鈴木ちなみ、シンガポールで第3子を出産。病院に着いたころには、子宮口が8センチ!シンガポールでの出産は超スパルタ!?
4歳、2歳のお子さんたちに、生まれたてほやほやの生後1カ月の第3子が加わった、鈴木ちなみさんファミリー。家族でシンガポールに移住したのは2022年のこと。海外での子育てにもすっかり慣れてきたそうです。今回は、3人目の妊娠について、またシンガポールでは2度目となる出産について聞きました。
全2回インタビューの前編です。
計画的に妊活して2歳差で出産。念願だった、自分と同じ干支の子がやってきてくれた!
――2025年9月に第3子が誕生して、今はどんな毎日ですか?また、お子さんは3人という気持ちがもともとあったのでしょうか?
ちなみさん(以下敬称略) 一番下の子は、今ちょうど生後1カ月ぐらいになりますが、まだ本当にふにゃふにゃな時期(笑)。上の子たちは、赤ちゃんのことをすごくかわいがってくれていて、忙しい日々ですが、子どもたちの成長も感じられます。
結婚したときから、子どもは3人ほしいなという気持ちがありました。というのも、私が3姉妹で育っていて、それがとても楽しい記憶として残っているからです。夫にも、「子どもが3人ぐらいいたら楽しいよね」と伝えていて、賛成してくれていました。
あとは、年齢的なこともあります。夫は私よりも年上だし、私も今年で36歳。なるべく早く、1年でも数カ月でも体が元気なうちに出産して、子育てできればいいなと思って、タイミング法で妊活をしました。1人目も2人目のときも、生後8〜9カ月ぐらいから断乳をして、計画的に妊活をしたんです。
――ちょうど、2歳差での育児になります。2歳差での育児は、どうですか?
ちなみ ありがたいことに、4歳、2歳、0歳児と2歳差で授かることができました。2歳差での子育ては、最初はやっぱり大変です!でも、最近は真ん中の子も自分でごはんが食べられるようになってきたし、自分である程度は動けるようになってきているので、まだまだ手はかかるし目も離せないですけど、「2歳差なら頑張れそうかな」という気持ちになって、妊活を始めました。
あと、これは私が若いころからの夢ではあったんですが。私が巳年で、母も巳年、家族に巳年がたくさんいるので、同じ干支の子がほしかったんです。でも、24歳のときは仕事をバリバリしていたし、現実的ではなかったんですよね。ちなみに妹も、自分と同じ干支の子どもを産んでいるんですよ。
ただ、これは私の密かな夢であって、やっぱり子どもは授かり物なので、無理に頑張ってもしかたがないなという気持ちも。生理が来れば落ち込んじゃいますし、あまり執着しすぎてもよくないなと思っていたときに、ちょうど、巳年の第3子がおなかに来てくれたんです。
――真ん中のお子さんもまだ小さいうちでの妊娠生活だったと思いますが、どうでしたか?
ちなみ 子どもたちのお世話もあるし、日々やらないといけないこともあるから大丈夫かな…と思ってはいたんですけど。やっぱり振り返ってみると、安定期に入るまではしんどかったですね。吐いちゃったりとか、食べづわりとか、そういったひどい症状はありませんでしたが、体が重かったり、あまり外に出る気にならないという感じでした。子どもがいない間は、ずっと横になって寝ていました。
それでも週末には、子ども2人を外に遊びに連れて行かないといけないので、気合を入れて外へ。子ども2人を連れて荷物を持って、近くの公園へ行ったりと、そんな感じで過ごしていましたね。妊娠初期を迎えるたびに、おなかは全然出てないけど、今が一番体がつらい時期だし、みんなもっと休みやすくなればいいのになと思ってしまいます。
予定外の自然分娩で3時間の超スピード出産!「今までで一番回復が早かった」
――シンガポールでは2度目の出産ということで、産院選びや、バースプランはどのように考えていましたか?
ちなみ 産院は、第2子と同じところにしました。日本人の先生がいらっしゃるので、何かあったときに相談しやすく、安心かなと思って。迷うことなく、その産院一択でしたね。あとは、シンガポールは一般的に、2泊3日と短い入院期間なんですけど、ここの産院では食事が自由に選べたりと、楽しい入院だったというのも決め手でした。
バースプランはとくに決めていませんでしたが、通っていた産院ではパパがへその緒を切らせてもらえるので、今回もそれはお願いしました。
――3度目の出産は、どうでしたか?何か印象的なエピソードはありましたか?
ちなみ 上の子たちのときもそうだったんですが、無痛分娩を希望していて、事前入院からの計画出産を予定していました。でも、その入院予定の数日前に、自宅ですごくおなかが痛くなってしまったんです。「あ、このまま痛かったら病院に行こう」と思っていたら、だんだんと痛みが落ち着いてきました。ひと安心はしたものの、「今回は痛みがなくなったけど、もしかしたらこのまま出産になる可能性もある」と思って、入院直前にやるつもりだったベビーベッドの設置や、ベビー服の準備をして過ごしていました。
するとその2日後、さらに強い痛みがやってきて。これはもう耐えられない痛みだからとタクシーで夫と一緒に病院へ。なんと、すでに子宮口が8センチも開いていて(笑)!自宅での痛みは、すでに本陣痛だったみたいなんです。
第1子も第2子も計画無痛分娩で産んでいるので、本陣痛の痛みを知らないんですよね。ただ、今振り返ってみると、家で痛みがあったときに、「これってなんだか、2人目のときに分娩台の上で経験した感覚と似てるな・・・」と(笑)。これはおかしいぞ?と思って病院に行ってよかったです。
しかも、病院に着いて1時間で生まれるほどの超安産。もし、遠い病院だったら、病院まで間に合わなかったかもしれないです。家から病院まで近かったのも助かりました。
――無痛分娩での出産はできたんですか?
ちなみ それが、病院に着いた段階で、「これからすぐに麻酔を入れても、産まれるほんの直前にしか効かないから、麻酔はしなくていい」と助産師さんに言われてしまって・・・。「お願いだから麻酔を入れて!」と英語で訴えても、「No need!」と。麻酔のない出産を第3子で初めて体験しました。
さらに、そのとき担当の先生がいらっしゃらなくて。「当直の先生しかいないけど、担当の先生を待つか、当直の先生にするか、どっちがいい?」と言われたんですが、私は「もう、どっちでもいいから〜」と訴えました(笑)
自然分娩での本陣痛は、本当に痛くて痛くて・・・。うまくいきめなくて、「I can’t!I can’t!」と叫んでいたら、助産師さんに「No!!!」とあっさり言われました(笑)。赤ちゃんが出てこようとしているのはわかるんですが、麻酔ができないという想定外のことが起こって、私も少しパニックになり、いきむことがなかなか難しかったんです。陣痛が来る間もずっと震えているような感じでした。
ただ、自分がいきまないと、ずっとこの痛みが続くし、赤ちゃんも苦しくなっちゃうし。「あなたがいきまないとダメだから」と訴えるような、助産師さんの本気の目から、無言のプレッシャーを感じてハッと我にかえりました。助産師さんに、「鼻と口で息を止めて、ギュッとプレッシャーをしていきむんだ」と言われて、そのとおりにやってみたら、つるんと出てきてくれて! 出てきてくれたときは、大仕事を終えたなという感じでした。
めちゃめちゃ痛かったんですけど、「赤ちゃんに会えると、痛いのを忘れる」ってみなさん言うじゃないですか。まさにその言葉どおりという感じでした。赤ちゃんはかわいいし、愛しいし、「無事に生まれてきてくれてありがとう」という気持ちがあふれました。
立ち会った夫からは、「つらそうだったけど、よく頑張ったね」と(笑)。結果的には、超安産での出産で、本当にあっという間にお産が終わってしまった感じでした。
――たまひよONLINEの以前の取材で、第2子をシンガポールで出産した際に、胎盤を持ち帰るかどうかの選択肢を聞かれたというエピソードがありました。「次に出産の機会があれば・・・」と話していましたが、今回はどうしましたか?
ちなみ 第2子の出産が終わったあとに、自分でいろいろ調べてみました。胎盤に関しては、マレー系の家庭では、家に持ち帰って調理して食べることもあるそうですし、加工してサプリメントにしてもらえるサービスもあります。それで今回は、胎盤をサプリメントにしてもらおうと考えてはいたのですが、急きょの出産になってしまったので、業者さんに申し込みをするタイミングを逃してしまい・・・。出産が終わったら、胎盤を数時間だけ病院で保管してもらえて、それを業者さんに取りにきてもらうための申し込みが必要だったんです。
シンガポールでは、このようなオプションがついているのが一般的です。今回も、分娩台に上がったときに、「胎盤はどうする?」と聞かれました。ただ、突然の出産になってしまったことで、自分の中で決断をしたり、業者に手配をする時間がなく、活用することはできませんでしたが、このあたりは日本での出産との違いを感じます。
――初めて自然分娩を経験してみて、どうでしたか?
ちなみ 無痛分娩と自然分娩の違いは、やはり、痛みがないという1点です。今回はありがたいことに、本陣痛が来てから3時間での出産だったんですけど、これが十何時間と長くなるようなお産だった場合、絶対に無痛がいいなと思いました。麻酔なしで出産するお母さんは、やっぱりすごいな〜と。
私の中で、自然分娩の選択肢がなかったのは、シンガポールでは無痛分娩が一般的だからです。そのつもりで病院に通っていたので、思いがけずに自然分娩になったというのは、いい経験になったと思います。
産後は、自分の体を回復させることも大事。産じょくマッサージや手作りのお茶でケア
――日本とシンガポール両方で出産を経験されて、どんなところに違いがあると感じますか?
ちなみ シンガポールは2泊3日で退院しなければいけない、ちょっとスパルタなところがあります。まだ母乳の出も順調じゃないし、体が痛い痛いと思いながらも退院しなくてはいけなくて(笑)
日本に比べて短い期間で退院できるのも、無痛分娩が主流だからかなと思いますね。無痛分娩は陣痛中の力みも少なく済むので、そういう意味でも、負担が少ない出産なのかなと。
私が産後のごほうびにと利用したのが産じょくマッサージ。1週間毎日、マッサージ師に来てもらって、悪露が出るのを促してもらったり、こり固まった体をほぐしてもらうんです。第2子のときも利用したんですけど、それがものすごく気持ちよくて!やるのとやらないのでは、こんなに違うのかという感じだったので、今回も同じ方にお願いしました。
あとは、母乳の出をよくするために、シンガポールで伝統的に飲まれているロンガンティーというお茶があるんです。それを飲んでいる人も多いのですが、私も毎日自分で作って飲んでいます。なつめとクコの実、ロンガン(龍眼・ライチに似た味と食感をもつトロピカルフルーツ)などを30分煮出すだけで、赤いお茶ができるんです。
――産後の体調はいかがですか?
ちなみ 今回は思いがけない自然分娩でしたが、実は今までで一番、回復具合がいいんです。安産だったというのが一番にあると思うんですけどね。無痛分娩って、痛みはわかるのですが、いきみのタイミングがわからなくて、上の子たちのときは会陰もけっこう裂けちゃってたみたいで。胎盤が出たあとに、先生が難しい顔をして一生懸命にお股を縫ってくれていたのを今でも覚えています。なんだかやけに、ずっと縫われてるな〜って(笑)
今回も切開はしたものの、本当に4針ぐらいですぐに終わりました。会陰切開が少なかったことで、産後も座りやすいし、動きやすかったですね。安産というのが、赤ちゃんにとっても母親にとっても、一番負担が少ないんだなとあらためて思いました。お産は、ひとつとして同じものはないですけど。
あとは、赤ちゃんのお世話って前かがみになる動作が多くて、上2人の産後のときに、背中がすごく痛かったんです。でも今回は、自分で背中のストレッチをしたり、そういう心の余裕があるんです。体の痛みが少なかった分、自分の体を整えることに気を向けられたんだと思います。その違いも大きいですね。
お話・写真提供/鈴木ちなみさん 取材・文/内田あり(都恋堂)、たまひよONLINE編集部
3人目の妊娠・出産、そしてシンガポールでは2度目の出産を経験したちなみさん。無痛分娩での予定だったものの、想定外の自然分娩となりましたが、赤ちゃんが無事に生まれてきてくれたときには、本当に幸せな気持ちになったと言います。そして産後も、シンガポールらしいケアを実践して、現在は3人のママとして奮闘し続けているそう。
後編では、3人のママとしての日々の子育てについて、またシンガポールの子育て事情について聞きました。
鈴木ちなみさん(すずきちなみ)
PROFILE
1989年、岐阜県生まれ。2008年、モデルとしてデビューし、ファッション雑誌『with』の専属モデルに。フジテレビ『めざましどようび』のリポーターを始め、テレビ番組やCM、映画などに出演。2020年に結婚、2022年には家族でシンガポールに移住。2021年9月に第1子を出産。23年10月に第2子を出産、2025年9月に第3子を出産し、3児のママに。


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