健康のカギは呼吸!?呼吸筋ストレッチの効果や方法を解説
健康と呼吸には深い関わりがあり、呼吸を安定させて整えることが健康なからだへの近道になる場合があります。そこで注目したいのが「呼吸筋」です。呼吸筋とは呼吸に関わる筋肉の総称で、この筋肉をほぐすことで呼吸機能を高めやすくなります。そこで、今回は日常生活にとり入れたい「呼吸筋ストレッチ」をご紹介します!
呼吸と自律神経の関係
呼吸と自律神経には大きな関係性があり、息を吸うときは交感神経、吐くときは副交感神経に支配されているといわれています。
呼吸が感情の動きと連動していることを「情動呼吸」といいます。「緊張すると呼吸が速く、浅くなる」といった経験はありませんか? これがまさしく情動呼吸です。
速く浅い呼吸はさらに交感神経を刺激し、からだを 「戦闘モード」にしてしまいます。緊張したときに「とりあえず深呼吸をしよう」とするのは、ゆっくりと深く呼吸することで副交感神経を活性化させ、からだを少しでもリラックスさせるためといえます。(※1)
呼吸筋ストレッチで期待できる効果
呼吸筋と自律神経に関わりがあるとわかったところで、次は呼吸筋ストレッチの具体的な効果をみていきましょう。
自律神経のバランスを整える
呼吸筋ストレッチを行うことで、呼吸が浅くなるのを防ぎ、交感神経の過剰な刺激を抑制できます。さらに、胸郭が広がって深い呼吸が可能になるので、副交感神経を優位にしてからだをリラックスさせやすくなります。これは、不安感の軽減や気持ちの安定などにもつながるので、メンタルケアにも効果が期待できるでしょう。(※1)
呼吸が楽になる
呼吸筋が硬く肺の機能が低下していると、効率的に空気をとり込めず、呼吸が浅くなったり息苦しさを感じやすくなったりします。呼吸筋ストレッチによって筋肉がほぐれると、物理的に筋肉が伸縮しやすくなるため、肺機能の向上が期待できます。これにより、日常的な呼吸のしづらさや息苦しさを解消しやすくなるでしょう。(※2)
おすすめの呼吸筋ストレッチ
ここからは、具体的な呼吸筋ストレッチの方法をご紹介します。イスや床に座りながらできるのはもちろん、立ったままでもできるので、スキマ時間に試してみてくださいね。
胸のストレッチ
(1)両手を背中の後ろで組んで、その場で息を吸う。
(2)息を吐きながら肩甲骨同士を寄せ合って胸を張る。
(3)力を抜いて脱力する。
(4)10回ほどくり返す。
背中のストレッチ
(1)両手を胸の前で組んで、おなかをへこませながら息を吐く。
(2)息を吐きながら両手を前に押し出す。
両腕で大きなボールを抱えるようなイメージで、背中を丸める。
(3)両手を胸に寄せて(3)に戻る。
(4)10回ほどくり返す。
呼吸筋ストレッチのポイント
呼吸筋ストレッチを行う際は、ゆっくりと大きな呼吸を心がけましょう。ゆっくりとした腹式呼吸を行うことで、副交感神経の働きが優位になって筋肉の緊張がほぐれ、よりストレッチの効果があらわれやすくなります。
また、これはストレッチ全般にいえることですが、1日数分でもいいので、できるだけ毎日継続して行うようにしましょう。習慣化することで、より効果を実感しやすくなります。とくに、長時間デスクワークなどで同じ姿勢が続く人は筋肉が硬くなりやすいので、こまめにからだを動かすことが大切です。
呼吸筋ストレッチで健康体を手に入れよう
普段はあまり意識しない呼吸筋ですが、実は心身の健康と大きな関わりがあります。そのため、ぜひ意識して鍛えたい筋肉です。
1日数分でいいので、ストレッチの時間を設けてみてください。ストレッチは、習慣化できるまでは、行うのが面倒になったり忘れてしまったりすることもあるかもしれません。しかし、今回ご紹介したストレッチは手軽にできるので、毎日仕事や家事育児に大忙しなママやパパにもおすすめしたい内容です。スキマ時間をうまく利用して、毎日続けられるように心がけましょう。
<参考文献>
PROFILE
ヨガインストラクター・ライター
高橋かなこ
2021年よりRYT200(全米ヨガアライアンス認定)修了インストラクターとしてオンラインを中心に幅広い年齢層へのヨガレッスンを担当。企業での事務経験から、デスクワークで疲れた部位や崩れた姿勢のためのレッスン組み立てを得意とする。自身のダイエット成功経験から、美しい体を作るためには食の大切さや思考も大切だと痛感。同じように悩む人に向けて精力的にメディアでの情報発信を行う。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。