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おおみそかとお正月のごちそう、乳幼児に食べさせるのは、ちょっと待って! とくに気をつけたい2つの食材【管理栄養士】

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日本の新年の伝統的な食品箱
●写真はイメージです
show999/gettyimages

おおみそかやお正月は、普段とは違う食べ物や飲み物が食卓に登場することも多いでしょう。特別なお祝いの日で、縁起物も多く「赤ちゃんにも食べさせたい」と思う気持ちはわかります。ただし、赤ちゃんの月齢・年齢に合わせて食べられるものを選び、お楽しみと考えてごく少量にしましょう。

乳幼児がとくに注意したい食べ物を、育児雑誌「ひよこクラブ」の離乳食特集でもおなじみの管理栄養士の太田百合子先生に聞きました。

おもちは、3才未満には食べさせないのが基本

お正月に食べる餅を入れたスープ
●写真はイメージです
yasuhiroamano/gettyimages

お正月に食べる機会の多い“おもち”。乳幼児はそしゃく力が未発達なため、かみ切ることが難しいです。かみ切れずにのどにつまらせて窒息する恐れがあるため、少なくとも3才になるまでは食べさせないのが基本です。

3才以降に、お正月の楽しみ程度にごく少量食べさせる場合は、煮たり焼いたりするなど、調理したおもちを小さく切ってからに。近くで様子を見守りながら少しずつ食べさせましょう。

かみ切りにくく味が濃いものが多い、おせち料理も要注意

お正月のメニューには、おもち以外にもかみ切りにくいものがいっぱい。おせち料理で注意したいものをまとめます。

おせち料理とは、もともと季節の節目(節句)に食べる料理のことでしたが、現在は主に1年の節目であるお正月にふるまわれる料理のことをいいます。料理の内容には地域差がありますが、いそがしいお正月の3日間くらいは家事をしなくて済むように保存のきく食材が中心なことと、お祝いの意味もある料理を「めでたさを重ねる」という意味で重箱につめることが特徴です。

【昆布巻き】
乳幼児にはかみづらく、窒息の危険があるだけでなく、味が濃いのも気になります。小さく切って、お正月の楽しみとしてごく少量なら、3才ごろから食べさせても。
手作りなら、昆布が指でつぶせるくらいやわらかく煮るといいでしょう。

【えびのうま煮】
かたくて弾力があるので2才未満はかみ切るのが難しいです。2才以降に食べさせる場合も、こまかく刻みましょう。

【黒豆】
黒豆のような、丸くてつるんとしたものは誤えん・窒息の心配があります。1才以降につぶしてからなら食べさせられます。食べさせる場合、甘(あま)煮は、薄皮を取り除いて糖分を湯で洗ってからに。

【そのほか】
煮もののこんにゃくやしいたけ、かずのこ、たこなどの食材もかみ切りにくく、注意が必要です。

年越しに食べることの多いそば。おおみそかに“初めて”食べさせるのは避けて

天ぷらそば
●写真はイメージです
kazoka30/gettyimages

おおみそかに年越しそばを食べるという家庭も多いでしょう。

年越しそばの風習は、江戸時代から始まったといわれています。由来は諸説ありますが、そばが細く長く伸びることから、「健康長寿(けんこうちょうじゅ)」「家運長命(かうんちょうめい)」などの縁起をかつぎ、さらに1年の厄を落とすためにおおみそかに食べるようになったという説が一般的です。

そばは重篤な食物アレルギーの症状が出やすい食材の一つ。そのため、今までそばを食べたことのない子に、おおみそかのタイミングで初めてそばを食べさせるのは絶対に避けて。

万が一アレルギー症状が出たときに、病院が休みのことが多いおおみそかでは、スムーズに受診できないことがあるからです。

そばは、離乳後期ごろ、その時期のほかの食材に慣れてからなら食べさせてもOK。今までにそばを食べたことがあり、食物アレルギーの症状が出ていなければ、離乳後期ごろから、おおみそかに家族で一緒にそばを食べてもいいでしょう。

つゆは赤ちゃん用に別に作るか、取り分けができるなら湯や水で薄め、月齢・年齢に合わせた味つけに。具は食べ慣れたものを、食べやすい大きさに切ってからに食べさせるといいでしょう。

そばだけでなく、初めての食材を与えるのは、かかりつけの小児科の受診時間にごく少量からが基本です。

親ぞくで集まる機会の多い年末年始。大人同士でしっかり情報共有を

年末年始は親ぞくで集まる機会も多いでしょう。

帰省するときなどは、ママ・パパから周囲の大人に、赤ちゃんの離乳食の進み具合などを説明し、食べられないものや注意したい食材をしっかり伝えましょう。

とくに食物アレルギーがある場合は、しっかりと説明を。親ぞくが「せっかくお正月だから」「少量なら大丈夫でしょ」と安易に食べさせてしまうことのないよう、情報の共有が大切です。

乳幼児に注意が必要な食べ物は、「食べさせない」ということだけでなく、「赤ちゃん・子どもの手が届くところに放置しない」という行動も必要です。

年末年始は、大人が飲酒する機会も多いもの。赤ちゃんが誤ってアルコールを口にすることがないよう、手が届くところに飲み残しを放置しないよう気をつけて。熱い食べ物に、赤ちゃんが手を伸ばしてやけどする事故にも気をつけましょう。

監修/太田百合子先生

取材・文/たまひよONLINE編集部

「日本の年末年始の行事には、その時季ならではのいろいろなメニューがあり、食育の大切な機会でもあります。ただ、乳幼児にはまだ食べにくいものが多く、行事食をそのまま味わうことには危険が伴います」と太田先生。

行事食は、もう少し大きくなってからのお楽しみと考え、年末年始でも普段と変わらない食事や生活リズムを心がけましょう。

●記事の内容は2024年12月の情報であり、現在と異なる場合があります。

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