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双子や年子ママ待望の「ふたごじてんしゃ」誕生秘話

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子どもとのちょっとしたお出かけや通院に、子ども乗せ自転車は便利。でも、そんな子ども乗せ自転車での外出がままならない親子がいます。3人乗り自転車のチャイルドシートは、前のシートが4才未満、うしろのシートは6才未満の子どもを乗せられるものが一般的。ところが2人同時に成長する双子の場合、2人を同時に乗せることができなくなってしまいます。そんな問題に直面し、自ら「双子が乗れる自転車」を作ってしまったのが、株式会社ふたごじてんしゃの代表・中原美智子さんです。

きっかけは双子の誕生で引きこもってしまった過去

中原さんが第2子・第3子となる双子を授かったのは、2011年のこと。出かけようにも、ベビーカー本体だけでも8kg以上、子ども2人の重さや荷物が加われば30kg超になるので、押していくだけでクタクタに。双子用のベビーカーが入れないトイレも多く、子どもたちのおむつも替えられません。
長男の子育て中は、自宅から3km程度の街や大きな公園に自転車で出かけて、気分転換をしていた中原さん。「長男のときになんて便利!と思った子ども乗せ自転車なのに、なんでこんなに使えないんだろう」と感じるようになります。
だんだんと中原さんは「出かけないほうがストレスがない」と、子どもたちと引きこもるようになってしまいます。

双子用の自転車、ないなら作ってしまおう!

出かけられない日々が続く中、長男の子育て経験から、双子がさらに成長したあとの「自転車なし育児」の苦労を想像して、あせった中原さん。そこで、「自分で双子が乗れる自転車を作ろう!」と思い立つと、電話帳で片っ端から自転車メーカーに話を持ちかけました。

2輪メーカーがダメなら、リヤカーメーカーに!

門前払いが続き、運よく話を聞いてもらえても、「まったく新しい乗り物を作るリスクはおかせない」と断られる日々…。いくつか話を聞いてもらううちに、「自転車の製造はほとんど中国製」という壁に当たります。しかし、中原さんは簡単にはあきらめませんでした。2輪自転車がダメなら…と3輪のリヤカーを作る会社に声をかけます。

ついに試作車が完成も…

中原さんの熱意を受けて、あるリヤカーメーカーが「1台だけなら…」と試作車を作ってくれることに! こうして2014年の夏にようやく試作車が完成します。
すると、あきらめていた習い事にも行けるようになり、大きい公園にも出かけられるようになりました。
「この便利さを広めたい!」と強く感じた中原さんは、試作車が公道を走っても問題ないことや、アイデアが誰かの権利をおかしていないか弁理士に相談するなど、自分と同じように困っているママたちのために精力的に動きます。ところが、量産化のための準備が整ったところで、試作車を作ったリヤカーメーカーから「人を乗せるリスクはおかせない」と、製作を断られてしまいます。

ふり出しに戻ったメーカー探し 

バイタリティーあふれる中原さんも、このときは落ち込んだそう。それでも「最初は手描きのイラストだったものが、今は試作車として形になっている!」と前向きに再始動。
各地で試作車を使って試乗会を開いたり、チラシを作ってメーカーを探したりとあきらめずに動き続けます。そんな活動が口コミで広がったり、同じ子育て中のママやパパがブログに書いてくれたりしたことで…少しずつ知られるように。
2016年の冬、ついに自転車用チャイルドシートでおなじみのメーカー、OGKから声がかかります!

「ふたごじてんしゃ」の販売へ…!

もともと、自転車メーカーではないOGKとの協業は苦労の連続。安全性にこだわり、自転車の安全基準である「BAAマーク」の「幼児2人同乗用自転車」の基準をパスするため、たくさんの改良を重ねて最終形になりました。
こうして、中原さんが双子のお子さんを授かってから、約7年。ついに「ふたごじてんしゃ」が発売されます!現在は双子のママ・パパだけでなく、年子のママや2輪車の運転が不安なママなどにも喜ばれていて、中には「ふたごじてんしゃ」に抱きつくママもいるそうです。

発売を目前に、中原さんが今、力を注いでいるのは、安全に使ってもらうことについてです。「これを使って親子に『出かけられたね』という会話が増えるのはうれしいです。でも、ちゃんと家に帰ってこられることがいちばん大切。新しい乗り物なので、事故が起きてしまったら、今まで完成を待ってくれていた人たちに届けることも難しくなります。ふたごじてんしゃも万能ではないので、得意な動作・不得意な動作を理解した上で購入してほしいんです」と語ります。

「ふたごじてんしゃ」は5月末ごろ(変更になる可能性があります)発売予定(もみのき色、あおぞら色、いしころくろ色の全3色)。現在も、各地で試乗会を実施しています。気になる価格や機能については、ふたごじてんしゃのホームページをチェックしてみて。(取材・文/ひよこクラブ編集部)

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