家計簿って本当に必要なの?「めんどくさい」「長続きしない」「記入する時間がもったいない」家計簿のお悩みをFPに聞く
「たまひよ」アプリユーザーに「あなたは家計簿をつけていますか?」と、質問。すると「はい」と「いいえ」で意見が真っ二つに割れました。「以前はつけていたけど、子どもが生まれてから時間がなくなりやめた」という意見も目立ちました。そもそも本当に家計簿って必要なのでしょうか?ライフスタイルアドバイザーで1級FP技能士の前田菜穂子さんに聞きました。
家計簿は「アプリで入力」がダントツ。「手書き」も根強く人気
Q:あなたは家計簿をつけていますか?
はい 46.7%
いいえ 51.7%
その他 1.7%
家計簿のつけ方でダントツで多かったのが「アプリ」。続いて「手書き」、カスタマイズした「Excel」という順番になりました。
まずは「家計簿をつけている」ママ&パパのコメントを紹介します。
連携できるし、サクっと入力できる「アプリ」派がダントツ!
「レシートを必ずもらって、一気にアプリに打ち込むと楽です」(もちころ)
「スマホのアプリです。以前のアプリは起動するまでに時間がかかり、イラっとしてやめた経験があったので、即起動のアプリを選びました」(すみたんまん)
「レシートを撮影するだけで記録できるアプリを使っています」(きなこんぐ)
「家計簿アプリで夫婦の全ての銀行口座とクレジットカードなどを連携。現金やキャッシュレス決済も全て入力してオープンにして管理しています。夫婦でのお金のトラブルは絶対にしたくないし、将来に向けた貯蓄の話もしやすくなり、とても良い感じです」(のん)
意外に多し!一目瞭然でわかりやすい手書き派
「100均で買った簡単な家計簿に自己流で記入しています。紙だとパッと比較できて見やすい」(とみー)
「ノートに枠を書いた手作り家計簿です。レシートは必ずもらい、その日か翌日には記入しています。お金を使わなかった日は可愛いシールを貼って、気持ちを高めています」(出戻り@アギ)
「毎日は億劫なので、ノートに1ヶ月でどんだけ使ったか、ざっくり記録しています」(チャン)
「ノートに月ごとに書いています。細部は無理ですが、食費だけは意識してつけています」(めいちゃん)
カスタマイズできるし自動で計算のExcel派
「レシートがたまったらExcelに入力。データはUSBに保存し、夫婦共同で入力しています」(あわ)
「Excelです。家計の黄金比を自動計算して、毎月の予算を分かるように工夫しました!」(あべちゃん)
「自分でカスタマイズしたExcelに入力しています。毎月の貯金額が一目でわかるようにして、増えていく楽しみを実感できるようにしています」(あおい)
「レシートがある程度たまったらまとめてExcelに入力。固定費、変動費とカテゴリーを分けて集計しています。見える化することで、使い過ぎ防止になっています」(ましゅまろ)
しっかり者は二刀流で家計を把握!
「自分の収支はスマホのアプリで、家の収支はダイソーの家計簿で管理しています」(ななみん)
「アプリで家計簿をつけていますが、月毎にエクセルで打ち出して、表にして見やすくして夫婦で共有しています」(すーざん)
「家計簿をつけない理由」は「めんどくさい」「カードの明細で十分」などなど
「いいえ」と回答した51.7%の人に「家計簿をつけたり、家計管理をしていない理由を教えてください」と、質問したところ、ダントツは「めんどくさい」でした。
「家計簿アプリを何度か入れて挑戦しましたが、いずれも全く続かない(笑)」(ゆめたま)
「続かなかったし、私だけが買い物へ行くわけでは無いので、全てを管理することは不可能でした」(さや)
「産後、忙しくて記入する時間がなくなり、後でまとめてやろうと思っても、大量のレシートを見て挫折」(イズミ)
家計簿をつけていた人でも、出産を機に「時間がない」とやめる人が続出。さらに家計簿の効果に疑問を感じる声もありました。
カードの明細で十分、など家計簿の必要性を感じない
「つけ忘れなどで管理が追いつかなくなりました。ほとんどがクレジットカード払いなので、アプリで明細を確認すれば、だいたいは把握できるし…」(おもち)
「全ての引き落としを1つの口座にまとめており、その月の口座引き落とし額=支出になるので(家計簿はつけていません)」(シャオリン)
「過去には家計簿をつけていたけれど、無駄遣いはしないし、家計簿をつけようがつけまいが使うお金は使うし。つける理由がわからなくなり、やめました」(ほーほ)
「つけていたけど、節約効果は感じませんでした。つけなくても残高は確認できるし、支出に大きな波があるでもなく。家計簿をつけるってめんどくさいし、その時間を有効活用したほうが……と思ってしまって」(あー)
そもそも家計簿は必要なのでしょうか?ライフスタイルアドバイザーで1級FP技能士の前田菜穂子さんに聞きました。
「家計簿の目的は『お金を見える化』。計画的に貯蓄できていれば必要はない」と、専門家
「家計簿の目的とメリットはお金を見える化することで、無駄遣いを減らし、計画的に貯金することです。
一方デメリットはコメントの通り時間を取られて続けるのが大変、支出の管理そのものにストレスを感じる、ことですよね。
実は、私が所属するFP(ファイナンシャル・プランナー)ママ・フレンズのメンバーも半分が『家計簿をつけない派』なんです。全員に共通していたのが以下の3点です。
1 昔は家計簿をつけていた
2 収入も支出も大きな波がない
3 その時間を他に回したい
まさに『あーさん』のコメントと同じです!
毎月と1年間のお金の流れ把握でき、計画的に貯金ができるという条件付きですが、家計簿は『必ずつけなければいけない』というものでもないんです。
コメントにあるように『食費だけ』『子どもや家族にかかわるお金だけ』など、コントロールが必要な部分だけつけるのもアリだと思います。
一方、家計簿をつけたほうがよいのは次の3つに当てはまる方。
1 毎月なぜか赤字(赤字か黒字かわからない人も含む)
2 税金や保険、車検の支払い、家電の故障や買替えで毎回慌てる
3 生活が変わった(出産・進学・転職・引っ越し等)、もしくはもうすぐ変わる
どれか1つでも当てはまったら、少なくとも1ヶ月がんばって全収支を把握してください。
そして『収入―貯蓄=使ってよい金額』になるように予算を立てなおしましょう。『今月の稼ぎ=今月使える金額』ではなく、『先取り貯蓄』を忘れてはいけません。
家計簿をつけている方も『先取り貯蓄の金額は決まっていない』のであれば、『収入―先取り貯蓄=使ってよい金額』を計算しましょう。「③生活が変わる時」には調整を繰り返します。
まずは無理のない範囲で! 計画通りにお金が貯まれば管理するストレスもきっと軽くなります」
前田菜穂子
PROFILE)
みつめFP事務所代表で、1級FP技能士(国家資格)、CFP®(日本FP協会)、育勉®インストラクター、日本学生支援機構認定スカラシップ・アドバイザー(平成29年10月~令和7年9月)FPmamaFriendsおこづかい教室認定講師。猛烈に働いた13年間の会社員生活での挫折や長く続いた不妊治療経験など、人生の壁にぶつかったことをきっかけに、金融業界未経験ながら5年間猛勉強してFPの資格を取得。“今より幸せで円満な家庭づくりのお手伝い”をモットーとし、娘として、妻として、母として、そして専門家として広い視野をもち、親子や夫婦でも話題にしづらい「お金のハナシ」に向き合うきっかけを提供しています。プライベートでは一児の母。
取材・文/和兎 尊美、たまひよONLINE編集部
※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※調査は2024年3月実施の「まいにちのたまひよ」アプリユーザーに実施ししたものです。(有効回答数242人)
※記事の内容は2024年6月の情報で、現在と異なる場合があります。