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【中学受験】人気の公立中高一貫校を狙う前に読みたい、受験を成功に導く親の関わり方

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勉強する親と娘
miya227/gettyimages

今回のテーマは、中学受験の志望校選びについてです。公立の中高一貫校など選択肢が広まり、かえって迷ってしまう家庭も多いようです。子どもの将来を考えた志望校選びについて、口コミサイト「ウィメンズパーク」のママたちの声を紹介するとともに、子どものやる気を引き出す塾・プラスティーの塾長八尾直輝さんに志望校選びのポイントについて聞きました。

将来や経済面の不安など、いろいろな迷いを持つママたち

――まずはママたちの悩みや体験談を聞いてみましょう。

■ 中学受験はさせたい。でも経済的に難しいから公立中高一貫
「現在、小学3年生の子を持つ母親です。中学受験をするまでの塾代はなんとか捻出できそうですが、その後、私立中高に通わせる余裕がないため、公立中高一貫校を検討しています。
ただ、高い倍率を突破して仮に入学できても、また6年後に入試があるので、そのときに子どもの学力がどうなっているかわからないし、浪人の可能性もあるわけです。
それならば、地元の中学に行って、大学付属の私立高校に入っておいたほうがいいのでは、と悩んでいます。
受験が続くと大変だなぁという思いと、我が子にはなるべく整った良い教育環境を与えたいという親心もあります」

■ 公立中高一貫校は狭き門だから、一択は厳しいのでは
「公立中高一貫校は人気があるものの、落ちる子の方が断然多いものです。また、賢いから受かるとも限らないのが公立中高一貫校受検だと思っています。
そのため、『受かったら』という前提で考えない方が良いと思います」

■ 経済面だけで公立中高一貫校受検を選ぶと失敗したときが辛いと思う
「いろいろな選択肢がありますが、個人的には公立中高一貫校の受験にお金をかけるのが一番コスパが悪いと思います。そして、受験に落ちて落ち込むのは子どもです。
我が家も残念組でした。あのときの娘の顔は忘れられません。親として、なんていうことをしてしまったんだろうと、ものすごく後悔をしました。本気でやればやるほど、ダメージは大きいものです」

■ 大学付属の高校はそれなりに難しいから塾代はやはりかさむ
「経済面でいえば、公立中学へ行っても私立高校を目指すなら、受験のための塾の費用も私立中高の学費くらいかかる気がします。塾なしで行けるのならいいですが、大学付属の私立高校を考えるなら難関ですから塾が必要ですよね。
我が家は中学受験組ですが、通塾していた塾は、高校受験も実績のある所で、見ているとそれは大変そうでした。小学生と違って部活との両立になりますし」

■ 公立高校から推薦などで大学入学を狙っても?
「我が家は私立中学に行かせました。あれだけ頑張って、ダメなら地元中とは絶対に言えないと思いました。
有名大学付属の高校に入るためには、私の住む地域ではものすごく勉強をしないと入れません。
倍率も高いですし、偏差値も高く、内申も必要です。当然通塾も必要です。
ランクを少し落とせばそうでもないんですが、1ランク落とした大学なら、無理に中学からお金をかけて付属に入れなくても公立高校からでよいと思います。
だから大学付属校については、高い授業料をかけて行かせるだけの価値があるかどうかの判断だと思います」

受験を通して成長し学び続けられることこそ大事

実際に、子どものやる気を引き出す塾・プラスティーで子どもを指導をしている八尾直輝さんに、志望校選びのポイントを聞きました。

「合格」はゴールではないと親が心から納得することが最重要

――志望校選びについて、まず何を大事にすべきかを教えてください。

「中学受験は高校受験と異なり、親の関与が必要です。
そんな中、受験の選択肢や形式も複雑化し、わが子にとっての最適解が分からない…という親御さんは少なくありません。
そんな難しい問題だからこそ、ゴールはシンプルにしておきましょう。

それはズバリ、『受験後も学び続けること』です。

変化の激しい時代において、もっとも身につけておくべきスキルは『学び続けること』です。
中学・高校受験を経て、燃え尽き症候群や勉強嫌いになり、勉強から離れてしまう生徒は一定数います。詰め込み学習で『背伸びして』第一志望校に合格した生徒が、その後、周りの環境に合わず、学力が伸びないというケースはめずらしくないのです。

そういう意味で『不合格』は決して失敗ではありません。受験勉強を経て立派に成長し、意欲を絶やさずに学び続けることができるのであれば、合格でも不合格でもその経験は『成功』と言えるでしょう」

無理強いでもなく、放任でもなく、情報を与えることを意識して

――親の関与が必須な中で親がやるべきことは?

「中学受験を『成功』させるためには、子どもの決断を引き出す必要があります。
自分で決断したことに対しては、主体性が生まれ、努力が継続しやすくなります。基本的に親は『情報は与えるけど、決断は任せる』というスタンスに徹することがポイントです。

でも現実問題として、12歳前後の子どもが主体的な判断を下すのは難しいもの。ときにはバランスを見ながら、親が『誘導』するのもOKです。
繰り返しになりますが、子どもが挑戦し成長すること、それ自体が成功です。子どもの挑戦を評価し、その結果を親が認めることができるのであれば、親がリードしていくことは決して悪いことではありません」

小学生は発達の差が大きいので段階に応じた負荷を見極めて

――公立中高一貫校が人気ですが、公立中高一貫校を目指す時に知っておくといいことは?

「小学生の子どもは発達に差があります。小学生高学年では、この差が顕著に表れることも多く、発達がゆっくりな子は、中学受験には不向きと言われることもあります。ここは親が子どもを見て判断したい部分です。

また、公立中高一貫校は人気ですが、基本的に学校別の対策が必要です。他の私立中学受験とも傾向が異なるので、公立・私立同時受験を目指すのは負担が大きいことに注意してください。

子どもの様子をよく観察して、必要に応じて専門家に相談しつつ、各家庭での『ベストバランス』を見つけていきましょう」

高校受験や大学受験よりも、子どもの発達の差が大きい時期だけに、親の考えを押し付けることなく、子どもに伴走していく姿勢が必要そうですね。
(取材・文/メディア・ビュー橋本真理子)

※文中のコメントは「ウィメンズパーク」(2022年1月末まで)の投稿を再編集したものです。
※この記事は「たまひよONLINE」で過去に公開されたものです。
※記事の内容は2021年10月の情報で、現在と異なる場合があります。

八尾直輝さん

PROFILE
勉強のやり方を教える塾「プラスティー」を創業、現在は取締役・塾長として、会社の経営、塾の運営全般に関わっている。共著に『子どものやる気を引き出すゲーミフィケーション勉強法』(講談社)、執筆協力に『中学生からの勉強のやり方』『図解 中学生からの勉強のやり方』(ともにディスカバー・トゥエンティーワン)がある。

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