きゃりーぱみゅぱみゅ、第1子の出産を語る。「陣痛の痛みの表現でぴったりなのは“トラックに腰をひかれた!”」【たまひよ独占インタビュー・出産&育児編】
昨年10月に第1子の出産を発表したアーティストのきゃりーぱみゅぱみゅさん。たまごクラブは産前産後の2回にわたるタイミングで独占インタビューを決行!今回の後編は産後1カ月を迎えたタイミングで行われ、臨月の過ごし方や出産の詳細、里帰り問題や現在の育児に至るまで詳しくお話を聞きました。きゃりーさんが伝える等身大の妊娠・出産・育児ストーリー、必読です!
産後1ヵ月で2回目のインタビュー。臨月はストイックモードで過ごしました!
出産して1カ月がたちました。わが子はめちゃくちゃかわいいですね。今は自分自身の体調もすごくいいです。意外と産後の回復が早いタイプのようで、1カ月健診のときに体の戻りがいいと太鼓判を押されました。慣れない赤ちゃんとの生活はもちろん大変な部分があるんですけど、落ち込んじゃうことは意外とありません。メンタル面、結構元気です!
臨月に入ってからは、とにかくおなかが大きくて、足がパンパンにむくむのが悩みでした。靴がどれも入らないから奨之さんのサンダルを履いて生活していたくらい。だからもういつ生まれてもいいよーと言われる正期産(せいきさん:妊娠37週〜妊娠41週未満)に入ってからはお産を早めるといわれていることをひたすら頑張りました。たとえば散歩に階段の昇り降り、スクワット。かなりストイックモードでこなしていましたね。ほかにも陣痛が来ると言われているあの黄色の炭酸栄養ドリンクを飲むとか、焼き肉を食べるとかの代表的な出産ジンクスも全部試しました。こうした努力のおかげか(?)、予定日の5日ぐらい前には赤ちゃんが生まれてきてくれたんです。
深夜に突然の破水!早く産みたいと思っていたのにいざとなると…
出産は破水から始まりました。夜中1時ぐらいに、急に子宮からパチン!とはじける音がして、じょじょじょと水が出てきて、びっくりしたんです。「破水した!」と思って、すぐにトイレへと駆け込んだら、さらにちょろちょろ出てきました。急いで寝ていた夫の奨之さんを起こし、産院に電話。「入院バッグを持って、来てください!」と言われて、そのまま深夜に向かうことに。
診てもらうと、完全に破水したわけじゃなくてちょっとだけ破水しているみたいな?子宮口の入り口から遠いところで破水しているみたいな?そんなことを言われたのですが、とにかく破水は破水で間違いないので「今日中に産んじゃいましょうか!」と…。え!? 今日?まだ予定日まで5日くらいあると思っていたから油断していた!と、完全にビビってしまう私。あんなに早く赤ちゃんを産みたいと頑張ってきたはずなのにいざ出産が目前に差し迫ると、正直、おじけづきました。ただ、そうしているうちにそう言ってられない状況になったんです。そう、本陣痛がやってきて、どんどん強まっていきました。
出産は無痛分娩を希望。麻酔が効いてくると地獄から天国へ!
実は私、今回の出産をするにあたり、たまひよさんの取材で「陣痛の痛みを具現化した言葉で伝えたい!」と思ったんです。よく“鼻からスイカ”と言うじゃないですか。あれって本当だろうか?と考えたわけです。なので、発表します。私が選ぶ陣痛の痛みをあらわす言葉、いちばんぴったりなのは「トラックに腰をひかれる」でした!ほかの表現だと「大きなハンマーで思いっきし腰を砕かれる」もしっくりきます。これ、残念なことにまったく大げさじゃないんです。普段痛みに強いほうだと自認している私でも本当に無理というレベル!私は無痛分娩希望だったので、早くこの痛みから解放されたかったのですが、産院としては子宮口ができるだけ開いてから麻酔を入れたほうがいいという考えで、しばらくは陣痛が来ても我慢。ただ「もうこれはちょっと無理です」という痛みが来たので、そのタイミングで産院側に相談し、夜中の3時か4時ぐらいに麻酔を入れてもらうことになりました。
本当に驚いたことに麻酔が効いてくると、スッと痛みが消えたんです。地獄から天国です。無痛分娩、最高〜!無痛分娩、大好き〜!なんて思いながら、分娩台の上でTikTok見たりしていました。ただ夜中に急いで家を飛び出してきたし、ワンちゃんもいるので、奨之さんが「まだ時間がかかりそうだから、1回自宅に帰る」ことに。私1人、分娩台の上で待機することになりました。
しばらくすると、同じように出産中の妊婦さんの声が聞こえてきました。声というか、悲鳴ですね。「ア゛ーーーーー!」って叫び声がしたと思ったら、何秒後かに「オンギャー!」と赤ちゃんの声が!感動的なシーンだとわかってはいるんですけど、個人的にはその声が少し恐怖で…(苦笑)。いよいよ当日を迎えてしまったという気持ちとこれから自分のお産はどうなるんだろうみたいな気持ちで、すごくドキドキしちゃいました。
ベストないきみ方はベッドの上のバーをつかんで、重量挙げ選手のように両腕をグッと伸ばすこと!
声は怖いと感じるものの、本当に痛くないのでいつのまにか寝落ちしてしまった私。朝起きて9時ぐらいに奨之さんも来てくれて、「じゃあスタートしましょう」といざお産本番を迎えました。促進剤を入れると、陣痛がどんどん強まって。痛みも当然感じるようになってくるのですが、麻酔の量をプッシュボタンでセルフコントロールできたので、助かりましたね。そこから12時くらいになると、急展開!酸素マスクを付けられて「次の陣痛が来たらいきんでみましょう」と言われました。
私の個人的ベストないきみ方は、分娩台の上にあるシルバーのバーを両手でつかみながら、重量挙げの選手みたいにグーッと腕を伸ばしていきむ方法。これが自分にすごく合っていました!お産本番でこの方法を100回くらいやったんで、こんなことなら、十月十日(とつきとおか)ずっとこの練習をしておきたかったなぁ、と(笑)。
赤ちゃんは最後の最後で心拍が下がってしまい、吸引分娩になりましたが、無事に生まれてきてくれて。顔を見た瞬間は、やっと会えた!と思いました。まあでも、助産師さんに「抱っこしてみようか」と言われて、正直、あわあわしてしまったんですけどね(笑)。生まれたての新生児を抱っこすることなんて、なんせ初めてのことなんだもの。
そういえば、自分的には赤ちゃんと対面したら号泣するのかな?と思っていたんです。もちろん感動はしたけれど、正直、何度もいきみすぎていっぱいいっぱいで、泣く以前に意識もうろうって感じのほうが強かったですね。ちなみに奨之さんは立ち会いながら「(赤ちゃんが)血まみれだ…」と思っていたそう。お産中、600㎖も出血してしまったんです!
産後入院中は、貧血に会陰の傷、後陣痛などたくさん悩まされました
出産を終えたばかりの産後入院中は体が本当にキツかったです。無痛分娩で出産して本当に最高でしたが、その分、私は産後にガタが来たタイプ。出血による貧血のほか、麻酔が切れたあとは会陰(えいん)切開の傷がすごく痛かったし、痔(じ)にもなったし、無痛分娩中におしっこのカテーテルを入れていたんですけど、抜いたあとに出づらくなっちゃって…。すべての排出機能がいったんダメになり、すごく困りました。おまけに後陣痛って言うんですかね?産後の子宮収縮もめちゃくちゃ痛くて、1日目の夜なんてほとんど眠れませんでした。
心を落ち着ける間もなく突然スタートした授乳も、私の吸わせ方がへたっぴで、乳首がすく切れちゃったり、腫れちゃったり。でもまた吸われるから激痛!というのを繰り返していました。わが子におっぱいを飲んでもらうって産後のいちばん幸せなシーンだと思っていましたが、こんなにキツくて大変なこととは…。全然知らなかったですね。入院中はわからないことを全部助産師さんに聞いて、『ひよこクラブ』の記事も何回も参考にしました。
退院後は東京の自宅で夫婦2人+赤ちゃんで新生活をスタート!
退院後は里帰りをしませんでした。まずは自分たち2人で育児をして、基盤となるフォーマットを作ってから、母にもそれを伝えようと考えていたんです。と言うのも、うちの母は昔からしつけに厳しい人で、自分の中で確固とした子育て論みたいなものがすごくある人で…。もちろんありがたくて助かることもあるんですけど、いやいや、令和の時代ではそれは違うよみたいなこともやっぱりあって。
もともと妊娠中に1度母と過去の3本の指に入るような大げんかをしちゃったんですよ。今回も絶対同じようにもめるのではと戦々恐々でした。そのため、私と母は普段はいい距離感を保ちつつ、本当にSOSのときに頼って助けてもらうみたいなスタイルでやっていくことに。この距離感が結果、大正解でした!
子どもが生まれて母との関係が良好に。今がいちばんいい間柄!
ちょうど2週間ぐらい前に、両親にSOSを出すタイミングが訪れました。お昼からものすごく赤ちゃんが泣いて泣いて泣きやまない時期が訪れたんです。そのときは素直に両親に連絡し、来てもらうことになりました。
母ともめるのを危ぶんでいた私ですが…。母が来てくれてすごいなと思ったことがあって!実はお母さんからは「あなたはほとんど泣かなくて、まったく手間がかかんない子だったよ」と聞いていたんですね。それに比べるとわが子は私に似ず(?)結構泣くタイプなのかなと思っていたわけです。だけど母が抱っこするとすぐ泣きやんでよく寝てくれて、母から「この子、全然手間がかかんないね〜」なんて言われたんですよ。本当にびっくり!
多分母の寝かしつけがうますぎて泣きやんでいるし、自分が赤ちゃんのときもきっとそうだったんだなと思いました。それからというもの、母に対するリスペクトがすごく自分の中であふれていて、 これまでの人生の中でいちばん母娘の親子関係がいいかもしれないです。私が母にリスペクトと感謝を伝えることで、母も娘に「ありがとう」と言われてうれしい!孫がかわいい!という、とてもいい感じの間柄になっています。
まあでもそうすると、いつも私と母の間に立ってくれていた父がちょっといじけていて…。もうお父さん、いじけるのマジやめて!とも思いましたけど(笑)。ただ父も飼っているワンちゃんの散歩に行ってくれたり、ゴミ捨てに行ってくれたり。すごく助かりました。
夫の奨之さんは頼れる育児のパートナー。2人でつぶれないように工夫
今回ありがたかったのは、夫の奨之さんがたまたま出産後の1カ月間ほど家にいられたこと。役者仕事をしている彼ですが、撮影と撮影の合間の期間にちょうど出産と産後直後の期間があたったんです。だから最初から2人でお世話ができて、それにとても救われました。奨之さんの働きぶりは私の母から「本当に感謝しないとダメだよ。こんなに見てくれるパパはなかなかいないからね!」なんてくぎを刺されるほどなんです。
育児に慣れてきたのはつい最近ですね。この子は縦抱きが好きなんだなぁとか、赤ちゃん独自の特徴や対処方法を見つけられるようになってきました。するとだいぶラクになりましたね。今、振り返ると産後直後は必死だったかも。生まれる前は虐待のニュースを見るとわが子なのにあり得ない、なんでこんなに悲しいことするのだろうと思っていたけど、あまりにも泣き続けて、それが止まらなかったりすると、いっぱいいっぱいになって追い詰められる気持ちはわかるようになりました。産後うつとかもまったく他人事じゃないよなぁと…。
うちの夫婦は1カ月間ずっと2人一緒に死に物狂いで育児を頑張ってきたんですけど、最近は「これ2人とも倒れたら終わるな」と気づいて。なので、片方がしっかり赤ちゃんを見ることができる日は、片方がお出かけするみたいな分担を取り入れていこうという話になりました。たとえば昨日は夫がお友だちとごはんを食べに行ったので、今度は私も彼が見てくれるときに美容院に行く予定。育児でいっぱいいっぱいにならないために、自分なりのストレスの回避方法を見つけておくのが大事だなぁと思っています。
お話/きゃりーぱみゅぱみゅさん アートディレクター/千原徹也(れもんらいふ) 撮影/磯部昭子 スタイリング/飯嶋久美子(POTESALA) ヘア&メイク/髙 千沙都 取材・文/江原めぐみ、たまごクラブ編集部
陣痛の正しい表現から、産後のリアルなダメージ、里帰りにおける母娘問題、現在の育児に至るまで自分の言葉でていねいに伝えてくれたきゃりーさん。たくさんのファンを魅了するアーティストである一方で、初めての出産・育児に悩むママとしての顔は私たちと変わらないと感じたインタビューでした。
産後1カ月の今は体調も良いとのことで「仕事へのモチベーションもグングン高まるばかり。今は子育てをちゃんとしたい気持ちと同じくらい仕事もしたくて、チャレンジしたいし、おもしろいことがしたい!」とのこと。ママになってますますパワフルになったきゃりーさんの今後の活躍が楽しみですね!
インタビューへの感想やあなたの妊娠・出産エピソードを、きゃりーさんに伝えよう!
1月15日(水)発売の『中期のたまごクラブ2025年冬号』は、きゃりーぱみゅぱみゅさんが表紙・独占インタビューで登場。また特別企画として、インタビューを読んだ感想やご自身の妊娠中の思い、妊娠中に経験した嬉しいこと、つらいこと、大変だったことなどのエピソードを募集します。
お送りいただいた内容はすべて、きゃりーぱみゅぱみゅさんが読んでくれます。
さらに!抽選で5名様に、きゃりーぱみゅぱみゅさんの直筆サイン入りグッズをプレゼント!
きゃりーぱみゅぱみゅ
PROFILE
アーティスト。東京都出身。1993年1 月29日生まれ。2011年に、中田ヤスタカプロデュースによるミニアルバム『もしもし原宿』でメジャーデビュー。今年でデビュー14年。2023年3 月に俳優の葉山奨之さんと結婚。
●この記事は個人の体験を取材し、編集したものです。
●掲載している情報は2024年11月現在のものです。
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