3人のママ鈴木亜美。子育ての先輩は、YouTubeの“頑張りすぎない”ママたち。3人目にしてやっと、頑張りすぎない育児の大切さを知った
歌手、タレントとして活躍する鈴木亜美さん。プライベートでは、2016年に7歳年下の一般男性と結婚し、7歳と4歳の男の子、2歳の女の子のママに。自身のYouTubeチャンネルでは、日々の飾らないママとしての姿を発信するなど、妊娠・出産をへて、仕事への向き合い方が大きく変化したそう。今回は、3人の育児のこと、また小さいころから好きだったという激辛料理のこと、整理収納アドバイザーの資格取得について聞きました。
全2回インタビューの後編です。
3人目にして初めて、“手抜き”をすることの大切さを知った
――2年前に長女を出産して、3人のママになりましたが、さらに忙しい日々を過ごされていますか?
鈴木さん(以下敬称略) 3人目が生まれたときは長男ももう6歳だったので、なんでも手伝ってくれました。長男なりに頑張って、おむつ替えなどもしてくれたんです。
長男だけでなく、ありがたいことに家族みんなに頼れるような状況だったので、ストレスなく長女の赤ちゃんの時期を乗り越えられました。人数が増えたから大変ということはなく、むしろ、3人になったから子育てがラクになったというところもありますね。
それに、子育てで何をすればいいのか、流れがわかっていることも大きかったです。新生児期はとくに、睡眠不足にならないようにすることが大事なので、「子どもたちはなるべく早く寝てもらう」とか「上の子たちとパパで一緒に寝てもらって、娘と2人だけで別室で眠る」とか、こうしたほうが家族にとってベストということを、前もって家族で話し合って理解してもらっていました。上の2人にも、「ちょっと寂しいけど、今だけだからね」と伝えて、協力してもらっていましたね。
あとは、離乳食に関しても、長男のときは何が何だかわからずで、毎回1食ずつ作っていたので、それはもう大変でした。でも今は、まとめて作って冷凍しておき、食べるときに温めるだけと、なるべく時短でラクできるように工夫しています。
子育てにおいて、程よい手抜きは本当に大事だなと思います。上手に手抜きすることが、いちばん自分をラクにしてあげられるんですよね。うまくやれば時短にもなるし、いろんなことが効率よく回るんです。これは、3人目にしてやっと理解できたことですね。
――ママになって、仕事に対する考え方も変わりましたか?
鈴木 すごく変わりました。結婚と出産をへて、仕事への姿勢が180度変わったと思います。
今では、子どもたちも私の仕事をよく見てくれているし、子どもたちのお友だちやママたちも見てくれているんです。だから、“見られている立場”として、発言することに責任をもたないといけないなとあらためて思いました。自分のひと言がだれかの励みになるかもしれないし、参考になるかもしれないし、逆にマイナスな捉え方をされてしまうかもしれません。
YouTubeの活動も、まさにそのひとつですね。長男を妊娠中や出産前、そして子育てをする中で、いちばん参考になったのが一般の方のYouTubeだったんです。当時の私は、完璧にやろうとしすぎていて、ちょっとできないと「自分ってダメだな」とか「ママに向いていないな」と落ち込んでしまっていたんです。でも、YouTubeのチャンネルで出会ったママたちの動画を見て、「全部完璧にできていなくてもいいんだ!」と勇気づけられたし、自分に言い聞かせたていたところもあります。
私がよく見ていたママたちは、完璧なママというよりも、どちらかというとダメダメなママぶりを素直に見せてくれているチャンネル。普段のダメダメっぷりや、子育てのちょっとした手抜きのしかたなどを紹介してくれていました。
だから私も、同じように不安に思っているママたちに、「大丈夫だよ」と伝えられるような、ちょっとでも励みになるような動画を発信したいなと思って、YouTubeを続けています。
――YouTubeを始めたことで、まわりの反響もありましたか?
鈴木 すごくありますね。「テレビ見ました」というより、「YouTube見ました」とママたちに声をかけられることのほうが多いです。そのときに子どもと一緒にいると、「生のお子さん見れてうれしい!」と、子どものファンでもいてくれて。これまでと反応が全然違うんです。
今のママたちって、YouTubeは相当見ていると思いますね。ほかのママたちが、毎日どういう生活しているのかなとか、どうやって仕事と両立しているんだろうとか、どんな料理作っているのかなとか。完璧ですてきな暮らしを見るよりも、リアルな日常を動画にしたVlogのようなものが求められているのかなと思いますね。
資格を取得したことで、ママ友にアドバイスするのに説得力と信頼が生まれた
――整理収納アドバイザー準1級と、つっぱり棒マスターの資格を取得されたそうですね。資格を取得したきっかけは何だったんですか?
鈴木 整理収納アドバイザーは、整理しやすい方法だったり、上手な収納のしかたやアイテム選びなどを学んで、最終的にはプロとして人にアドバイスをすることができるようになる資格なんです。1級からは、テレビや雑誌などでアドバイザーとして活動することができるようになります。
もともと整理整とんが好きだったのですが、『ヒルナンデス』の番組ロケで、整理収納アドバイザーの清水幸子さんとご一緒したのがきっかけなんです。そのときにいろいろとお話しする中で、「鈴木さん、絶対アドバイザーに向いてるよ。資格を取ったほうがいいよ」とおっしゃっていただいて、それで資格を取ろうかなと思ったんです。
資格を取ったことで、整理することや収納に対しての自信がつきましたね。それに、ママ友の家に遊びに行ったりすると、「キッチンの収納のここが悩みなんだけど、どうしたらいい?」なんて聞かれることもあるんです。そのときに、資格を持っているうえでアドバイスをすると説得力が出るので、ママ友も信頼してくれるんですよね。こういうアドバイスって信頼がいちばんだと思うので、ただ単に好きでやっているよりも、資格を持っている方がいいかなと思います。
次に取得をめざしたいと考えている1級は、実際にアドバイザーとして活動して、それをリポートにまとめたり、先生と面談したりと、またハードルも上がります。1級の取得は、時間ができたら挑戦しようかなと思っています。
つっぱり棒マスターのほうは、整理収納アドバイザーにプラスαという感じで一緒に取得しました。つっぱり棒の正しい使い方って、意外とみなさん、わかっていない人が多いんですよね。“落ちない”つっぱり棒の取り付け方、つっぱり棒の種類、耐荷重、取り付けやすい場所は?など、つっぱり棒に関する専門知識を学ぶんです。
大好きな激辛料理は、産後の体型管理や気持ちのリフレッシュにも!
――激辛女王としても知られていますが、どんなときに食べるんですか?
鈴木 妊娠中や授乳中は、激辛料理は控えていました。皆さんが普通に食べる量ぐらいであれば、この時期も問題ないと思うんですが、私の場合は普通じゃなくて(笑)。皆さんの10倍とかの量をとってしまうので、さすがに先生からストップがかかりました。
長女の授乳が終わってから、ようやく食べられるように。ただ不思議なもので、妊娠時期や授乳時期って、ホルモンの関係なのか、あまり辛いものを食べたいと思わないんですよね。授乳が終わってまたホルモンバランスが変わると、急に欲するようになり、「待ってました!」という感じでした。
――激辛料理を食べることでリフレッシュになったり、代謝アップなど健康面での効果も期待できるのでしょうか?
鈴木 辛いものを食べるとスカッとするし、ハッピーな気持ちになります。けっこう汗をかくので、運動をしたあとやホットヨガをしたあとと同じような、「整う」に近い感覚になるんです。
辛いものを食べたあとは、話しているだけでも背中がポカポカしてきて、すぐに汗をかくんです。私は運動が好きでジムに通っているのですが、ちょっとの運動でも汗をかけるので、燃費もいい感じがします。無理せず、好きなもので体型維持ができるのってうれしいですよね。
家でも、みんなが食べ終わったあとに、残った料理に辛さをたして食べています。あとは、熱々のスープの中にいろんな具材を入れる食べる火鍋も、1人でよくします。
子どもたちが、ママやパパに自由に発言できるような関係性を築いていきたい
――母親になって、鈴木さんの考え方や生き方で変わったなというところはありますか。
鈴木 すべてが変わりましたね。仕事の内容もそうですし、まわりからの見られ方も「ママとして」ということがほとんどになりました。
私はどちらかというと、子どもたちには自由にさせたいなという考えなんです。マナーなど厳しくするところはするんですが、基本的には、意欲があるものは全部させてあげたいんです。一方でパパは、けっこう厳しいところがあるので、夫婦でバランスが取れていると思います。
子どもたちには、自由に発言できる環境を与えたいなと思っています。私が小さいころは、親がすごく厳しくて、自分が言いたいことを言いづらい環境だったんですよね。いい子でいなきゃいけなかったし、親の言うことを聞かないと「ダメ!」と言われていました。そういう時代だったのかなとも思います。自分の考えを思いきり発言できる機会ってすごく少なくて、それって、自分自身を閉じ込めちゃうのかなと。
だから自分の子どもたちには、思ったことはなんでも自由に発言してほしいんです。もし、それが間違っていたら教えてあげればいいだけなので。そういう思いから、子どもの発する言葉や、子どもとの会話を大事にしています。
――子どもたちから、何か相談されることもありますか?
鈴木 長男は小学2年生で、友だちとの関係性もそれなりにいろいろあり、たまにトラブルなども出てくるんですよね。そんなときはしっかりと長男の話を聞いて、勝手に間違った解釈をしないように気をつけながらアドバイスをするようにしています。
長男は、学校生活のことは私のほうが話しやすいみたいで、私によく相談してきます。子どもながらに、「弱々しいと思われたら恥ずかしいな」とか「悔しいな」とか、そういういろんな感情があるんですよね。でも、だれかに話すことは恥ずかしくないんだよということを常に伝えています。「ママにも、小さいころにこういうことがあったんだよ」と、自分のことも話してあげると、長男も「ママにもそんなことがあったの?自分だけじゃないんだ」と思えたみたいで、なんでも話してくれるようになってきました。
私のほうも、ゆっくりじっくり、息子の緊張をほぐすようにていねいに聞くようにしています。そういう、なんでも話せる関係性を、子どもたちとはこれからも築いていきたいですね。
お話・写真提供/鈴木亜美さん 取材・文/内田あり(都恋堂)、たまひよONLINE編集部
第1子の子育てでは、完璧を求めすぎて、頑張りすぎていたという鈴木さん。2人目、3人目の出産・子育てを経験し、頑張りすぎないこと、手抜きをすることの大切さを知ったと言います。また、子どもたちも少しずつ成長し、ときには友だち関係で悩むことも。そんなときでも、なんでも話してくれるような親子の関係性をゆっくりと築いていきたいそうです。
鈴木亜美さん(すずきあみ)
PROFILE
1982年、神奈川県生まれ。テレビ東京系バラエティ番組『ASAYAN』のオーディション企画で優勝し、1998年に小室哲哉のプロデュース『love the island』で歌手デビュー。2016年に一般男性と結婚し、翌年1月には第1子を出産。2020年2月には第2子、2022年8月に第3子を出産して3児のママに。2022年度の『ベストマザー賞』を受賞している。激辛料理をペロリと食べることから「激辛女王」と言われている。
●この記事は個人の体験を取材し、編集したものです。
●記事の内容は2024年12月の情報で、現在と異なる場合があります。