4歳と2歳のパパ、芸人・ひょっこりはん。「マタニティフォトの絵を描いたのは僕」、2人ともその後すぐに“ひょっこり”と陣痛が・・・
「はい、ひょっこりはん!」のネタでおなじみの、芸人・ひょっこりはんさん。プライベートでは、4歳の男の子と2歳の女の子のパパで、日々の子育てに奮闘しています。ひょっこりはんさんらしい子どもたちとの読み聞かせや遊び方、また、コロナ下での奥さんの妊娠・出産時の話をお聞きしました。
全2回インタビューの前編です。
絵本を読んだり、一緒に遊ぶときには全力で子どもたちを楽しませたい!
――子どもたちとの毎日について教えてください。
ひょっこりはんさん(以下敬称略) 息子は4歳、娘は2歳になって、2人とも同じ保育園に通っています。朝が早い仕事もそこまで多くないので、基本的には、保育園の送りは僕の担当です。保育園から帰ってきてからも、子どもたちが寝る21時ぐらいまでは、一緒に遊んだり、おふろに入ったり。家もそんなに広くないので(笑)、子どもたちが寝るまでは常に一緒にいる感じです。
週末に僕が休みのときは、家族で近場に出かけたり、公園に遊びに行ったりすることが多いです。朝から出かけて、昼過ぎには家に帰ってきて、子どもたちにはお昼寝をさせます。そこからは家で過ごすことが多いですね。
遠出もしたいんですけど、あまり無理をすると子どもたちが体調をくずしてしまうので。僕たち夫婦は共働きなので、子どもたちの急な体調不良などに対応するのがとても大変で・・・。週末はあまり無理をしないで、体調を整えることを優先にしています。
僕が仕事の日は、妻がワンオペで子どもたちを見てくれます。逆に妻が仕事の日は、僕が1人で子どもたちを見ることも。2歳差ということもあって、とくに2人目が生まれてからは大変でした。寝かしつけにしても、1人が寝たと思ったら、もう1人が泣き始めたりとか(笑)
上の子は4歳になり、1人でできることも増え、最近は妹の面倒も少し見られるようになってきました。だから、ワンオペでも少し楽にはなってきているので、ここからに期待です!
――子どもたちとは、普段どんな遊びをしていますか?
ひょっこりはん 家では、よく絵本を読んだり、お絵かきをしたりしていますね。あとは、パズルやブロック、ごっご遊びも(笑)。なるべく子どもたちと僕の3人が一緒に楽しめる遊びをするようにしています。ただ、どうしても下の子に合わせることが多く、お兄ちゃんにつき合ってもらうことになってしまうんですけどね。逆に絵本を読むときなどは、下の子にとってはまだ早いかな〜ということも。2歳差で一緒に遊ぶのが、ちょっと難しいなと感じることもあります。
これは、2人とも一緒に楽しめる遊びなんですが、家族が寝ている布団を使って遊ぶことも。マットレスを折りたたむと、小さなステージっぽくなるので、そこに子どもたちを上がらせます。そこでマイクを渡して音楽をかけてあげると、自由に歌ったり踊ったりするんですよ。たまに、僕ものぼったりします(笑)
――絵本を読むときは、ひょっこりはんさんらしさを加えたりするんですか?
ひょっこりはん 本の中には出てこないエピソードを加えちゃったり、少しオーバーに読んでみたりなど、いろいろと工夫しています。擬音が多い絵本だったら、ほかにも擬音をつけ加えたりして、話をより広げるようにしているんです。
あとは、寝かしつけのときに、子どもたちに好きなキャラクターを挙げてもらって、それを登場させて作り話をするんです。ちなみに、わが家では「おくち映画」と呼んでいるんですけど。僕がその場でストーリーを作りながら話していくと、子どもたちもそれに加わってきて、また違った展開になることもあって、それも楽しいんです。
おもに僕が寝かしつけ担当のときに、このおくち映画をやるんですが、子どもたちは全然寝なくなります(笑)。僕の遊びになると、2人が興奮してしまうのが、ちょっと困ったところではあるんですけどね。
本当は、寝る前の遊びのときにも、いろいろ楽しいことをやってあげたくなっちゃうんですけど、そうするとなかなか寝てくれなくなるので、そこは抑え気味にやってます(笑)
――「はい、ひょっこりはん」のネタも、子どもたちは好きですか?
ひょっこりはん 好きですよ。やっていることは、「いないいないばあ」ですから(笑)。本能に刺さるんじゃないかと思います。
子どもたちから「やって〜」と言われるとやります。ただ、やりすぎると興奮しすぎて眠れなくなっちゃうので、これも控えめにしています(笑)
僕が家に帰ってくるときに、「はい、ひょっこりはん!」して3人を驚かせようと試みるんです。でもだいたいいつも気づかれて、子どもたちが「おかえり〜」と来てくれちゃうので、なかなかかなわないんですけど。
1人目はギリギリのタイミングで立ち会いでき、2人目はオンライン立ち会いも経験
――妊娠がわかったときはどんな気持ちでしたか?
ひょっこりはん 最初に子どもができたとわかったときは、とにかく喜びが大きかったです。ただ、妊娠がわかってすぐに、妻はつわりがひどくなってしまって・・・。何も食べられないし、水のにおいもダメで、けっこう重症で入院するほどでした。
「今日はこれが食べられたけど、次の日にはもうそれも食べられない・・・」ということの繰り返し。毎日、何か食べられそうなものを僕が買いあさってくる、みたいな生活でしたね。
出産予定日近くになって、マタニティフォトを撮ろうということに。せっかくだから、おなかにペイントをしようということになったんです。それを僕が担当することになって、まあ1時間ぐらいで描き終わるだろうと思って始めたら・・・めちゃくちゃ時間がかかってしまって!
たまたまだと思うんですが、ペイントしたその数時間後に破水して、そのまま赤ちゃんが生まれたんです。
1人目の反省をいかして、2人目のときはペイントシールを使うことに。タブレットで絵を描いてシールに印刷して、それをおなかに貼るという方法に変更しました。それで2人目のマタニティフォトも無事に撮影し終えたんですが、またそのすぐあとに生まれたんです。だから、僕がおなかにペイントすると、陣痛がきて生まれるのかもしれないです(笑)
――出産時の様子も詳しく教えてください。
ひょっこりはん 1人目のときは、コロナの影響で立ち会いできるかできないか、すごく微妙な時期だったので、立ち会いができたのは本当にうれしかったです。出産は和痛分娩を選択したのですが、陣痛の進みが早すぎたのか、結局かなりギリギリまで麻酔を入れることができなかったので、妻はかなりつらかったようでした。この世とは思えないぐらい叫んでいて、僕は何をしていいかもわからず・・・。「頑張れ」と声をかけようと思っても、「頑張ってるわ!」と言い返されそうな雰囲気でした。
妻がこれだけ大変な思いをしてくれたことを忘れないようにしようと、思わずスマホで録音をしていました。これを、けんかをしたときや夫婦仲がぎくしゃくしたときに聞くようにしているんです。そうじゃないときでも、妻への感謝とリスペクトを忘れないように、定期的に聞いています。
2人目のときは、コロナの影響が少し残っているかなという時期で、立ち会いはできませんでした。それで、オンライン立ち会いという形になったのですが、ちょうどその日はお笑いライブの日だったんです。
楽屋でずっとやり取りをしていて、もう赤ちゃんの頭が出かかっているというタイミングで、僕の本番が来てしまって。「やばいやばい、俺、見られへんやん!」という感じでそのままステージへ。なんとかネタは終わって、最後のコーナーライブも出て行ったんですが、「今、子どもが生まれそうなんですよ」と話すと、仲間たちから「おまえはいいから、行け!」と言ってもらえて(笑)。それで、画面越しに出産を見ることができました。赤ちゃんが見えたときは、めちゃくちゃ感動したのを覚えています。2人目も和痛分娩でしたが、長男のときとは違って、すごく静かな出産でした。
実は、病院側で「だんなさんの出番が終わるまで待ちましょうか」と、調整してくれたそうなんですが、妻はすごく待たされたみたいな印象だったようで、それも大変だったようです。
子ども2人とも、産後はNICUでお世話になりました。下の子は妻と一緒に退院できましたが、上の子は生まれてから呼吸が少し不安定で、妻が退院した後も1〜2週間はNICUに入院していたんです。当時は、妻と一緒に病院まで母乳を届けたりしていましたね。その後は無事に回復して退院でき、今では元気いっぱいです。
妻の仕事復帰をきっかけに、先をイメージしながら家事や育児ができるようになった
――子どもたちがもっと小さかったころ、夫婦での子育てはどうでしたか?
ひょっこりはん 1人目が生まれて、本格的に夫婦での子育てが始まってからの生活を振り返ってみると、その時期が一番大変でした。コロナの影響で仕事が減ってしまう状況でしたから、休んでいられないという気持ちのあせりもあって・・・。そんな中で、育休で家にいる妻に育児をどこまで任せるかという、そのバランスが難しかったんです。自分では、うまくバランスを取っていたつもりだったんですけど、のちのち聞いたら、妻はけっこうしんどかったようで。僕の様子を見ていて、「この人、大丈夫かな?」と思っていたとも言われました。僕も、あのころは心に余裕がなかったなと思います。
――奥さんは、いつから仕事を再開したんですか?
ひょっこりはん 2人目が生まれて少し落ち着いたころに、妻は仕事を再開しました。妻には夢があって、僕は妻にその夢をかなえてほしいとずっと思っているんです。だから、妻も仕事がしやすいように、「自分ができることは全部やろう」と、あらためて思った時期でもありました。お互いに、仕事のことは尊重し合えているかなと思います。
育児だけじゃなくて、洗濯や掃除などの家事などもそうですけど、「ここ、やっておいたほうがいいな」「妻が帰ってきて、ここが散らかっていたら大変だろうな」というのを、想像することができるようになりました。とくに2人目が生まれてからは、そうやって先のことをイメージしながら家事や育児をするようにしています。
料理だけは、キッチンがどうしても散らかってしまうので妻に任せていますが、料理以外は比較的やっています。
――パパとして、子育てする上で心がけていることはありますか?
ひょっこりはん 教育論とか見たり読んだりしていると、自分の中で「わあ〜〜〜〜」ってなっちゃうんですよ(笑)。「あれがいい」とか「これはダメ」とか、いろいろな情報があふれていて、結局何をするのがいいのかわからない、みたいな。そういう教育論的な情報と、目の前で繰り広げられる現実の育児が、なかなかうまく結びつかないなと。
それで、父親の心構えとしては、子どもたちが笑っている回数が多ければいいのかなと思うようにしています。あとは、子どもが大きくなってからも相談事を気軽に話してくれるような、信頼される関係性でいたいなとは思っています。そこはすごく意識しています。
こういった子どもたちに対する思いは、今は妻と共有しています。ただ、最初のころはそういう思いの共有ができていなかったんです。というのも、1人目のときは、子どもと向き合っているバランスが妻のほうが圧倒的に大きかったので、「こうしたほうがいいんじゃない?」と僕に言われても、妻にしてみたら「やっていないから言えることでしょ」となってしまうんじゃないかなと思っていて。だから、当時はすごく言葉を選んでいました。
ただ、2人目が生まれてからは、父親として子どもたちとかかわれる時間も増えてきて、そうなると自然と話し合いも増えた気がしますね。妻の職場復帰が大きな転機になったと思います。
生活のペースをつかんだことも大きいと思います。妻が仕事に復帰する前は、僕は自分のペースで寝たり起きたりをしていたのですが、妻が仕事に復帰してからは、夫婦一緒に家事や子育てをするペースが整ってきたのかもしれないです。
お話・写真提供/ひょっこりはんさん 取材・文/内田あり(都恋堂)、たまひよONLINE編集部
夫婦共働きの忙しい日々の中でも、子どもたちの笑顔を大切にしているひょっこりはんさん。コロナ下の影響が大きかった1人目育児では、仕事でも生活面でも不安を抱えながら、夫婦で気持ちの共有が難しかったそう。一方で2人目育児では、パートナーの仕事復帰をきっかけに生活のペースをつかみ始め、またお互いを思いやる気持ちを持つことで、うまく回すことができるようになったと言います。
後編では、大学のお笑いサークルから芸人になるまでの話や、陰でずっと支えてくれた家族のことについて聞きます。
ひょっこりはんさん
PROFILE
1987年、滋賀県出身。早稲田大学のお笑いサークルに所属し、卒業後はNSC東京校に18期生として入学。2013年から2016年3月まで漫才コンビ・ダイキリ(のちにトロフィーズに改名)として活動。2018年元旦放送の『ぐるナイ おもしろ荘』(日本テレビ系)の出演がきっかけで、物影からひょっこりと顔を出すネタが話題に。2019年に一般女性と結婚、2020年8月に男の子、2022年9月には女の子が誕生し、2人の子どものパパに。
赤坂アクトシアターでロングラン上演中の舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』にロン役で出演中!
●記事の内容は2025年4月の情報で、現在と異なる場合があります。