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歌手・MISIAの子ども支援への想い。「お互いに学び合えたら、もっと世界はよくなるんじゃないかな」

更新

2018年、ケニアの首都のスラムにある学校を訪れているMISIAさん。

国民的アーティストで、東京オリンピック開会式では日本国歌を独唱したMISIAさん。社会貢献活動にも積極的で、とくにアフリカでの活動には精力的。アフリカの子どもや若者の教育支援などに15年以上たずさわり、アフリカで得た経験を日本の子どもたちにも伝える活動もしています。2025年夏には、「もっとアフリカを知ってほしい」「小さいころからアフリカに触れてほしい」と2冊目の絵本を出版。MISIAさんに子ども支援への想いについて聞きました。
全2回取材の後編です。

▼<関連記事>前編を読む

アフリカ、そして世界中の子どもたちの支援を

2019年、ザンビアの難民キャンプを訪ねて。

――MISIAさんは、アフリカの教育支援、ひいては世界中の子どもたちの教育支援に積極的です。アフリカとの最初のつながりを教えてください。

MISIAさん(以下敬称略) 音楽的に影響を受けたソウル・ミュージックのルーツがアフリカにあるので、もともと関心をもっていました。また「We Are The World」や「Do They Know It’s Christmas?」といった楽曲を通じて、子どものころから貧困問題というものにも触れていました。

関心をもって学ぶ中で、アフリカだけでなく世界中で起きている貧困問題や紛争問題、そして環境問題などのさまざまな問題はすべてつながっていると考えるようになり、いろんなことを知りたくなりました。私の活動は「支援」という言葉で語られることが多いのですが、一方的に助けるというよりは、「互いに学び合えたら、もっと世界はよりよくなれるんじゃないか」という思いで活動を続けています。世界を知ることは、自国を知ることにもつながります。

私はアフリカとのかかわりを通して、自分が「教育」を受けられてきたことによる恩恵にあらためて気づかされました。

学ぶことで、見えてくる景色はすいぶんと違ってきます。知識を得ることは意識や行動につながるので、世界の問題を知っていくこと、そしてたくさんの素晴らしいものを知っていくことはとても大切だと感じて、多く人たちにそれを知ってもらうための活動を続けるようになりました。

――MISIAさんが、一番初めに訪れたアフリカはケニアでしょうか?そのときのこと、感じたことを教えてください。

MISIA はい、2007年に初めてケニアへ行きました。お恥ずかしい話ですが、実は最初は貧困問題だったり、マラリアなどの疾病や感染症だったり、そういったかたよったイメージを抱いた状態でアフリカを訪れました。
しかしアフリカの地に降り立ったときは、4月に行ったということもあり、過ごしやすそうな気候だなというのが最初に感じたことでした。ナイロビ空港は隣に国立公園があり、飛行機から降りてすぐにフェンスの向こうの保護区を歩いているキリンの姿を見かけて少しビックリしました。

そして、スラムなどの厳しい環境の中で暮らしている子どもたちにも出会い、そのたくましさや優しさにもたくさん触れました。貧しさゆえに親に捨てられてしまった子どももいました。けれど一方で、自分たちも食べるものに困るほど厳しい環境にいるのに、捨てられた子どもを自分の子どもと同じように愛して、世話をしている人たちもいました。豊かな大地に、豊かな文化、豊かな音楽・・・。たくさんの素晴らしいものに触れました。

本当のことが知りたい、貧困問題とは何かを知りたい、そんな気持ちでアフリカに行ったのに、ますますわからなくなりました。こんなに豊かな場所なのに、どうして?と。そして、まずは学ぶところから始めよう、学んだことを日本の人にも伝えよう、一緒に考えようと思うようになりました。

「学び合い、一緒に喜び合えること」の大切さ

2025年夏、マダガスカルで子どもたちと交流を。

――具体的な支援活動はどのように続けられているでしょうか?

MISIA たくさん語ってしまいましたが、最初のアフリカ訪問ではそれくらいさまざまなことを考えさせられました。

ケニアでは実際に小学校をサポートしている方とも出会えたので、その方を通じて給食をサポートしたり、セカンダリースクール(日本でいう高校)への進学をサポートしたり、子どもたちのお母さんが作った商品をグッズとして売って、仕事をサポートしながら日本の人にもアフリカのことを知ってもらったり。「学び合い、一緒に喜びを感じ合えること」を大切に活動してきました。

こんなに長く活動を続けられているのは、学び合い、共に喜び合えることが軸にあるからです。数年前にエシカルショップをオープンしたのですが、そのお店でもスラムで暮らす子どもたちのお母さんたちが作った商品を取り扱っています。

絵本に出てくるキャラクターグッズの売り上げも子どもたちの教育支援に使われますが、絵本もまさに「共に喜び合える」ことがあるから、書いていてうれしい気持ちになります。

――これから、日本とアフリカの関係がどのようになっていくことがいいと考えていますか?

MISIA 互いを知り、互いを敬い、仲よく、この地球で共に生きていけたらいいですね。そのために、それぞれが学び、自分の答えを出していくことが大切だと思います。

バースデーチャリティーで、喜びや幸せをサポートの形に変えたい

国立成育医療研究センターの1階総合案内付近に飾られた七夕の笹飾り。

――2025年7月7日のMISIAさんのお誕生日に、国立成育医療研究センター七夕飾りを寄贈されたと聞きました。こちらについてのMISIAさんのお気持ちを教えてください。

MISIA 2017年からバースデーチャリティーというものを実施しています。
すごく大まかに説明すると、誕生日はだれかに祝っていただけたり”おめでとう”と言っていただけるだけで幸せなので、私へプレゼントを贈っていただく代わりに、そのお金を困難な状況にある方へと寄付したり、だれかのための行動へつなげてもらうことで、誕生日という特別な日に感じる喜びや幸せをさまざまなサポートの形に変えていけたらという想いから始まった取り組みです。

私の誕生日は7月7日、七夕なんです。今年はどんなバースデーチャリティーがいいかを考えたときに、これまでにもさまざまな支援を続けてきた国立成育医療研究センターの方々が、つらい治療をしている子どもたちやご家族、そして一緒に頑張っている医療チームの皆さまにとって、心が癒やされたり、明るい気持ちになるような企画はとてもうれしいとおっしゃっていたことを思い出しました。

そこで、病棟で入院中の子どもたちが楽しめるように中庭に天の川のイルミネーションを展示しながら、エントランスには笹飾りを設置し、通院している子どもたちやそのご家族、病院のスタッフの方々などが短冊に願いごとを書いて自由に参加してもらえるような形でバースデーチャリティーを実施することにしました(大変多くの方々にご参加いただきました)。

――国立成育医療研究センターでは「アイノカタチ基金」とMISIAさんの楽曲のタイトル由来の寄付基金もありますね。

MISIA はい、バースデーチャリティーでも私のファンクラブの会員の方々に短冊を1枚500円で買っていただきイベントに参加してもらいながら、短冊の購入が成育医療研究センターの「アイノカタチ基金」への寄付につながるようなプロジェクトにしたので、そこで集まった寄付金は「アイノカタチ基金」へ寄付しました。

短冊には「びょうきが早く治りますように」「おともだちも治りますように」「大きくなれますように」「娘の頑張りが報われますように」「孫が元気になりますように」など、さまざまな願いごとが書かれていました。

また、これまで実施してきたDream Ticket Project(子どもたちをライヴに招待するプロジェクト)という活動や、ライヴの演出で使ったライオンのオブジェをセンターに寄贈したことへの感想を短冊に書いてくれる子どももいて、「センターに来るたびにライオンに会えるのを楽しみにしています」「ライオンを見るたびに招待してもらったライヴを思い出しています」「ガオってしにいくと言って病院に向かってくれます。笑顔になれる時間を作ってくれてありがとうございます」など、子どもたちや親御さんから感想をいただき、胸がいっぱいになりました。
   
お話/MISIAさん 写真提供/株式会社リズメディア 取材・文・構成/たまひよONLINE編集部

アフリカ開発会議の大使なども歴任し、日本とアフリカの関係発展にも尽力しているMISIAさん。今回出版した2冊目の絵本は、「子どもたちはもちろん大人にも読んでほしい」と言います。読み終わったときには必ず発見があることでしょう。

MISIAさん

PROFILE
1998年に「つつみ込むように…」で歌手デビュー。数多くのヒット曲を持つ日本の国民的歌手。づ社会貢献活動にも積極的で、長年にわたり、生物多様性の啓発活動や国内外の子どもたちの支援などに取り組む。とくにアフリカで子どもたちの教育支援などに精力的に取り組み、子どもや若者の教育支援などに15年以上携わっている。

『ハートのレオナとエレナ』

長年アフリカの子どもたちへの支援を続け、アフリカへ心を寄せてきた歌手・MISIAさんの2作目の絵本。双子のライオンがアフリカをまわりながら、「なんだろう?」「どうしてだろう?」という小さな気づきから始まって、生きていくうえでのさまざまなことを経験していく物語。MISIA・作 佐藤真生(MAO)・絵/1800円(MCML・ポプラ社)

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