「母乳育児をしたい!」妊婦が、妊娠中からやるべきことは?
赤ちゃんの免疫力を高めたり、母子のスキンシップになったり、産後のママの子宮の戻りをよくしたりと、赤ちゃんにもママにもメリットいっぱいの母乳育児。でも、出産直後、母乳育児をスタートしたときは、母乳が出ない、乳首が切れて痛む、赤ちゃんが上手に飲めないなど、苦労するママが多いようです。そこで、妊娠中から母乳育児のために準備しておくといいことを、よしかた産婦人科副院長の善方裕美先生に伺いました。
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母乳が出るように、妊娠中から血の巡りがいい体にしておこう
「赤ちゃんがママの乳頭を吸うと、その刺激がママの脳に伝わり、ホルモンが分泌されることによって母乳がつくられます。母乳の出をよくするには、産後すぐから、とにかく何度も赤ちゃんに乳頭を吸わせてホルモンのサイクルをつくることが大切です。母乳育児をしたいと思っている人は、産後すぐ、まだ母乳が出ていなくても、2~3時間おきに赤ちゃんに乳頭を吸わせるようにしましょう。
また、母乳は血液からつくられるので、母体の血の巡りがいいかどうかも重要です。ママの血行が悪いと、十分な母乳がつくられないことが。血の巡りがいいかどうかは安産のためにも大切なことなので、妊娠中の今から血の巡りがいい体になるよう、準備しておくといいでしょう」
妊娠中からできる、血の巡りをよくする2つのテク
食生活と血流をよくするためのフィットネス、2つの方法をご紹介します。
テク1:水分と栄養をしっかりとり、冷やさないようにする
「水分が不足し、食事に偏りがあると、血液がドロッとしたり体が冷えたりして、血流が悪くなりがち。おなかの赤ちゃんにもよくありません。水分と栄養をしっかりとり、体を冷やさない生活を心がけて。具体的には、温かい飲み物を飲む(暑いときも、冷たいものより常温のものが◎)、根菜類やタンパク質が豊富な食べ物(肉・魚・豆類)を食べる、入浴時はシャワーだけですまさず湯船につかって温まる、レッグウオーマーや腹巻き、カイロなどのあったかアイテムを活用するなどの対策をしましょう」
テク2:ストレッチやマッサージで血流をよくする
「血の巡りをよくするためには、ストレッチも効果的。とくに肩や首、肩甲骨まわりの凝りをほぐしておくと、母乳の出もよくなります。腕や首をゆっくり回したり、腕からわきを伸ばしたりするのが、簡単にできて効果的。また、腰をゆっくり回したり、あぐらの姿勢で股関節(こかんせつ)を開いたりすると、骨盤まわりの血流がよくなり、下半身の血行不良や冷えを解消できます。ふくらはぎや太ももをマッサージしてもいいでしょう」
赤ちゃんが吸いやすい、やわらかい乳頭にしておこう
「赤ちゃんが乳頭を吸う刺激で母乳がつくられるので、産後は赤ちゃんにたくさん吸ってもらうことが大切。でも、ママの乳頭が吸いにくいと、赤ちゃんが吸うのに苦労したり、吸うのを嫌がってしまうことも。産後すぐに授乳が始まるので、妊娠中から保湿ケアなどでやわらかくのびがいい乳頭にしておくと安心です。やわらかくのびがいい乳頭にしておくと、『赤ちゃんに吸われた刺激で乳頭が切れてしまう』という産後のありがちトラブルが軽くすむことも。
乳頭をマッサージしてやわらかくする方法もありますが、乳頭を刺激することでおなかが張りやすくなることもあるので、妊娠中は産院に確認して許可をもらってからやりましょう」
妊娠中からできる、赤ちゃんが吸いやすい乳頭にする2つのテク
自宅でできるバストケアのほか、トラブルを防ぐためのチェックポイントも覚えておいて。
テク1:手軽にできる保湿ケア「乳頭ピチュ」
「やわらかくのびがいい乳頭にするために、手軽にできるのが保湿ケア。妊娠中や授乳中も使えるバスト用のケアクリームや、セサミオイル、スイートアーモンドオイル、ヴァージンオリーブオイル、馬油などのオイルで、乳頭や乳輪を保湿して。
また、清潔なコットンにオイルを含ませて、乳頭と乳輪が隠れるように当てて10~15分ほどおく『乳頭ピチュ』をすると、さらに効果的。この『乳頭ピチュ』は、産後、乳首が切れてしまったときのケアにもおすすめです」
テク2:吸いにくい乳首の場合は、対策が必要
「妊娠中から、赤ちゃんにとって吸いやすい乳頭かどうかチェックしておくことも大切です。乳頭が平らな『扁平(へんぺい)タイプ』だったり、陥没していたりすると、赤ちゃんが吸う前に乳頭を引き出すようにするケアをしたり、授乳時に乳頭保護器が必要なことも。心配なときは、妊婦検診や助産師外来などで相談し、ケア方法や対策を聞いておくといいでしょう。もちろん、上で紹介したように、やわらかくのびがいい乳首にしておくことも大切なので、自宅では乳頭ピチュなどの保湿ケアをしておきましょう」
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『たまごクラブ』2018年4月号「赤ちゃんを母乳で育てたいママの 今すぐお役立ちQ&A」では、母乳育児について、妊婦が悩みがちなこと・気になることを、Q&A方式でわかりやすく解説しています。
母乳にいい食事やストレッチ、肌着のつけ方、また、産後すぐに母乳がなかなか出かいときの対処法なども紹介しているので、気になる人はぜひチェックして!(撮影・成田由香利、文・たまごクラブ編集部)
■監修/よしかた産婦人科 副院長 善方裕美先生
■参考:『たまごクラブ』2018年4月号「赤ちゃんを母乳で育てたいママの 今すぐお役立ちQ&A」
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