フリーアナ吉田明世、娘の「やりたい」気持ちを大切にと考え…わが家の「おみそ汁づくり」大作戦!
現在、6歳の女の子と3歳の男の子のきょうだい育児に奮闘中のフリーアナウンサーの吉田明世さん。最近、娘さんが料理に興味を持つようになったそうで…。育児エッセイ第50回です。
「お手伝いしたい」という娘。気持ちはありがたいけれど…
6歳になった娘は料理に興味があるようで、私が晩ごはんを作っていると『お手伝いしたい』と言ってくれます。とってもありがたいし、やりたいと思う意欲が素晴らしい!何より手伝いたいというその気持ちがすごくうれしい!!でも…就寝時間までのカウントダウンが始まっているこのタイミング、正直なところ効率よく1人でチャチャっとやってしまいたい…!なんて思ってしまったり…。
それでも、娘のやりたいという思いを達成すべく、枝豆をふさから取ってもらったり、玉ねぎやとうもろこしの皮をむいてもらったり…簡単なお手伝いをお願いしていました。
しかしふと自分の子どものころを思い返してみると、とある感情を思い出したのです。
料理上手で手際のいい母は、パパッとなんでも作れてしまうため、何かお手伝いをしたい、と私が言っても「じゃあ、これを混ぜてね」「これをむいてね」と手伝わせてはくれるものの、作業としてはほんの一部で、なんとなく自分が料理をした!という達成感を得られなかったのです。
今となっては、3人の子どもを育てる母の食事の準備はそれはそれは大変だったと思うし、そんな中でも役割を与えてくれたことにはたいへん感謝しているのですが、当時の自分は「もっとやりたいのにな…」というちょっぴりがっかりしてしまった気持ちと、「どうせ任せてもらえないんだ」という思いが募っていき、そのうち料理そのものに興味がなくなり、社会人になって一人暮らしをするまで、まともに料理をしない人になってしまったのです。
ならば、娘がやりたい!と思ってくれる気持ちを大切にしようと思い直し、娘に託すことにしたのがおみそ汁作りでした。
おみそ汁づくり大作戦、スタート!
包丁で手を切ってしまったらどうしよう。やけどしてしまったらどうしよう。6歳で料理なんて早すぎる!そう思っていたけれど、子ども用の包丁を用意したところ、白菜や長ネギを上手に切り、なめこはさっと水で洗い、だしをとっておみそは少量ずつ入れてくれる。私の心配をよそにみるみるおみそ汁作りが上達していったのでした。(もちろん、作っている間はそばにいて見守ることは必要ですが)
私が6歳のときは1人でおみそ汁を作るなんて考えられなかったけれど、子どもの限界を決めてしまっているのは、いつも親のほうなのかもしれません。
料理にしても、公道での自転車走行にしても、始めるタイミングって本当に難しい。
これから先は、差し伸べていた手をそっとしまい、子どもの力を信じ見守ることが必要になる瞬間が増えていくのでしょう。そのタイミングはだれも教えてくれないし、その子の成長によっても違う。子育てにおいて引き際が、ひょっとしたらいちばん難しかったりするのかな、なんて思ったりするのでありました。
それはともかく、今となってはすっかりおみそ汁マスターになってくれた娘!仕事から帰ると、「ママ、ごはんできてるよ〜」なんて日が来ちゃったりするんじゃないか?!と勝手に夢をふくらませる母なのでありました。
文・写真/吉田明世 構成/たまひよONLINE編集部
●記事の内容は2024年6月の情報で、現在と異なる場合があります。
吉田明世さん(よしだあきよ)
PROFILE
1988年生まれ。2018年5月に女の子を、2020年12月に男の子を出産した。TBSのアナウンサーを経て、19年にフリーとなり、東京FM「ONE MORNING」(月~金6時~9時)「THE TRAD」(月・火15時~16時55分)レギュラー。ほかにTV、イベント、コラム連載など幅広く活躍中。保育士資格のほか、絵本専門士の資格も取得。2022年、初の絵本「はやくちよこれいと」(インプレス)を出版。