1. トップ
  2. 赤ちゃんの子育て・育児
  3. NICUに入院中の赤ちゃんの母乳育児&おっぱいの気がかりQ&A

NICUに入院中の赤ちゃんの母乳育児&おっぱいの気がかりQ&A

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

benedamiroslav/gettyimages

NICUに赤ちゃんが入院している間は、ママは母乳を搾乳して届けることになります。低出生体重児や早産児にとって母乳が大切な理由をはじめ、この時期ママが悩みがちな母乳の気がかりについて、専門家がアドバイスします。

低出生体重児や早産児でも母乳育児はできます

Andesign101/gettyimages

低出生体重児や早産児を産むと、ママの体は小さな赤ちゃんが育つために最適な母乳をつくるようになります。母乳の与え方について理解しておきましょう。

初乳には免疫物質がたっぷり入っています

初乳(赤ちゃんが生まれてから3日~5日目くらいまでの母乳)には、赤ちゃんを病気から守る免疫物質がたくさん含まれています。赤ちゃんが飲むと、消化管と気管に免疫物質が広がり、細菌やウイルスが体内に侵入しても赤ちゃんを守ってくれるようにくれます。赤ちゃんが飲むことができない状態のときは、しぼった初乳を冷凍し、後から飲ませてあげてもかまいません。また、ほんの少しの初乳を綿棒で口の中に塗布するのでも、メリットがあります。

低出生体重児や早産児に適した母乳が出ます

低出生体重児や早産児を出産したママの母乳は、分娩後しばらくの間は正期産で出産したときよりもたんぱく質、ミネラルなどが多く含まれ、カロリーも高くなっています。これは、低出生体重児や早産児の成長に合わせた成分になっているという考え方もありますが、未熟な乳腺の影響とも考えられています。

母乳をしぼって届けます

ママと赤ちゃんが同じ病院に入院している場合は、しぼってNICUに届けます。自分で飲めない赤ちゃんには経口哺乳(口や鼻から管を入れて母乳を注入)を行います。修正34週以後、あるいは体重が1800~2000g程度になると、しだいに直接授乳が可能となります。ママが退院したあとも毎日届けるのが基本。ママだけでは大変なときは、パパやじいじ・ばあばなどにも手伝ってもらいましょう。それも難しい場合は、宅配のクール便を利用する方法もあります。
小さく生まれた赤ちゃんにとって、母乳は最高の栄養です。おっぱいに関する心配や気がかりを解決し、母乳を毎日赤ちゃんに飲ませてあげましょう。

NICU入院中の母乳の気がかりQ&A

赤ちゃんがNICUに入院中、直接おっぱいをあげることはできませんが、母乳を飲ませることはできます。低出生体重児や早産児の母乳育児について、多くのママが抱いている気がかりや心配にお答えします。

Q 母乳育児を続けるにはどうしたらいいですか

A 赤ちゃんに乳房を吸ってもらえないので、出産後すぐは乳房が張りやすくなります。こまめに搾乳し、冷凍保存しておいてください。乳房に残った母乳があると乳腺での母乳をつくる量が低下する可能性があるためです。しかし、直接授乳できないと、どうしても母乳の分泌は低下しがちです。分泌を維持するために、定期的な搾乳を続けましょう。また、赤ちゃんのそばで搾乳するといいかもしれません。搾乳の方法は助産師や看護師に教えてもらいましょう。最近の搾乳器は質が高いので、手でしぼるのが難しいときは、搾乳器を使ってかまいません。

Q 上手に飲ませられるか心配です

A 入院中、赤ちゃんが直接おっぱいを飲めるようになるまでは、口や鼻から胃まで管を入れて、そこから母乳やミルクを注入する「経管栄養」を行います。哺乳びんで飲めるようになったら、ママやパパが飲ませることも可能です。最初はうまくできないかもしれませんが、スタッフに教えてもらい、回数をこなすうちに上手にできるようになります。妊娠週数で数えて34週を過ぎると、赤ちゃんが直接おっぱいを吸えるようになります。カンガルーケアのときスタッフに授乳のしかたを教えてもらいましょう。

Q 双子でも母乳育児ができますか

A 直接母乳を飲ませられないときは搾乳して与えますが、搾乳だけだと2人分の赤ちゃんに必要な母乳を分泌しないかもしれません。2人に平等に母乳をわけて、たりない分をミルクで補いましょう。直接授乳できるようになったら、母乳の分泌量が増えていきます。赤ちゃんの状態によって飲ませ方が違ってくるので、スタッフと相談しながら母乳育児を続けてください。

Q 母乳をうまくしぼれません

A 乳首をつまんでみてかたいときは、詰まっている可能性があります。乳首をていねいにもみほぐすようにマッサージすると、垢(あか)のようなものが出て、詰まりが取れます。1回では取れないので、根気よく何回もやってみましょう。詰まっていないけれどうまくしぼれないときは、しぼり方が間違っているのかも。乳房から乳首のほうへ圧力をかけるとうまくしぼれない上、乳腺を痛めます。指の腹で乳首のつけ根を胸の奥のほうに向かってリズミカルに押すと、母乳が出てきます。実際に助産師や看護師に診てもらいながらやるといいでしょう。

Q 母乳の冷凍のしかたは?

A 搾乳器か手でしぼった母乳を冷凍専用の袋に入れ、そのまま口を閉めて冷凍庫で冷凍します。なるべく急速冷凍したほうが鮮度は保たれるため、アルミのお弁当箱や料理に使うバットなど金属製のものに置いて冷凍するのがおすすめ。アルミホイルに包むのもいい方法です。

Q 母乳の出が悪くなったらミルクでも大丈夫?

A 赤ちゃんの入院が長期に及ぶと母乳の出が悪くなり、ミルクに移行することもあります。母乳だけで育てたいという思いもあるでしょうが、ミルクでも赤ちゃんはしっかりと育ちます。入院中はできるだけ面会してカンガルーケアを行い、目を見て、話しかけながら授乳しましょう。赤ちゃんを包み込むようにして抱っこすると、落ち着いて授乳できます。

「ママが母乳を出すために行っていたこと」体験談

早産児や低出生体重児で生まれたわが子の入院中、多くのママが母乳を届けていました。母乳を少しでも多く出すためにママはいろいろな工夫をしていたようです。どんなことをしていたのか・・・実際に赤ちゃんがNICUの入院を経験したママにコメントをいただきました。

●赤ちゃんに吸われているイメージで搾乳
なるべく母乳で育てたいという思いから、赤ちゃんがそばにいなくても、3~4時間おきに搾乳し、赤ちゃんに吸われているんだというイメージで搾乳を続けました。(2才6カ月男の子、出生体重:1545g、在胎週数:30週2日)

●電動の搾乳器で3時間おきに搾乳
入院期間が長くなるとわかっていたので、電動の搾乳器を購入し、しっかり3時間ごとにしぼって母乳をためないことを意識しました。ただ、夜中はなかなか起きられなかったので、1回だけさぼっていいというマイルールを作っていました。また、母乳にいいというサプリメントを飲んでいました。(1才男の子、出生体重:694g、在胎週数:28週2日)

●生活リズムと水分補給、冷え防止を心がけました
早寝早起き、食事の時間を決めるなど、生活リズムを整えることを習慣づけるように心がけました。また、水分を多くとるようにし、体を冷やさないようにしていました。(1才2カ月男の子、出生体重:902g、在胎週数:27週2日)

●食事をしっかり&動きすぎないように
三食しっかり食事をとり、無理して動きすぎないように気をつけました。病院の方には、赤ちゃんの写真を見ながら搾乳するといいといわれたので実践しましたが、効果は不明です。私は、赤ちゃんがおっぱいを吸うことで母乳が出るタイプだったので、搾乳であまり母乳が出ませんでした。(3才10カ月女の子、出生体重:2148g、在胎週数:35週5日)

●食生活だけは気をつけていました
母乳がよく出ていたので、あまり気にかけていませんでしたが、食生活だけは気にしていました。搾乳器は、自宅ではメデラの手動搾乳器「ハーモニー」、病院では、メデラの電動搾乳器を使っていました。母乳バッグはカネソンです。(1才11カ月女の子、出生体重:2507g、在胎週数:35週2日)

数時間ごとに母乳をしぼるのは大変かもしれませんが、低出生体重児や早産児ができるだけたくさん母乳を飲めるように頑張ってくださいね。(取材・文/東 裕美、ひよこクラブ編集部)

監修/板橋家頭夫先生
昭和大学病院病院長。専門は、小児科学、新生児学。極低出生体重児の成長・栄養管理に詳しく、低出生体重児・早産児の生活習慣病リスクを研究。赤ちゃんや家族の幸せをモットーに診療をされています。

関連:たまひよSHOP 小さく生まれた赤ちゃんのための新生児ウェア

■おすすめ記事
0~3ケ月 赤ちゃんのねんね・寝かしつけの気がかりQ&A

子育て・育児

更新

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  •  

新着記事

新着記事をもっと見る