おたくマンガ家・御手洗直子 の「育児日記」 嫁をいびるおたくになってしまうかもの話
一大センセーションを巻き起こした「婚活コミック」著者がおくる大人気不定期連載! 「つっこみが止まらないコマダム日記」#27。あの御手洗直子がとうとう二人目を出産。果たして直子の育児はどうなった???
車は空を飛ばないけど未来はおもちゃにやってきた!
むすめのおもちゃを買って一緒に遊んでいると技術って進化してるんだなあと思う。
私が子どもでおもちゃを買ってもらっていた時代をざっくり30年前だとすると、30年あればそりゃ進化するだろうと思うのだが、まず風船にびっくりした。空に浮かぶヘリウムの風船である。私たちの時代はゴム風船にヘリウムが入っていて、大抵もらったり買ったりした翌日にはもう飛ばなくなって地面に沈んでいた。が、今の風船は違うのである。まず素材がゴムじゃない…。ゴムではなくアルミでできている。たぶんゴムより軽くて密閉性も高いのであろう、1ヶ月近く宙に浮いているのである…。おもわず口調が稲川淳二になってしまう。先日のドライアイスの回でもめちゃくちゃ力説したのだが、翌日沈んでしまう風船の儚さとかありがたさとか、そういうものが相当薄れた気がする。30年前より。こういうBBAが昔語りをしながら嫁をいびるのである。昔はねえ、こんな、便利なものなんてなくてねえ、もっと、ありがたいって感謝して、もったいないって、思ったものだけどねえ、今の子は、ねえ……………ひいー、うぜえー。
あとびっくりしたのがお湯と水で色が変わるおもちゃ(アイス)である。私たちの時代にもたぶんあったけどこんなに俊敏な奴ではなかった。私が友達に見せてもらった(自分のものですらない)のは、たぶんお湯をかけると『ああ…うん。お湯?かな…?どれどれ、ようし、色を、変えますよぉ。』と確認して一呼吸置いてからじんわり色が変わるようなヤツであった。しかもピンクのトマトが赤いトマトになる。というような同系色ですね…?という作りであった。それがどうだ。今むすめに買ったアイスは紫が青、白が黄緑、水色が茶色に変わるのである。しかも俊敏である。今ペンキかけた?という早さで色がつくのである。水をかけた→色が変わったというスピード感ではない。色ペンキをぶっかけたというイメージで色が変わるのである。
すごい。長年研究職に就き試行錯誤を重ねた研究員さんのおかげでできたアイスなのだ。30年間頑張った。感動した。(小泉)ちなみにおもちゃだけどバンダイとかではなく発売元はパイロットインキである。消しゴムで消えるボールペンのフリクションを作った会社だ。なのでまあ、アイスはボールペンのついでというか、副産物なのであろうが、でもとにかくすごい。30年経つとボールペンは消しゴムで消えるしアイスは俊敏に色を変えるのである。
もうひとつすごいなーと思うのが雑誌の付録にDVDが付いてくることである。もう昔語りをいちいちしてくる婆でホント申し訳ないんだが私の子ども時代の教育雑誌には年に一度うっすいプラスチックのレコードがついてくるかどうかであった。ちなみに組み立て式のプレーヤーが付いていた。何を言っているのか若いヤツにはわからねーと思うがホントなんだ。ちなみに手動だ。ちなみに再生(手動)しても宇宙の声しか聞こえない。この一連の文章で笑ってる奴はアラフォー以上である。ねえさん、トシがバレますよ!
そんなわけで、技術ってすごいなあ~、いろんな人が開発とか、いろいろしてくれてるんだろうなあ~。と改めて思ったのででした。あと焼くと固まる粘土とかもすごいよね…。私らが焼いてたのプラ板がせいいっぱいだと思うんだけど…今の子ってプラ板焼くの?ねえさん、笑ってると昭和生まれがバレますよ!
ちなみに母には『私が長女を産んだときに初めて紙おむつが発売されて、でも高くて今みたいにいいやつじゃなくて…』という話を繰り返し延々と聞かされたことがある。
聞かされる方は『ふーん…』とか、『ほぉ~…』としか言いようがないのであった。(おわり)
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■御手洗直子 プロフィール
pixivで大人気。累計閲覧数1000万を誇る爆笑コミックエッセイスト。なんでそんなにネタ満載人生を・・・という謎の人。既刊に「31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる」「31歳ゲームプログラマーが婚活するとこうなる」(共に新書館)、「腐女子になると、人生こうなる!~底~」(一迅社)、「つっこみが止まらない育児日記」(ベネッセコーポレーション)など。
Twitter 御手洗直子(@mitarainaoko)
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