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赤ちゃんの様子に合わせて母乳の成分が変わるって本当?!母乳育児専門家に聞きました

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oksun70/gettyimages

母乳の中には、生きた細胞や免疫物質、抗感染物質など、赤ちゃんを守る成分がたくさん含まれています。さらに「赤ちゃんの状態に合わせて母乳の成分が変わる」って知っていますか?
母乳育児専門家(国際ラクテーション・コンサルタント)であり、ママたちの母乳育児にやさしく寄り添い、さまざまなサポートをしてくださっている、昭和大学医学部小児科学講座主任教授・水野克己先生に「母乳の働き」について聞きました。

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母乳はそれぞれの赤ちゃんのためのオーダーメイド

出産を境に赤ちゃんが過ごす環境は大きく変化します。酸素が少なく、無菌状態の子宮の中から、酸素は豊富にあり、病原体がたくさんいる外の世界へと産み出されます。赤ちゃんが外の世界でしっかり生き延びていけるように、母乳には驚きの働きがあるんです。

母乳は赤ちゃんのための特効薬

「赤ちゃんが感染症にかかったり、周囲で感染症が流行していると、それらの病原体に対する特効薬の働きをする成分が母乳に送り込まれます。たとえば赤ちゃんがなんらかのウイルス感染を起こすと、母乳には白血球、マクロファージ、TNF-α、ラクトフェリンなど、赤ちゃんをウイルスから守ってくれる成分が増加しています」(水野先生)

母乳が赤ちゃんの特効薬になるのは、どうして?

「赤ちゃんがウイルス感染したとき、ママの体内では、次のようなメカニズムが働いています。

① 赤ちゃんに感染したウイルスは、ママの体内にも入っていきます
② ウイルスに対抗するため、ママの腸や気管支にあるリンパ組織の働きが高まります
③ 活性化したリンパ球が形質細胞(免疫グロブリンをつくる細胞)になって乳房に向かいます
④ 赤ちゃんに感染したウイルスに対する免疫物質がつくられて、母乳中に出ていきます」

赤ちゃんの様子を察知して、ママの体の中で「おくすり」を処方して母乳の中に混ぜてあげる…子宮から外の世界に出てきた後も、赤ちゃんは母乳を通してママとつながって、ママに守られている、というわけなのですね!

生まれた週数に合わせた、必要な成分も母乳に含まれます

「たとえばDHAなど脳の成長を促す物質は、早産のママの母乳には正期産の場合よりも多く含まれています。正期産の赤ちゃんはこれらの物質を妊娠後期に子宮内でもらいますが、母乳の成分は、生まれた週数に合わせたオーダーメイド。早産のため、おなかの中で渡せなかった分は、母乳を通して赤ちゃんにプレゼントされるんです」

母乳育児は赤ちゃんにもママにもいいことがいっぱい

「母乳には、赤ちゃんがヒトとして育っていくのに必要なものがたくさん含まれています。病気予防以外にも、予防接種の効果アップ、将来の生活習慣病のリスク低下や認知能力を高く保つなど、さまざまなメリットをもたらしてくれます。さらに、母乳育児はママの健康維持にも大きなメリットがあります」

将来の生活習慣病のリスクが減ります

「ママの体は妊娠中から母乳を出すための準備を始め、体に脂肪を蓄えていきます。蓄えた脂肪は母乳をあげることで消費され、ママの将来の肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧、心筋梗塞など生活習慣病にかかるリスクを低下させます。また、授乳期間が長いほど、乳がんや子宮がんにもなりにくくなる、というデータもあるのです」

スキンシップで母子愛着形成

「母乳は消化が早いので、ミルクよりも授乳間隔は短めに、1回の授乳時間は長めになります。生まれてからしばらくの間は、授乳が頻回で体が疲れるかもしれませんが、母乳をあげることでママの体の回復は早まります。また、授乳中に肌と肌を触れ合わせることで、母子の愛着が自然に形成されていくのです」

母乳育児の準備はぜひ妊娠中から

「母乳育児にはいいことがいっぱい。でも、産後に思うように母乳が出ない、ということもあります。大切なのは母乳の量ではなく、母乳をあげたいと思うママの気持ち。赤ちゃんの心身の健やかな成長を願って、やさしく抱っこしておっぱいを吸わせることが立派な母乳育児なんです。

母乳育児を楽しむために、妊娠中から準備できることがたくさんあります。また、母乳育児について正しい知識を持っていて、信頼して何でも相談できるサポーターを見つけておくこともとても大切です」

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赤ちゃんのためにオーダーメイドでつくられる母乳。赤ちゃんを守るためのメカニズムには驚かされるばかりです。妊娠中のママは、母乳バンク協会発行の「妊婦さんのための今から始めるラクラク育児BOOK」もぜひ参考に。出産前からしっかり準備して、赤ちゃんと一緒に母乳育児を楽しんでくださいね。(取材・文/四辻深雪・ひよこクラブ編集部)

■監修/水野克己先生
昭和大学医学部小児科学講座主任教授。母乳育児専門家(国際ラクテーション・コンサルタント)の資格を持つ小児科医。日々、NICUで小さく生まれた赤ちゃんの治療に携わっていらっしゃいます。

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