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俳優・宮沢氷魚、絵本の翻訳をしながら改めて感じたこと。「1人では生きていけない、身近な存在が大切」

更新

絵本出版記念のトークイベントでの宮沢さん。(公式Instagramより)

俳優として国内外で活躍し、日本語と英語のバイリンガルでもある宮沢氷魚さん。やわらかな雰囲気と透明感をもち、演技力も高く評価される宮沢さんが、この度初めて絵本の翻訳にチャレンジしました。絵本の翻訳の際に考えたことや、宮沢さん自身の幼少期のこと、理想の父親像などについて聞きました。全2回のインタビューの後編です。

▼<関連記事>前編を読む

自分にとって本当に大事なものに気づいた

くじらのハンフリーの歌で、海の仲間たちが思いやりの気持ちに気づくシーン。

――今回翻訳した絵本『ほしがりやのクジラ』の中で、とくに気に入っているシーンや言葉はありますか?

宮沢さん(以下敬称略) 本当にすてきな絵本なので読むたびに変わる気もしますが、最近は“海の歌”のページが一番好きです。主人公のくじら・ハンフリーが孤独な人生を歩んできた中で、初めて「1人では生きていけない」と感じる場面です。
海の中で共存している生き物たちが、それぞれの力を持ち寄って生きていることに気づく瞬間で、ハンフリーだけでなく、海の環境に住むすべての生物にとっても大切な気づきが描かれています。

――今回の絵本は「幸せ」についての物語でもありますが、宮沢さんにとっての幸せとはどんなものでしょうか?

宮沢 僕自身も主人公・ハンフリーのように「何かがたりないと不安になる」時期があり、欲しいものを手に入れたり、たくさんの人とつながることで心が満たされるような錯覚に陥ったこともあります。でも手にすることでの責任や人間関係の複雑さに、かえって窮屈になってしまったんですよね。そんな経験を通して、自分にとって本当に必要なもの、大切にしたいものを見極められるようになったと思います。

友だちや家族や仕事仲間などの身近な存在が、実はいちばんの幸せだったんだと気づいたとき、すごく満たされた気持ちになりました。あるかどうかもわからない幸せを追い求めていたころには見えなかったものが、今でははっきりと見えるようになった気がします。

愛情深く、厳しさもある父親が理想

――宮沢さんの幼少期、両親との思い出深いエピソードがあれば教えてください。

宮沢 家族との食事の時間はすごく楽しかった記憶があります。両親は食事の時間をとても大切にしていました。今も実家に帰ると家族みんなで食卓に集まって、楽しく会話しながら食事をするんです。家族とのコミュニケーションの場でもあるし、僕にとって癒やしの時間にもなっています。

――NHK大河ドラマ『べらぼう』での渡辺謙さんとの親子役も印象的でした。宮沢さんにとって理想の父親像とはどんなものですか?

宮沢 『べらぼう』で渡辺謙さんが演じた父親像もそうですが、僕の父も愛情深く、厳しさもある父親です。父の厳しさは今の自分にすごくいきていると感じています。

子どものころの経験が今の自分につながっている

宮沢さん7歳ごろ写真。逗子マリーナのお祭りに行ったときの様子です。

――宮沢さん自身が俳優という道を選んだ理由について教えてください。

宮沢 親の姿を見て育ち、子どもながらに、表舞台に立つことへのあこがれがあったんだと思います。勉強もスポーツもいろんなことに挑戦しましたが、最終的にはあこがれの道に進みたい気持ちが強くなり、20歳になる少し前に本格的に挑戦することを決めました。

僕自身、子どものころに見た景色や経験が、今の自分につながっていると感じています。
グローバル化が進んだ現代では、日本だけでなく世界中で自分の可能性を試せる環境が整っています。可能性が多すぎて、自分が何になりたいのかわからなくなる時期もあるかもしれません。僕自身もそういう時期がありました。でも、やりたいことは必ず見つけられると思うので、子どもにはいろんなことを経験してチャレンジする環境を作ってあげたいですね。

――バイリンガルの宮沢さんは頭の中で日本語と英語をどうやって使い分けているんですか?

宮沢 僕の場合は生まれたときから母は英語で、父は日本語で話してくれる環境で育ったので、言語を学んだという感覚がないから、使い分けもほとんど意識したことがないんです。英語で聞いたことは英語で理解して、英語で考えて伝える。日本語も同じです。

――たとえば、夢はどちらの言語で見ることが多いですか?

宮沢 登場人物によって変わります。学生時代の友だちの夢は英語だったり、仕事の夢は日本語だったり。日本語と英語が両方出てくる夢もありますよ(笑)

――今後、海外での活動についても視野に入れていますか?

宮沢 これまでも視野に入れて活動してきました。自分がチャレンジしたいと思える作品との巡り合わせのタイミングもあると思いますが、着々と準備は進めています。理想としては、30代前半のうちに何か1つ形にできたらいいなと思っています。

長期休みは日本とアメリカにいる祖父母のもとで過ごした

――宮沢さんは、ドラマ『コウノドリ』(2017年TBS)で俳優デビューしました。研修医・赤西吾郎役を演じた際、NICUを見学したそうです。どんなことを感じましたか?

宮沢 クランクイン前に見学して、赤ちゃんたちからとってもパワーをもらいました。赤ちゃんが生まれて、呼吸をして一生懸命生きているだけでもすごいこと。命が生まれることは本当に奇跡だと思います。

それに、親御さんたちが自分の子どもを励まし続ける姿はきっと一生忘れないと思います。医療従事者の皆さんのあきらめない姿勢にも心を打たれました。人生であきらめたくなるような瞬間があっても「こんなことであきらめちゃだめだ」と奮い立つ気持ちになります。

自分にできることは限られているかもしれませんが、『コウノドリ』という作品を通して、生まれてくる奇跡や、医師たちがどんな思いで向き合っているのかを伝えていきたいという覚悟につながりました。

――宮沢さん自身は子どものころに両親以外の人と過ごした思い出はありますか?

宮沢 父方の祖父母は日本に、母方の祖父母はアメリカに住んでいました。幼稚園から小学生くらいのころは、夏休みの2週間ほど僕たち子どもは祖父母のところで過ごし、親はオフの時間を過ごしていたようです。アメリカにも年に数回行っていましたが、母の兄弟や祖父母が僕たちを見ている間、母はゆっくり買い物を楽しんでいたようです。

育児って、本当に正解がないものだと思います。それぞれの家庭に合ったやり方があるし、100%正しい方法なんて存在しませんよね。

お話・写真提供/宮沢氷魚さん 取材・文/早川奈緒子、たまひよONLINE編集部

現在31歳の宮沢さん。これからの仕事について聞くと「年齢を重ねるごとに役の幅は広がっていくと思う。自分のやりたいことを見定めて深みのある作品作りをしていきたい」と話してくれました。

宮沢氷魚さん(みやざわひお)

PROFILE
1994年4月24日生まれ。アメリカ・カリフォルニア州出身。2015年モデルデビュー、2017年ドラマ『コウノドリ』第2シリーズで俳優デビュー。以後、ドラマ 『偽装不倫』、NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』ほか、話題作に出演し続ける。 初主演映画『his』では、4つの新人男優賞を受賞、映画『騙し絵の牙』では、第45回日本アカデミー賞新人俳優賞受賞、映画『エゴイスト』では、第16回アジア・フィルム・アワード助演男優賞受賞など、数々の賞を受賞。2025年NHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』では田沼意知役を演じた。主演映画「佐藤さんと佐藤さん」が11月28日に公開となる。

宮沢氷魚さんの公式サイト

宮沢氷魚さんのInstagram

『ほしがりやのクジラ』

主人公のクジラ・ハンフリーは自分の心を満たすものを探して広い海を冒険する。ハンフリーが本当に欲しかったものに気づく感動の物語。レイチェル・ブライト・文、ジム・フィールド・絵、宮沢氷魚・訳/1760円(トゥーヴァージンズ)

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