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1児の母、元宝塚・天咲千華。夫は志摩ノ海関。「やせてないときれいじゃないってだれが決めたの?」。摂食障害で生理が止まったことも

更新

お宮参りのときに、写真館で記念写真を撮りました。

大相撲力士・志摩ノ海関と結婚して1人娘を育てている、ヨガインストラクターの天咲千華さんは、元宝塚女優です。タカラジェンヌとして活躍中のころは、とにかくやせることばかり考えていたそう。宝塚を退団後に自身が摂食障害になっていたことがわかり、そこから健康について考えなおしたそうです。その後ヨガインストラクターの道に。全3回インタビューの2回目です。

▼<関連記事>第1回を読む

宝塚時代の忘れられない思い出とは?

「あまちゃき」の愛称で親しまれた天咲さん。2011年惜しまれながら宝塚を退団しました。退団のときの写真。

――宝塚時代で一番の思い出はどんなことでしょうか。

天咲さん(以下敬称略) 2011年の退団公演が思い出深いです。4月24の東京公演千秋楽をもって、宝塚歌劇団を退団することになっていましたが、3月11日に東日本大震災が起こり、公演をしてもいいのかどうか、私たちの中でも葛藤がありました。そんな中で初日を迎えましたが、幕が上がった瞬間に今まで聞いたことがない拍手をお客様からいただきました。6年間、舞台に立たせてもらっていましたが、経験したことのない感覚を覚え、自然と涙があふれました。あのときのことは今でも忘れられません。

――2011年はいろんな公演やイベントが中止になった年でしたね。

天咲 楽屋に被災地の方からお手紙をいただきました。「自分の好きな宝塚がどこかで今も変わらず上演されているかと思うと力がわきます」という内容でした。これで私は宝塚を退団してしまうわけですが、それでも宝塚歌劇団に所属できて本当によかったなと感じました。このことは今でもことあるごとに私の中で回想されるできごとです。

終わりのないダイエットの日々

退団後、極端なダイエットをした天咲さん。ウエディング雑誌のモデルの仕事の話しがあり、そのプレッシャーなどからかなり食事を制限して撮影に臨んだそうです。

――順風満帆なような天咲さんの宝塚時代ですが、「私だけが太っている」と思ったこともあったそう。

天咲 宝塚に入団後、まわりを見渡すとみなさん細くてきれいな方ばかりでした。父親が力士という自分の背景もあり、「私だけが太っているし、私だけがきれいじゃない」と徐々に自信をなくしていきました。
そして「やせたね」って言われるたびに、心の中でほっとしていました。

――当時はどんな心境だったのでしょうか?

天咲 もともとは男役でしたが、途中から娘役に転向しました。娘役になると身長が高いほうなのでそれだけでも大きく見えてしまいます。だからこそ、細くならなきゃいけない、やせなければいけないと思うようになっていきました。ダイエットをすると上半身はやせるのですが、骨格の問題だと思いますが下半身は自分の思うようにはやせず、そこから終わりのないダイエットが始まったような気がします。

――食事制限をしていたのですか?

天咲 もともと食べることは大好きでした。それがやせなければいけないという思いから知識がないまま炭水化物をとらない、とにかく少量で抑えるなどしていましたが舞台に立つとエネルギーを使うので公演が終ったら食べる、始まると食べないと「過食」と「拒食」を繰り返す状態でした。

「結婚して、子どもがほしい」という思いが自分の背中を押してくれた

「かわいいポーズ」を覚えた娘さん。「見るたびに幸せな気持ちになれるので、スマホの待ち受けにしています」と、天咲さん。

――公演中に倒れてしまうことはなかったのですか?

天咲 公演が始まり、舞台に立つと気持ちが張っているので倒れるようなことはありませんでした。宝塚退団後のほうが実は体調を崩してしまいました。退団してから一気に太ってしまうのではないかと心配になってしまい、家に引きこもり、何も食べない状態が続いてしまったんです。そのときに自分の人生で最低体重を記録してしまい、さすがに心配になってクリニックに自分から駆け込みました。

――それは何歳のときの出来事ですか?また、医師からどんな診断をされたのでしょうか?

天咲 24歳のときのことです。医師からは「摂食障害」であること、そしてこのままいくと命の保証はありませんとはっきり言われました。そこで「このままじゃいけない」と思い、そこから「健康」や「見た目」について自分の課題と向き合うようになりました。

――家族に付き添ってもらって受診したのでしょうか?

天咲 両親も娘が引きこもって食べないので心配してくれていました。ただ当時の私はそのことを口に出して相談してしまうとすべて崩れてしまうような精神状態だったので、なんとか自分でどうにかしたいと思い、1人で受診をしました。

――自分の力で一歩歩み出すことは、覚悟が必要だったのではないでしょうか。

天咲 私は昔から「やせれば幸せになれる」、「やせれば自分のことを好きになれる」と思い込んでいた節があります。だから頑張って自分が満足いくほどやせました。しかし、ぜんぜん幸せでないことに気づいたんですね。「やせたのにどうして?」、「私このままじゃ幸せになれない」と思うようになり、葛藤に葛藤を重ねた末に思いきって自分の力でクリニックの門をたたくことにしました。

――当時の天咲さんの思う「幸せ」とはどんなことだったのでしょうか?

天咲 私には、結婚して子どもがほしいという気持ちがありました。摂食障害になり、生理が止まってしまったのでこのままだと子どもがもてないかもしれないという気持ちから「幸せになれない」と感じたのかもしれません。

ヨガに出会えたことで「見た目」は関係ないということがわかった

天咲さんヨガ中の写真。産後にできなくなったポーズも多かったそうですが、コツコツと練習をして・・・。

――現在ヨガのインストラクターをされていますが、ヨガとの出会いについて聞かせてください。

天咲 宝塚退団後、拒食と向き合い少しずつ克服していく段階のときに突然、首が動かなくなってしまいました。そこで毎日、ブロック注射を打ちにいっていたのですが、そのときに医師からヨガをすすめられました。
退団後、まったく運動をしていなかったので体を動かしたいなという気持ちがあり、レッスンを受けにいってみました。初めての体験に行ってみたところ、そのときの先生がヨガ哲学も教えてくださる先生で、先生に「ありのままの自分を受け入れ、認めていますか?」と問われて衝撃を受けました。

――これまでの天咲さんにはない考え方だったのでしょうか。

天咲 これまではだれかにジャッジをされ、自分自身もジャッジしてきていたので「ありのままの自分」という言葉が新鮮で驚きでした。そこからヨガ哲学を勉強したいと思うようになりました。しかし当時、ヨガ哲学はインストラクターの養成講座でしか学ぶことができませんでした。だれかにヨガを教えたいと考えていたわけではありませんでしたが、養成講座を受けることにしました。これが私とヨガの出会いです。

――現在ではヨガのインストラクターになりました。女性の美と健康についてどんなふうに感じていますか?

天咲 さまざまな経験を踏まえ、多くの女性ともかかわってきて、そして今の年齢に達し思うことは「見た目」は関係ないということです。サンスクリット語に「サットヴァ」という純粋性や平和、調和という意味を表す言葉がありますが、このサットヴァの状態こそが人として輝き、美しい状態だと思うようになりました。

――「サットヴァ」の状態、というのは、どうやれば気づけるのでしょうか。お手本のような人はいますか?

天咲 それはまさに赤ちゃんです。赤ちゃんこそ純粋で平和的なバランスが取れている存在だと思います。もし今、自分に自信のない方がいたら、自分のことを「赤ちゃんを扱うように」大切にしてあげてほしいと思います。そうすると心から美しく、健康的な状態になれると思います。

▼続きを読む<関連記事>第3回

宝塚を退団後もやせることへの思いが強く、摂食障害と診断されるほど苦しんでいた天咲さん。ヨガとの出会いが天咲さんのその後の人生を大きく変えることになります。
インタビューの3回目は、志摩ノ海関と出会って、長女が生まれるまでのことを聞きます。

天咲千華さん(あまさきちはな)

PROFILE
1987年生まれ、東京都出身。2006年宝塚歌劇団に92期生として入団する。入団したその年に『NEVER SAY GOODBYE 』で初舞台を踏む。2011年に退団した後は、ヨガインストラクターとした活動を開始。2021年には志摩ノ海関と結婚し、現在は1児の母。プロデュースした商品には柔ら美人シリーズ『開脚ベター』『股関節ショーツ』があり、シリーズ累計4万個売り上げ。著書に『タカラジェンヌの身体になりたい(祥伝社)』がある。

天咲千華さんのHP

天咲千華さんのInstagram

●記事の内容は2025年7月の情報で、現在と異なる場合があります。

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