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赤ちゃんが”はいはい”をしないときに見直したいこと#1【体の発達】編

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monkeybusinessimages/gettyimages

「9ヶ月になってもはいはいをしない」「はいはいをしないで立ったけど大丈夫?」など、赤ちゃんが”はいはいをしない”ことに悩むママは意外と多いようです。そこで、はいはいと赤ちゃんの発達の関係について、理学療法士の中原規予さんに聞きました。

「はいはい」は、赤ちゃんの発達のために必要?

ひじ、ひざをついた状態で腕と脚を交互に出して移動する状態を「はいはい」と言いますが、腕だけを使ってほふく前進のように進む「ずりばい」、ひじ・ひざをつかず腕や脚を伸ばした状態で進む「高ばい」もあります。ずりばい→はいはい→高ばいとできるようになるのがスタンダード。ですが、必ずしもその順番に進むとは限りません。中には、はいはいを1パターンしかしなかったり、3つのはいはいの種類をどれもしないまま歩き出す子もいます。このように、すべての赤ちゃんが同じ道を通るわけではない「はいはい」。実は、赤ちゃんが体の使い方を覚えるために、重要な役割を果たすのです。

はいはいの姿勢には大切な役割があります

「ねんねの状態からあんよをするまでの発達の過程で、赤ちゃんは少しずつ体の重心を高くしていき、各段階で体のバランスを取る練習をします。体の重心を高くしていくには、目線が少しずつ高くなる経験が大切。ねんね、おすわり、はいはい、立っちと、いろいろな姿勢を経験することで、赤ちゃんは自分の体の使い方を覚えていくのです。その過程で、腹筋と背筋の協調した動きを獲得します。大人になって腰痛にならないためにも、この体の使い方を習得することが大切です。

また、赤ちゃんはトライ&エラーを繰り返しながら自由に体を使えるようになるのですが、はいはいの低い姿勢のうちにうまく転ぶことを覚えると、あんよ以降もけがをしにくい傾向があるようです。赤ちゃん自身が『転ばない方法を見い出す』ことは、脳の発達にもいい影響を与えます」(中原さん)

はいはいの動きは足を交互に出して歩く動作に直結

「はいはいをするには、上半身を床と平行に持ち上げ、その状態をキープしなければいけないので、背骨と体幹が鍛えられます。そして、肩甲骨や腕、脚の筋肉を使って移動することで、これらの筋肉が発達していきます。さらに、はいはいで腕を交互に出して移動する動きは、体の重心を左右に移動させる練習になります。そこで、はいはいをたくさん経験したほうが、あんよを始めたときに、足を交互に出して重心バランスを取りやすくなると言えるでしょう」

適した月齢で”はいはいをさせる”働きかけを

「中には、はいはいをしないでつかまり立ち~あんよをする子や、おすわりの状態でおしりをすりながら進む子(シャフリングベビー)もいます。はいはいをまったくしなくても、運動発達が遅くなったり、先々何か不都合があるわけではありません。けれども、はいはいをたくさん経験した子は、その時期、より体幹や肩甲骨の筋肉の発達がよかったり、バランス能力の育ちはいいと思われますから、そのまま運動好きな子に育っていく可能性はあるかもしれませんね。

はいはいは、一般的には、うつぶせにしたときに、自分の腕で上半身を支えられるようになったら始めどき。そこではいはいをするかどうか、自分で移動をたくさんするかどうかは、「はいはいができる場所があるか」「はいはいがしたくなる状況があるか」がポイントです。

はいはいの姿勢はそれほどラクではないため、あんよができるようになってから、はいはいをさせようと思っても、やりたがらない赤ちゃんもいます。つまり、はいはいをするのに適した月齢の間に、はいはいをたくさん経験させることが大切。うつぶせの姿勢で腕の力で上半身を上げられるようになってきたら、ぜひ、はいはいをしたくなる環境づくりをしてあげましょう」

はいはいは、赤ちゃんが体の使い方を覚えるのにいい影響を与えていたんですね。「赤ちゃんが、はいはいしないときに見直したいこと#2」では、赤ちゃんがたくさんはいはいしたくなる環境づくりや遊び方を取り上げます。(取材・文/東裕美・ひよこクラブ編集部)

■監修/中原規予さん
理学療法士。中央愛育園など療育施設に非常勤勤務。不定期で理学療法士向けや子育て支援者向けの勉強会講師も行っています。

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