将来のあれが危機です!と専門家
今回のテーマは「子育て家庭のお小遣い」についてです。子どもが生まれてからは、自分の自由になるお金も減っているのではないでしょうか。そこで、「たまひよ」アプリユーザーにリアルなお小遣い事情を聞くとともに、ファイナンシャルプランナーの菅原直子さんに、知っておきたい子育て家庭のお小遣いのポイントについてお聞きしました。
お小遣いの金額を決めていない家庭が多い結果に
最初にアンケート結果をご紹介します。
Q:毎月のママのお小遣いはいくらくらいですか?
上位の結果を見てみると、
1位 金額は決めていない 38.1%
2位 お小遣いはない(0円) 27.2%
3位 20000円~30000円未満 7.3%
30000円~50000円未満 7.3%
5位 5000~10000円未満 6.3%
6位 10000円~20000円未満 5.6%
となりました。
「金額は決めていない」「お小遣いはない」という人が多いですね。その理由を聞いてみると…
「休日のお出かけは2人で行動するため、欲しい時に欲しいだけもらう」(ブロッコリースプラウト)
「自分の貯金で好きなものを買っています」(りんぴ)
「お小遣いはないですが、パートで働いた分を少し使えるようにしてます」(くま)
「お小遣い制度はなく、コンビニなどで買いたいものは、夫に伝えてクレカで買っています」(あきまる)
「夫とは別の口座で管理をしているので、お小遣いというものはない」(みきてぃ)
「ほとんど自分のものは買わなくなったので、必要なものができたとき以外は0円でオッケー」(テネシー)
続いて、パパのお小遣いについて聞いてみました。
Q:毎月のパパのお小遣いはいくらくらいですか?
1位 金額は決めていない 38.4%
2位 お小遣いはない(0円) 14.6%
3位 30000円~50000円未満 11.3%
4位 20000円~30000円未満 10.9%
5位 10000円~20000円未満 7.6%
6位 知らない 7.3%
「お小遣いはない」の比率は減りましたが、パパについても「金額は決めていない」家庭が多いようですね。その理由について聞いてみると…。
「欲しいときに手渡ししています」(うめぼし)
「もともとお金を使わない人なので、必要なときに必要な分を使ってもらっています」(テネシー)
など。
また、以下のような家庭もありました。
「そもそもお小遣い制度にしてないです」(りんぴ)
「夫自身が管理しているので、わかりません」(あきまる)
お小遣いは足りているかどうかも調査!
ちなみに、現状のお小遣いで足りているのか、また足りていない場合の節約の工夫などを聞いてみると…。
まずは、お小遣いが50000円以上の方から。
「足りてる。出産後はお小遣いを減らすので、今は毎月、自分のための貯金に」(ゆうこ)
お小遣いが30000円~50000円未満の人は…。
「足りない。節約もできないからボーナスで補填しています」(うさちゃん)
お小遣いが20000円~30000円未満になると、こんな人も。
「欲を言えば化粧品や洋服を自由に好きなものを買いたいと思うが、買わなければ買わないで、安いものに変えるのでも案外大丈夫だと思った」(まよ)
ただ、足りないという人は貯金などから補填という人が多いよう。
「全く足りないから貯金から」(ひつじ)
今後、出費が増えていくだろう子育て家庭の家計として、お小遣いや別財布などについて知っておきたいポイントを、ファイナンシャルプランナーの菅原直子さんに教えていただきました。
使い道フリーな金額の上限は決めておこう
「ママ・パパのお小遣いの額が決まっていない」「知らない」、そして「お小遣いはない」人が多いことに驚き、将来の教育費は大丈夫だろうかと、とても気になります。
実は、お小遣いについて、心配していることがあるからです。
高校生の保護者から、大学・専門学校への進学資金不足について相談を受ける際、お小遣いのない生徒が多いのです。お小遣いがゼロなのかと思いきや、必要に応じて渡すケースがほとんど。パパの小遣いはあるけれど、ママは小遣いを取っておらず、家族の1ヶ月あたりの小遣い合計額を把握できていないことはめずらしくありません。つまり、親が家計を把握できていないのです。
子どもが一番教育費を必要とする大学・専門学校の時期(授業料などは前払いが一般的なので、受験料や入学金含めて、実際は高校3年生での支出が多いです)に備えて貯蓄してきたつもりなのに、気が付いたら貯蓄できていなかったと言うのですが、いったんは家計から切り分けたつもりの貯蓄は「必要に応じて」渡した小遣いに化けた可能性があります。
小遣いは、自分以外の家族に使い道の許可を求める必要のない、使い道フリーなお金のことです。使い道フリーなお金を、上限を決めずに使っていては貯蓄はできません。
収入から貯蓄額を差し引いた残りの中で、食費、被服費、通信費などと同じように、しっかりと小遣いの金額も設定してしまいましょう。そして、手持ちの小遣いが足りなくなっても約束の金額以外は家計から受け取らないようにします。
共働きで財布が2つの場合は、家計に拠出した金額以外はすべて自分の自由になるお金に思えますが、今月の家計だけではなく、将来への貯蓄についても夫婦で把握したうえで、本当に自由につかってよい小遣い額をはじき出してください。
将来のお子さんの教育費、自分たちの老後生活費を準備するための一歩となるはずです。(菅原直子さん)
予想以上に、「お小遣いはない」「決まっていない」「知らない」という家庭が多いという結果でした。今後、教育費などの支出が増える前に、家計管理について、きちんと把握しておきたいと思いました。
(取材・文/メディア・ビュー 橋本真理子)
菅原直子さん
PROFILE
ファイナンシャル・プランナー。外資系生命保険会社の勤務・代理店を経て1997年FP資格取得・独立。わが子の成長にあわせて教育資金関連に注力し、各地の高校で保護者・生徒向けの進学費用に関する講演多数。現在は子育て世帯からの教育費を中心とした家計相談に加え、高齢者や独立しない子どものいる家族のライフプラン相談も。「働けない子どものお金を考える会」「子どもにかけるお金を考える会」メンバー。
※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※記事の内容は2023年7月の情報であり、現在と異なる場合があります。