お寺のみんなに支えられる三つ子育児。「寺嫁ヨガ」を開く母のにぎやかな毎日
ヨガインストラクターのkakoさんは、神戸にある西代寺の副住職と結婚し、2025年7月に三つ子の母になりました。三つ子との外出はひと苦労ですが、「家にこもるほうがストレスだった」と話すkakoさんは、双子用ベビーカーに2人、もう1人は抱っこでお出かけをすることが多いそうです。
三つ子の女の子は生後10カ月になり、それぞれ違う個性を見せ始めています。三つ子育児の大変さと楽しさ、お寺の家族に支えられる毎日について聞きました。
全2回のインタビューの後編です。
お寺の家族みんなで三つ子育児。訪問看護にも支えられる毎日
――三つ子のママとして忙しい毎日を送っているkakoさん。普段、どんな生活を送っているのでしょうか?
kakoさん(以下敬称略) 三つ子は生後10カ月になるところです。日々にぎやかで、娘たちのかわいさに頬がゆるみます。夫の実家はお寺で、私たちも近所に住んでいます。みんなで集まる日は、だれかが娘たちの面倒を見てくれるし、親族の子どもたちが三つ子と一緒に遊んでくれて、とても助かっています。
お寺ならではの環境だと思いますが、周囲には親せきも多くて顔見知りばかり。たくさんの人が見守ってくれています。
夫も三つ子たちを本当にかわいがっています。娘たちの夜のお世話のメインは夫。三つ子たちは、夜泣きがなくてぐっすり眠ってくれることが多く、夜のミルクを飲んだら朝まで起きないことも。私はしっかり眠れているので、ありがたいです。
夫は実家のお寺の後継ぎで、お坊さんです。育休は取得していないのですが、義両親も子育て中の状況を理解してくれて、仕事の面でも融通を利かせてもらっています。
――家族以外のサポートはありますか?
kako 三つ子たちの出産病院からの指示もあり、訪問看護で、体調確認や成長発達の相談、育児サポートを受けています。
三つ子たちが退院してから、どのように外出したらいいのか悩んでいたときも、準備や移動についての相談に乗ってもらいました。
私は外出するのが好きだったので、出産後、なかなか外に出られないのがストレスでした。三つ子を連れて出かけるのは大変なのですが、気分転換にもなっています。
「3人同時に泣くと私も泣きたくなる」全部のお世話が3倍!
――三つ子育児で大変なことはありますか?
kako なんといっても、すべてのお世話が3倍なことです。ミルクもおむつ替えも着替えも吐き戻しも全部3倍です。うんちがもれてしまったときなどは、シーツの洗濯なども加わります。やることが多すぎて、頭から湯気が出ているかもしれない・・・と思うこともあります。
最初のころは、同時に泣く姿がかわいくて動画を撮ることもありましたが、3人同時に泣き出すと、とても大変です。最近は声も大きいし、いくらあやしても泣きやまない・・・と、収拾のつかなさ状態に、私も一緒に泣いてしまうこともあります。そして、泣いている3人を同時に抱っこできないのが、もどかしいところです。
体調を崩すのも3人一緒ということもあります。ハーフバースデーが終わったころには、みんなが風邪をひいてしまいました。
――3人そろって体調を崩したのでしょうか。
kako そうなんです。1人が体調を崩したと思ったら、あっという間に全員熱を出してしまいました。病院に行ったら風邪と診断されたのですが、1カ月ほどはせきと鼻水が続いたんです。その後、初節句のころにまた1人が熱を出し、3月の末ごろRSウイルスと診断されました。3カ月間くらい、3人のうちのだれかしらが体調を崩している状態だったので、私もへとへとでした。ほかの子に感染させまいと、最初は熱の出た子を隔離していたんです。でも結局次々とうつっていくので、目が回りそうでした。
一般的には生後5カ月くらいから離乳食を始めると思うのですが、うちの場合、ちょうど体調を崩したこともあり、母乳やミルク以外のものを食べさせたくありませんでした。離乳食を始めたのはここ最近です。長女と二女は食が細くて困っています。あまりあせらずマイペースに進めようと思っているところですが、お料理をすることは好きなので、キッチンに立って離乳食の準備をすることが育児の息抜きになっています。
性格はみんなバラバラ。同じ日に生まれた三つ子、それぞれの個性
――三つ子ちゃんたちは性格も違うのでしょうか?
kako はい、まったく違います。長女は活発でずっと動き回っています。二女は観察熱心でもあり活発でもあります。ものの取り合いもだいたい二女が勝ちます。三女はおしゃべりが大好き。喃語(なんご)でもよく話していて甘えん坊です。よく動く長女とそれほど動かない三女だと、体重も1キロくらい違います。同じ日に生まれた三つ子でも、それぞれ個性が異なっていておもしろいなあと思います。
――子どもたちだけで遊ぶことはありますか?
kako はい。それぞれで遊ぶときもあれば、3人で部屋中を移動して一緒に遊ぶときもあります。おもちゃの取り合いをして、取られたら悲しいなど、すでに3人の中で学んでいる気がします。
いずれ保育園に入れる予定ではありますが、保育園に通う前から、人間関係などを学んでいるんだろうな…と。このように、生まれたときからすぐそばに同い年の子どもがいて、小さな社会のような関係を築いているのは、三つ子ならではという感じがしています。
その一方で、毎日の育児はとにかくあわただしく過ぎていきます。今は、育児のひとつひとつのことをじっくり味わう余裕がないんです。おむつもミルクも、いつも3人分を同時進行している感じで。周囲からは大変だねと言われますが、私にとってはこの育児が当たり前だから、どれほど大変なのか、自分では実感できていないのかもしれません。
三つ子の育児はバタバタしているけれど、とっても幸せです。この子たちがもう少し大きくなって、もう1人授かることができたら、1人の赤ちゃんとゆっくり向き合う子育てもしてみたいです。
妊娠中は、つわりや入院など、とてもしんどいことが多かったです。「もう二度と経験したくない」と考えていました。それが「もう1人いるのも楽しいだろうな」と考えるように。人間って不思議なもので、つらい思い出を忘れていくものなんだなとも感じます。
お寺で始めた「寺嫁ヨガ」。三つ子育児の先に見えてきた新しい夢
――ヨガのインストラクターでもあるkakoさん。お寺でもヨガのレッスンを行っているそうです。
kako はい。仏教とヨガには共通する考え方もあると感じていたので、お寺に来てくれるたくさんの人たちに、ヨガの楽しさを伝えられたらいいなという気持ちがありました。3年前から本堂で「寺嫁ヨガ」という月1回のイベントを開催させていただいています。
「寺嫁ヨガ」の冒頭には、お坊さんである夫が法話をしてくれます。仏教の教えとヨガの教えは多くの共通点があります。お話に耳を傾け、自分の心と向き合ったあとにヨガで体を動かすことで心身が整い、お寺の厳かで神聖な空間の中で、より穏やかな時間を過ごしていただけているように感じます。
そして、妊娠・出産・育児を経験する中で、子どもたちの未来について深く考えるようになりました。子どもたちの未来は、今を生きる私たち一人ひとりの心からつくられていくのではないかと、私は思っています。だから私は、ヨガを通して「心を整える時間」を届け続けたいと思うようになりました。心に少し余裕が生まれ、自分自身を大切にできる人が増えれば、その温かさはきっと家族へ、地域へ、そして子どもたちへとつながっていく。子どもたちが心も体も健やかに、自分らしく生きられる未来をつくること。それが、今の私の新しい夢です。
お話・写真提供/kakoさん 取材・文/さいだ多恵、編集・構成/仲村教子(entente)、たまひよONLINE編集部
「毎日とても大変です」と笑うkakoさん。それでも、やわらかな笑顔からは充実した様子が伝わります。お寺という地域に開かれた環境の中で、多くの人に支えられながら、三つ子たちはこれからもすくすく成長していくことでしょう。
kakoさん(かこ)
PROFILE
ヨガインストラクター。神戸市にある西代寺の副住職と結婚。結婚2年目で三つ子の女の子を出産。西代寺でも「寺嫁ヨガ」というプログラムでレッスンを行っている。
●この記事は個人の体験を取材し、編集したものです。
●記事の内容は2026年6月当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
●2026年7月、記事の一部を修正しました。


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