産後2ヶ月ごろに注意!パパのメンタルヘルスのこと
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パパも産後うつになることがわかってきています。ママだけでなく、パパもメンタル面の不調に気をつけるにはどうしたらいいか、パパのメンタルヘルスを研究している、竹原健二先生に聞きました。
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コミュニケーションを密にしてメンタルヘルスを維持
厚生労働省の調査によると、この20年でうつ病の患者が急増しています。ママの産後うつはよく知られていますが、パパも産後うつになることが研究でわかってきています。生活環境が大きく変わるときには、ママだけでなく、パパもメンタルの不調のリスクが上がる可能性があります。パパのメンタルヘルスに詳しい、竹原先生にお話を聞きました。
「パパの産後うつは、産後2ヶ月目にリスクが上がることがわかっています。ばあばなど家族の手助けがある1ヶ月目は、ママ・パパの負担が軽減されますが、2ヶ月目には家族の手助けがなくなることが多く、ママ・パパの負担が増え、パパのメンタルヘルスにも影響を与えているのではないかと考えています」(竹原先生)
生活環境に大きな変化があるときは要注意
大きな生活環境の変化と、それに伴う負担増が、パパの産後うつのリスクになるようです。だとするなら、ママの仕事復帰後なども、産後と似たような状況になるので、メンタルの不調のリスクが上がると考えられますか?
「その可能性はあるでしょう。保育園に預けるなら、送り迎えや保育園からの急な呼び出し、家事の分担など、パパにとっても生活環境が大きく変わることになります。ママもパパも初めてのことに直面するわけですから、2人で大変な時期を乗り越える工夫が必要でしょう」
優しくまじめで、頑張って取り組む人ほど無理をしすぎてしまいがちだそうです。夫婦がチームとなり、こまめにコミュニケーションをとることが、夫婦のメンタルヘルスの維持につながると竹原先生は言います。
「夫婦がお互いに納得するかたちで協力をし、離れているときはスマホのコミュニケーションアプリなどでお互いの行動を連絡し合い、いざというときに対応できるしくみをつくっておきましょう。また、家では食べること、寝ること、リフレッシュすることを最優先にし、家事の質を落とすなどして、頑張りすぎない工夫をするといいですね」
パパにもママと同じくらい産後うつのリスクがある!
竹原先生の2016年の調査※によると、パパ(パートナー)の産後うつのリスクは、ママ(妊産婦)7.0~10.9%と同程度の6.3~9.0%で推移していることがわかりました。また、産後3ヶ月間で「うつのリスクあり」と判定されたパパ(パートナー)は、16.7%にのぼりました。
※2012年から愛知県西尾市の保健センターにて、妊婦とそのパートナー270組を対象に、妊娠20週から産後3カ月までの計5時点でメンタルヘルスのスクリーニングを行い、うつのリスクを判定。
もっと知りたい!パパのメンタルヘルスQ&A
Q パパのうつに気づくには?
A いろいろな手段でコミュニケーションを
ママはパパのメンタルの不調に気づきにくいという調査結果があります。なるべく会話をしたり、スマホのアプリなどを使ったりして、コミュニケーションをとりましょう。
Q パパがうつかも!? どうすればいい?
A ママ1人で相談に行っても
パパの様子がおかしいと思ったら、まずは一緒に休息・リフレッシュをするようにすすめてみましょう。それでも復調しない場合は、地域の保健センターに相談してみて。
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ママたちの間で話題になっていることから時事ネタまで、子育てに関するニュースを掘り下げる、ひよこクラブ人気連載「子育てトピックス」。読者に人気のテーマを、毎月ネットでも紹介します。『ひよこクラブ』2018年6月号のトピックは、「孫フィーバーのこと」。こうご期待!(取材・文/ひよこクラブ編集部)。
■監修/竹原健二先生
国立成育医療研究センター研究所政策科学研究部政策開発研究室 室長を兼任。筑波大学大学院卒業。専門は父親のメンタルヘルス、母子保健など。パパのメンタルヘルスの研究を続けていらっしゃいます。
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