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揚げパンは大好きだけど…「牛乳が飲めなかった」「麦飯+たくあんだけのイベントが…」「私だけクロワッサンがない?!」 給食の苦い思い出 VS おいしい思い出の味

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©️『給食室のいちにち』少年写真新聞社

あなたは、給食といえばどんなことを思い出すでしょうか?
今回は「たまひよ」アプリユーザーから寄せられた給食の思い出についてのエピソードとともに、2023年度図書館員選定、第1位に選ばれた人気絵本『給食室のいちにち』の著者である大塚菜生さんに給食の思い出を聞きました。

楽しい VS ツラい、給食の思い出

まずはみんなの給食にまつわるエピソードをご紹介します。

給食大好き!楽しい思い出

■ミルメイク
「牛乳にチョコ味のシロップを入れるミルメイクが出るとすごく嬉しかった!」(すず)

■たこボール
「小学生の時の給食に出てきた、たこボールが好きでした。お好み焼きのような感じの主菜で、どの学年でも人気だったようです」(あなご)

■揚げパン
「月に1回しか出なかった揚げパンが大好きだった!パンの袋に残った粉を最後に食べるのが最高の幸せだった!」(つむ)

■ラーメンの日
「きゅうりとわかめの酢の物が出た時はガッカリでしたが、大人になってからは大好きでよく作ります。全体的に給食は美味しかった記憶しかありません。豚骨ラーメンの日は全校放送で麺が伸びるので早く取りに来てとアナウンスが入っていました」(みっちゃん推し)

■ソフト麺
「つゆが溢れるから、ソフト麺を半分ずつ入れて食べる味噌ラーメンが好きでした」(ゆいみさ)

■甘めのサバ味噌
「給食のとろっとした甘めのサバ味噌が好き!家ではどうしても再現できません。給食は常におかわりジャンケンに参加。給食大好き!」(けにぃ)

■テンションが上がる選択メニュー
「選択メニューというものが月に数回あり、事前に自分の好きなメインとおかずを2種類から選ぶことが出来た。好きな物が選択肢にあるとテンションがあがりました」(こは)

■クリスマスメニューがお気に入り
「クリスマスメニューが好きでした。チキンがおいしかったのと、4種類のケーキの中から選べるデザートが楽しかったです!」(ばんび)

■献立表を工作してペンケースに
「麺類が好き!献立表を貰うと日ごとに切りノートみたいになるように作って、ペンケースに入れて今日の献立を確認するくらい楽しみにしていました」(みどり)

私の苦い給食の思い出

■飲むまで残された
「牛乳が飲めないので毎日遅くまで、飲みきるまで残されていたのがツラかった〜。それでも飲めなかったし、今も飲まないです」(子にゃママ)

■昔の食事体験にげんなり
「私の小学校では、1年に1度『昔の食事を体験しよう週間』という謎の1週間がありました。その時のメニューは麦飯にたくあん、具の少ない味噌汁のみ。それが1週間続くため、毎年げんなりしていました」(うきたろ)

■飲み物が少ないのが不満
「鮭のムニエル、スイートポテト、カレーうどんが大好きでした! ツラかったのは食事中の飲み物が少なすぎること。カレーなど香辛料が強いものとか、パサパサするものに対して牛乳の量が少なくて、喉が渇いてるのに飲み物がなくて早く給食の時間終われ!って思っていました。笑」(momo)

■いまだに根に持ってます!
「小学校のお別れ給食で、給食センターのミスで私の分のクロワッサンが足りなかったことは、いまだに根に持っています…」(かず)

■果物と野菜のサラダ
「苦手なメニューは果物が混ざったサラダ。果物と野菜を一緒に食べる習慣がなかったので苦手でした。大好きなメニューは鶏飯!鹿児島ならではの給食です」(なっちゃん)

■厚揚げに苦戦!
「苦手だったメニューは、厚揚げ。結構な大きさの厚揚げが出て、それに天つゆをかけて食べる給食です。お残し禁止だったから顔を真っ赤にして食べたり、口に入れたままトイレに行くふりをしてゴミ箱に捨てたり…。本当にツラくて、天つゆも嫌いになりした」(るる)

■食べきれなくて申し訳ない気持ちに
「少食だったのでいつもプレッシャーが…。時間をかければ食べきれるという訳でもなかったので片付けを待たせている分、食べきれないと余計に申し訳なかった」(ミク)

『給食室のいちにち』の著者、大塚菜生さんの給食の思い出

©️『給食室のいちにち』少年写真新聞社

みんなの給食の思い出はいかがでしたか?
ここでは、調理員の経験もある絵本作家、大塚菜生さんに給食の思い出を聞きました。

「みなさんのエピソードはとても面白いですね。給食の話といえば、どんな人でも何かしらのエピソードを持っていて、今も心に残っているのがよくわかります。

内容にはところどころ世代を感じますがミルメイクはわたしも大好きでした。それだけ長
い期間愛されてきたものなんですね。ミルメイクにはたしかイチゴ味もあり、出てく
る日が楽しみでした。
わたしが昭和の小学生当時はクジラの竜田揚げがメニューにあったんです。大好物だったので献立にあがってくるのをいつも待ちわびていました。

あとは(ばんびさん)のように『特別メニュー』が特に楽しみでした。その中でも3月のひな祭りにちなんで出された半解凍の三色ゼリーは、しゃりしゃりとした食感がおいしくて忘れられません。
とはいえ、わたしはかなりの偏食でしたので、野菜中心の炒め物、煮物はいつも嫌々食べていました。特ににんじんとなすが苦手でした。どうしても食べられないときは、口いっぱいにつめこんで、トイレで吐いてしまったこともあります。

おかしなことに大人になってからはナスが野菜の中で一番好きになり、冷蔵庫の常備野菜になっています。

わたしの祖父母が大分で農業を営んでいましたから、幼い頃から食べることは生きていく上で避けられない営みであることを身を持ってわかっていました。書き手になってからはいつか食に関する本を出したいと思っていたんです。

しかし、新型コロナが蔓延しはじめて、子どもたちの給食の時間がマスクや消毒、ガード、黙食とかたちを変えていったとき、このままでは給食そのものが苦痛になるのではと大変な危機を感じました。そうでなくても子どもは味覚が敏感なので偏食に陥りやすいのです。
給食室からのリアルな『安全な食を届けたい』『見守っているよ』という思いを、まっすぐに、わかりやすく、子どもたちへ伝えたいと思い、絵本『給食室のいちにち』を書きました。
小学校の中学年までは耳からの言葉より、絵から情報をたくさん得て理解をする子もいますので、絵本のページをめくるだけで概要が自然と伝わってくるのではないでしょうか。そのことを信じて、イシヤマアズサさんにていねいにイラストを描いてもらっています。
ぜひ、親御さん自身の給食の思い出、つらかった思い出でもかまいません。お子さんと会話をしながらこの絵本を楽しんでいただけたらと思います。

よく、給食の味を再現したいというお話を伺いますがなかなか難しいですよね。学校給食は栄養士が栄養バランスを考えて作っています。例えば、野菜類はしっかり洗浄しますが、一方で水溶性のビタミンが抜けすぎないようにしたり本来のうまみを活かしたりと、たくさんの工夫をしています。もしレシピを入手することができるようであれば、そこを意識して挑戦してみてはいかがでしょう」(大塚菜生さん)

給食の楽しい思い出、苦い思い出は人それぞれありますね。小学校に入学する前に、親子で給食の話をするのも楽しいかもしれませんね。
(取材・文/メディア・ビュー 酒井範子)

大塚菜生さん

PROFILE)
児童書作家25周年を迎える作家。児童文学の講演も行う。著書には、給食ができるまでを学ぶ絵本『給食室のいちにち』(少年写真新聞社)のほか、『ぼくのわがまま電池』『うちの屋台にきてみんしゃい』(岩崎書店)など多数。

※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※記事の内容は2024年1月の情報で、現在と異なる場合があります。

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