シンガポール在住の鈴木ちなみ。3人のママになり、朝食を食べていたら涙が・・・。ドタバタ忙しいながらも、子ども中心の人生を楽しむ日々
4歳、2歳のお子さんたちに、第3子が加わった鈴木ちなみさんファミリー。第3子は生まれてほやほやの生後1カ月です。2022年に家族でシンガポールに移住し、第3子もシンガポールでの出産でした。今回は、3人のママになってからの暮らしについて、またシンガポールでの子育てや自身の気持ちの変化について聞きました。
全2回インタビューの後編です。
赤ちゃんは手がかからない分、上の2人のやんちゃぶりが加速!?
――約2年ぶりの新生児育児だと思いますが、日々の生活はどのように変わりましたか?
ちなみさん(以下敬称略) 最初の1カ月は、赤ちゃんもうまくおっぱいが吸えなくて、ちょこちょこ起きてしまって、私も寝不足で大変でした。でも今、約1カ月が経って、ようやくうまく吸えるように。夜中も起きますけど、赤ちゃんはチュチュチュッとおっぱいを吸って、パタンと寝てくれます。私もすばやくおむつを変えて、同じくパタンと寝られるように(笑)
今のところ本当に手がかからなくて、あまり長く泣くことはないんです。「わーん!」と一声だけ声をあげるので、どうしたのかな?と見にいくと、うんちやおしっこをしているんです。泣き続けるのではなくて、ひと声だけでちゃんと教えてくれるんですよ。
3人目が生まれてあらためて感じたのは、上の子たちってこんなにやんちゃだったっけ?ということ(笑)。3人目はまだ、おっぱいを飲んで、ふにゃふにゃして、寝てと、正直まだ全然手がかからないので、余計に上の子たちがやんちゃに感じます。というか、日々、やんちゃ度が増しているような(笑)。本当に、複数のきょうだいを育てているお母さんたちってすごいなって思います。
新生児のうちって、3時間ごとに授乳しないといけないんですけど、上の子たちのことでバタバタと忙しく、「おっぱい、もうちょっとだけ待っててね!」と、待たせてしまうことも。第1子のときは赤ちゃんにフルコミットできましたけど、3人目となるとそうもいかないなと。上の2人が保育園に行っている間が、赤ちゃんとの時間に向き合う時間。その間が、私の癒やしです!
――産後のメンタル面では、何か変化はありましたか?
ちなみ ちょっとびっくりだったのが、家に帰ってきて1週間経ってないころ、朝ごはんを食べていたら、涙がつつつーと流れてきて。上の子たちのときは、そんなことはなかったんですけど。
その日は、前日の寝不足で私も疲れている状態だったのですが、登園前で、急いで朝ごはんを上の子たちに食べさせていました。それなのに、子どもたちは遊んでばかりで全然食べてくれなくて、「早く食べて、食べて!」と怒ってしまって・・・。そのときに、「私、なんでこんなに怒ってるんだろう。こんなに怒って、育児したいはずじゃなかったのに・・・」と、自然と涙が出てきてしまったんです。
そのときは、夫にバトンタッチして、何も言わずにベッドに行って寝ました。産後すぐということで、寝不足が一番影響していたのかなと思います。それからは何よりも、日中は自分の睡眠を大事にするようにして、できるだけ休めるときに休むようにしています。眠れなくてもいいので、午前1時間、午後1時間 、意識的に目をつむって横になるようになりました。そうしたら、メンタルも落ち着いてきましたね。睡眠って、やっぱり大事だなと。
3人目だから子育てに慣れてるってことはないし、3人目だから平気ってこともないんだなとあらためて感じました。
――夫さんは、どんな父親ですか?
ちなみ すごく面白くて楽しいパパですね。私は日々、子どもたちと直面しているので、どうしても怒りがちになって、「早く食べなさい」とかついつい言ってしまうんです。でも夫は、そういう状況でも、怒ってもしかたがないから、楽しみながらやったほうがいいというスタンスなんです。子どもたちにごはんを食べさせるのも上手です。
だから、私に余裕がなくなったら、「ちょっと、よろしく」という感じで、夫にバトンタッチ。そうすると、うまくやってくれています。
昨日も、子どもが照明のスイッチを点けたり消したりしていて、「もうやめてよ!」と怒っていたら、「そんなに怒ることじゃないじゃん」と、夫に言われました。そう言われると、「まあ、そうだよな〜」と思うことが多いです。夫に言われて、育児についてあらためて考える機会が多いし、学ぶこともたくさんあるんです。
実は、第3子が生まれるまで夫は、食事が終わるとすぐに自室に入って仕事という感じだったんですよ。でも、3番目が生まれたことで、今までよりも子どもたちの面倒を見てくれたり、ごはんを食べさせてくれるようになりました。夫も3人のパパになって変わったと思います。
真ん中の子は、なんでも自分でやりたがるイヤイヤ期真っただ中!悩みは即座にママ友に!
――上のお子さんたちのことで、悩みはありますか?
ちなみ 2人でいると、張り合ってけんかをするようになってきていて、上の子も真ん中の子に容赦しないんです。
真ん中の子は、上の子と同じことをやりたがるし、自分でなんでもやりたがるように。たとえば、水筒のふたを開けて、「飲んでね」と渡してあげても、「やだ、自分でやる!」と言って、ふたをわざわざ閉め直してから、また開けるんです。
最近やっと言葉が出始めてきた時期なので、話せないけど、自分でやりたいことはたくさんあるという、本人にとってはもどかしい時期なんだと思います。これが、イヤイヤ期なのかなと思いますね。
真ん中の子はよく、「やだ〜!」と言って床に寝転んじゃうんですけど、そうすることで、自分ができないことを理解していっているみたいで、自分で気持ちを切り替えているように思います。だから、寝転がっちゃっても、少しはほうっておいてもいいかなと。
――そういった悩みは、ママ友などに相談するんですか?
ちなみ シンガポールに住んでいるママ友に、よく話を聞いてもらいます。でも、「うちは小学生だけど、今だにそんな感じだから大丈夫だよ〜」と言ってくれたりすると、家族だからこその甘えもあるのかな、と安心します(笑)。あとは、妹たちも子育てをしているので、よく相談しますね。
移動も便利で、子育てしやすいシンガポール。出産を通して、人の温かさも感じた!
――シンガポールでの暮らしは、きょうだいが多い家族にとっても暮らしやすいですか?
ちなみ 2人を育てているときも、シンガポールは子育てがしやすいなと感じていましたが、先週、初めて家族5人で出かけたときに、あらためてそう実感しました。上の子たちを2人乗りのベビーカーに乗せ、赤ちゃんは抱っこひもで抱っこをして外出。子どもたちはバスが好きなので、その日もバスに乗って移動しました。
バスの乗車時は段差があるんですけど、ベビーカーをそのまま置いておけるスペースがすべてのバスに用意されています。そのスペースであれば、ベビーカーに子どもを乗せたままで乗車することができるんです。ただわが家の場合は、子どもたちが座席に座りたがるので、ベビーカーだけをたたまずにさっと置いて、大人と一緒に座席のほうに座っています。
街を歩いていても、みんなが温かい目で見てくれますし、段差が少なくてスロープの道も多いので、ベビーカーでの移動も楽なんです。大きなベビーカーだと、段差があるだけですごく大変なんです。もちろん、段差はあるんですが、段差がある道とない道の2つが設置されていたりも。街もコンパクトだし、移動しやすいし、地下鉄に乗るにしても必ずエレベーターがついているので便利です。
ただ、先週は夫も一緒だったのでよかったんですけど、そのうち、私1人で子どもたちを連れて出かけることもありますよね。それを考えると、震えます(笑)
――シンガポールの人たちは、子どもにとても優しいと聞いたことがありますが、そう感じますか?
ちなみ それは感じますね。レストランで家族と食事をしていて、子どもたちが騒いでしまっても、みんなそれぞれのテーブルでそれぞれの時間を楽しんでいるようなところがあって、あまりまわりのことを気にしていないんです。だから、私たちもまわりのテーブルのことは気にならないという感じ。日本にいるときのほうが、「静かにしなさい」とか「お行儀よくしなさい」というのを子どもたちに言っていたような気がしますね。
シンガポールは多民族国家なので、自分と違う状況にいる相手に慣れている感じがします。外国人にも慣れているし、子どもがいる人にも慣れているんですよね。
先日も、1カ月健診を受けるためにバスに乗ったら、まわりのマダムが「何カ月なの?」と気軽に聞いてくれるんです。移住して4年目になりますが、シンガポールの人はすごく温かいし、本当に居心地がいいなと思います。
家では和食が中心。シンガポールらしい料理は外食で楽しむのがわが家流。
――日本との「食」の違いについて教えてください。どんな食事が多いですか?
ちなみ 基本的に、うちは和食が多くて、朝食などはおみそ汁とおにぎりを食べています。シンガポールっぽいものは、外食で食べるほうがおいしいので、外に食べに行きますね。
シンガポールらしい食事で子どもたちが好きなメニューだと、パンにカヤジャムを塗って食べるのが好きです。カヤジャムは、パンダンリーフというハーブで作られる、ココナッツ風味のジャムで、シンガポールの定番なんです。それをカリッと焼いた薄切りのパンに塗って、温泉卵にからめながら食べるのが、シンガポールの朝食メニューで人気なんですよ。
保育園の給食も、日本とはちょっと違います。保育園では、9時半にスナックを食べる時間があるので、家からはクラッカーのようなものを持参していきます。保育園からはフルーツが出されるので、それと一緒に食べるんです。
お昼の給食は、ワンボールメニューが定番。ごはんの上に、野菜と肉もしくは魚が入った料理をかけてもらって、それをスプーンで食べるのがシンガポール流の給食なんです。
――ちなみさんが、3人のママになって、あらためて思うことを教えてください。自身の生き方や考え方で、変わったなと思うところはありますか?
ちなみ 3人のママになって思うのは、子どもたちに母親にしてもらったなということです。子どもがいなかったら、また違った人生があるんだと思いますけど、子どもがいるから、私も母親という役割でいられるし、そこで学ぶことがたくさんあるなと思います。
私の母も産後すぐに働いて、今もまだ働いているので、20代のころバリバリ働いていた自分も、そうなるだろうなと思っていたんです。でも、シンガポールに来ることになって、ありがたいことに、子どもにフォーカスした生活をさせてもらっています。まさか、こういう人生になると思わなかったんですけどね。わが家のシンガポール生活は、まだ続きそうなので、これからも家族5人で楽しみたいです。
お話・写真提供/鈴木ちなみさん 取材・文/内田あり(都恋堂)、たまひよONLINE編集部
やんちゃな子どもたちの育児に、今年の夏からは新生児のお世話が加わり、精神的にもいっぱいいっぱいになってしまったこともあるという、ちなみさん。それをきっかけに、できるだけ体を休める時間をつくり、ときにはパパにゆだねるようにして、最近ではバランスがとれるようになってきたそうです。
鈴木ちなみさん(すずきちなみ)
PROFILE
1989年、岐阜県生まれ。2008年、モデルとしてデビューし、ファッション雑誌『with』の専属モデルに。フジテレビ『めざましどようび』のリポーターを始め、テレビ番組やCM、映画などに出演。2020年に結婚、2022年には家族でシンガポールに移住。2021年9月に第1子を出産。23年10月に第2子を出産、2025年9月に第3子を出産し、3児のママに。


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