もうすぐ3人のパパになるあばれる君。妻はたとえるなら「遠足のしおり」のような人。お笑いも子育ても全力投球!
バラエティー番組で体をはった姿が印象的なお笑い芸人、あばれる君。現在は2人の男の子のパパです。そして妻のゆかさんのおなかの中には3人目の赤ちゃんが。今、家族全員で赤ちゃんの誕生を待ち望んでいます。2024年5月に書き下ろし初エッセイ『自分は、家族なしでは生きていけません。』(ポプラ社)を出版。
あばれる君のおいたちや両親の子育てで現在につながっていることなどについて聞きました。全2回インタビューの1回目です。
「芸人になりたい」、東京で学生生活を送りながら両親に伝えた。そのときの両親の反応は?
――現在は東京でお笑い芸人として活躍中のあばれる君ですが、故郷の福島県はどんな存在ですか?
あばれる君 昔は都会にあこがれが強くて都会に出たいと思っていましたが、結婚して子どもが誕生すると、故郷の存在がありがたく感じるようになりました。水や食べ物も新鮮でおいしいですし、豊かな自然と広い土地に魅力を感じています。
また、幼いころ東北の厳しい寒さの中で育ったから、僕自身わりと我慢強いほうだと思います。体をはる仕事が多いのでこれも故郷のおかげですね。
――子どもを連れて帰省することもあるのですね。
あばれる君 僕の両親も孫に会えるので喜んでいます。そんな姿を見て僕もうれしいです。
――両親はどんな方ですか?
あばれる君 父は教師だったんですが、まじめで厳格な性格だったので僕が小さいころは「普通でいなさい」と教育されていました。母もそんな父と同じく、厳しかったですね。だから「芸人になりたい」と言っても「なに言ってるんだ」という感じで相手にしてくれませんでした。でも、子どものころ僕がお笑い番組を見ていると、普段あまり笑わない父が一緒に笑ってくれたことは子どもながらにうれしかったです。
――大学に進学して教員免許を取得され、両親はそのまま教師になると思っていたかもしれませんね。
あばれる君 僕がお笑い芸人になるなんて想像もしていなかったと思います。だから大学在学中にお笑いアマチュア選手権大会で特別賞を受賞し、養成所に特待生で入学すると話したときは驚いていました。疑い深い両親にはパンフレットを送り、きちんと説明してようやく必要書類に押印してもらえました。
僕と姉に生活習慣の基本を教えてくれた両親
――両親の教育で自身の子育てに生かされているなと思うこと、参考にしていることはどんなことでしょうか?
あばれる君 実家では朝から家族で食卓を囲み、しっかり朝ごはんを食べることなど、毎日規則正しい生活をしていました。それらの習慣を身につけることは、自分が親になってみて大事なことだったんだなと改めて感じています。逆に社会に出て見て、親の教えが世間一般と少し違っていたと気づいたこともあります。
――どんなことが違っていたのでしょうか?
あばれる君 母に「野球場に行ったらそこの球団の帽子をかぶっていないとなぐられる」と教わっていたので、子どものときは野球場に行く際、ドキドキしていました。でも大人になってそんなことないと気づき、「お母さん、どういうこと?」と思いました(笑)
――お母さんは厳しい反面、おちゃめな方なんですね。
あばれる君 母は完璧主義で厳しい人ですが、優しくてかわいいところもある人です。なによりも僕と姉に生活習慣をしっかり身につけさせてくれたり、栄養バランスのいい食事を作ってくれたりと、今は感謝の気持ちでいっぱいですね。
――お姉さんとの関係性はどうでしたか?
あばれる君 姉とは3歳違いですが、小さいころから仲がよかったです。当時から流行に敏感な人だったので、流行りのバンドを教えてくれたり、洋服は”GAP“が間違いないと教えてくれたりと、姉の影響を受けていました。
妻は「遠足のしおり」のような人
――高校の先輩であるゆかさんと結婚したあばれる君ですが、改めてゆかさんはどんな方ですか?
あばれる君 妻はとにかく“ちゃんとした人”です。社会のルールに対して面と向かって対応できる人なので、もろもろの手続きなども安心してまかせられます。僕はそこがまったくできないので、いつも妻に助けてもらっています。
――ゆかさんは看護師さんと聞いています。
あばれる君 職業柄、子どもが鼻血を出したり、けがをしたりしたらさっと止血してくれますし、僕がちょっと体調悪そうにしていると的確なアドバイスをしてくれます。妻の体の中にはぎゅっといろんな情報がつめ込まれている・・・たとえるなら、「遠足のしおり」のような人です。いつも家族の健康を第一に考えてくれているので本当に心強いです。
――「遠足のしおり」のような人ですか・・・。書き下ろしエッセイの中でもゆかさんのこと語っていますね。
あばれる君 17歳で出会い、「お笑い芸人になる」という僕の言葉を信じてここまで一緒に人生を歩んでくれています。最強のパートナーです。
子どもとの時間はあっという間に過ぎていく
――バラエティー番組で活躍しているあばれる君ですが、自身の子どもたちにあばれる君の姿はどんなふうに写っているでしょうか。
あばれる君 息子たちは僕がテレビに出ていることをもちろん認識していますが、とくにはしゃぐこともないです。先日、長男と一緒にテレビ出演しましたが、放送されるまで友だちにも大々的には話さなかったようです。
――子どもたちが将来、お笑い芸人になりたいと言ったらどんな言葉をかけますか?
あばれる君 うーん、どうだろう。本気でやりたいと言ったら背中を押しますが、本人しだいですね。現在、長男は野球選手になりたいと言っていますが、これから成長するにつれてどんな夢を語ってくれるか楽しみです。
――あばれる君は子どもとの時間をしっかり作っている印象があります。
あばれる君 子どもが誕生するまでは時間が過ぎることにそれほど注力していませんでした。でも、子育てを始めてから一日一日があっという間に過ぎていくんだなと感じるようになりました。子どもと一緒にいる時間ははたしてあとどれくらいだろうと考えると、一瞬一瞬を大切にしなくては!と思うようになりました。だから長男が今大好きで取り組んでいる野球については練習を手伝ったり、試合の応援に行ったり、できるかぎりしています。昨年は長男と2人でロサンゼルスを旅しました。自然博物館で恐竜の化石を一緒に見まくったことや、ドジャーススタジアムの見学ツアーに参加し、ほんの一瞬だけ大谷選手の姿を見れたことは本当にいい時間でした。
――これから誕生する赤ちゃんも含め、子どもたちにはどんなふうに成長してもらいたいですか?
あばれる君 しっかりと基礎をかためたうえで教養を身につけてほしいです。そして、社会に対して疑問点が生まれたら、立ち向かっていくような子になってほしいですね。そのためにも親は、社会のルールをしっかり教えていく役目を担っていると思っています。
お話・写真提供/あばれる君 取材・文/安田ナナ、たまひよONLINE編集部
いつもバラエティー番組で体をはっているイメージが強いあばれる君。ベースには両親から受けた愛情と自身の家族への思いがありました。今後も仕事にも子育てにも全力投球のあばれる君の活躍に期待したいです。
あばれる君(あばれるくん)
PROFILE
1986年生まれ、福島県出身。ワタナベエンターテインメント所属。大学生お笑いアマチュア選手権大会 「第2回笑樂祭」にて特別賞受賞し、ワタナベコメディスクールへ特待生入学をする。ピン芸人日本一を決める大会「R-1ぐらんぷり2015」では決勝に進出した。現在は男児2人のパパ。中学・高校教員免許(社会)のほか、世界遺産検定1級を持つ。初めての書き下ろしエッセイ『自分は、家族なしでは生きていけません。』(ポプラ社)が発売中。
●記事の内容は2024年8月の情報で、現在と異なる場合があります。
『自分は、家族なしでは生きていけません。』
読み終わったあとに家族への愛、こうして生きていることへの感謝を感じる一冊。あばれる君著/1540円(ポプラ社)