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産後ケアの普及を訴える学会がスタート。女優・小雪さんも講演

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Nadezhda1906/gettyimages

産後は母体を休める間もなく、育児がスタート。現代社会では、高年出産のため実母も高齢で頼れないケースや、パパが仕事で帰りが遅い、核家族で近所づき合いが少ないなどもあり、孤独な育児に陥るケースが少なくありません。そんななか、「産後のママの体と心をケアし、社会全体で子育て支援に取り組むことが大切」と、産婦人科医や助産師さんたちが中心となって、「日本産前産後ケア・子育て支援学会」が設立されました。3月11日に開催された第1回目の学会について紹介します。

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“産後ケアを日本の文化に”という主旨で、さまざまな講演が

第1回目の産前産後・子育て支援学会では、‟産後ケアを日本の文化に”というテーマのもと、産婦人科医や助産師さんなどの講演、シンポジウムが行われました。
はじめに、第1回の学会大会長を務めた東峯婦人クリニック院長・松峯寿美先生から、日本の産後ケアの状況について問題提起がありました。

「もともと日本には『里帰り出産』という慣習があり、産後1カ月までは実家の親もとで体を休め、実母から育児サポートを受けるのが一般的でした。しかし、近年、里帰り出産をしない人たちが増えている傾向があります。それは夫婦で子育てに向き合うために里帰りをしないといったケースもありますが、赤ちゃんの祖父母世代が70代以降の高齢になっていたり、あるいは家族の介護に忙しくて産後サポートが難しく里帰りができないため、といった里帰り出産を断念せざるを得なかった状況も少なくないようです。今や、『産後ケア』と『子育て支援』は現代社会の課題なのです」

そして、この問題を解決するために、

「今後、地域の産後ケアセンターが里帰り出産と同様の役割を担うことができるように、私たち医療従事者は『産後ケアを日本の文化に』という志を持って取り組んでいるところです」(松峯先生)。

韓国で産後ケアを体験した女優・小雪さんのメッセージ

学会の講演では、女優の小雪さんと、植物療法士の森田敦子さんの対談も行われました。「楽しい出産と産後ケア」と題した講演で、3人のママでもある小雪さんの産後ケア体験を聞くことができました。
小雪さんは2012年に第1子を出産した直後、育児に追われて疲労困憊した経験が。そんなとき、森田さんと出会って植物療法を実践し、体も心も元気を取り戻すことができたそう。そして、小雪さんは翌年第2子を妊娠。2人目を韓国の産後調理院で出産することを決意しました。

「韓国では、産後に養生することを“調理”といい、ソウルには130もの産後調理院があります。韓国の人たちは“産後は母体を休ませることが必要”と知っていて、産後の体のケアや食事の効能などにもくわしいんです。当時、『今の自分は動物的な勘が鈍っている』『もっと自分自身と向き合わなくては』と感じていました。産後に何を食べ、どんなケアをするといいのか、自分の体の声に耳を傾けて実験してみよう!と考えたんです」(小雪さん)

そして、韓国での第2子出産に、森田さんに同行してもらい、産前産後ケアをいろいろ試してみたのだそう。
小雪さんは看護学校に通っていたこともあって、医療知識も代替医療に対する知識も豊富なようで、自身が試した産前産後ケアについて、くわしくわかりやすく語ってくれたのが印象的でした。

台湾では、結婚と同時に産後ケアの費用を貯金し始めるのがポピュラー

学会では、台湾の産後ケア事情についての特別講演もありました。賀果悦児産後ケアセンター所長の李秀玫(り・しゅうめい)先生によれば、台湾では産後1カ月を”回復期間”と考えて大切に過ごす風習があるそうです。その間、「産後ケアセンター」で提供されるバランスのいい薬膳料理を食べて、体を回復させつつ、産後の育児を学ぶのです。人気の施設には希望者が殺到し、妊娠3カ月に予約しないと利用できないほどとか。

「賀果悦児産後ケアセンターでは、1日の利用料が日本円で約2万5000円ほど。21日間滞在するのがポピュラーなので、費用は50万円以上かかります。しかし、台湾では結婚と同時に産後院の費用の貯金をスタートする人たちが多く、“産後は産後院で養生する”という文化が根づいているのです」(李秀政先生) 

子どもの心は、母親の無償の愛によってはぐくまれる

東京女子医科大学名誉教授・仁志田博司先生の講演では、「子どもの温かい心をはぐぐむ大切さ」について聞きました。仁志田先生によれば、「はぐくむ」の語源は「鳥がわが子を羽の中に抱いて、自分の体温で温める『羽含む』」に由来しているのだとか。そして、温かい心とは、人の心の痛みを感じて、相手を思いやる心。

「子どもは自分を愛し、受け入れてくれる存在がこの世にたった1人でもいるということを心に刻みます。自分を愛してくれる存在を得ることで、他者を思いやる温かい心を獲得することができるのです。お母さん自身が幸せを感じながら子育てすることが、母と子の愛着関係を形成し、子どもの心をはぐくんでいくのですよ」(仁志田先生)

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「産後ケア」と「子育て支援」事業はスタートしたばかり。まだあまり知られていませんが、核家族化が進む現代社会において、子育てのサポーターとしての役割が期待されています。「産後ケアセンター」には、私立の施設に直接申し込むか、市町村の役所に申請し、紹介してもらう方法があります。役所経由の場合は、助成制度を利用できる場合もあります。産後の体の回復や、育児に対する不安を感じたときは1人で悩まず、産後ケアセンターに相談してみませんか!? (取材・文/大石久恵、ひよこクラブ編集部) 

■監修/東峯婦人クリニック院長・松峯寿美先生

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