そこまでやるの?アメリカのバースデーパーティー
子どもの誕生日は年に一度の嬉しい日ですが、アメリカではちょっとプレッシャーになる日でもあります。(少なくとも私には。)なぜなら、親たちはあの手この手で誕生会を企画しないといけないのです。自宅にお友達を呼んで簡単になんていうレベルではないのです。
1歳の誕生日は盛大に
どう考えても本人は一切覚えていないだろう1歳の誕生日。1歳の誕生会は子どものためというより、大人のためです。そして、親戚、友人を招いて盛大なパーティーをするわけなのですが、私は夫が企画したこのパーティーにぶち切れ。渡米間もなかったので、友だちはほとんど夫の友人だし、いただいたプレゼントのおもちゃも、どう考えてもありすぎだったし。私としては、家族でシンプルに、プレゼントも良質なものを一つにしてお祝いしたいと思っていたので、このお祭り騒ぎに嫌気がさしてしまったのでした。しかし消費大国アメリカでは、プレゼントは質より量。集まってくれたのは嬉しかったですが、ひねくれ者の私には後味が悪いものになってしまいました。
こんな場所でも?誕生会
息子の保育園のクラスは12人なので、平均して月1回誕生会に呼ばれるわけですが、まずその場所のバリエーションが色々あります。体操教室の一室だったり、マクドナルドだったり、トランポリン場やボーリング場、子ども博物館、公園、プールなどなど、いたるところで誕生会用のスペース貸出があります。自宅で開催したとしても、手品師やフェイスペイントをしてくれる人やディズニーのお姫様に扮した人を雇って、とにかくエンターテイメント性が高い。そしてそういった施設や人を雇うとお値段も高くなるわけです。プレゼントもエンターテイメントも与えられるだけで、なんか空しいなあと私は思ってしまうのですが、そんなことを思うのは無論私だけ。そんな矢先、友人の一人が素敵なアイディアを教えてくれました。
上の写真は、フェイスペイントをしてもらったお誕生会の主役。お父さんもやってもらっていました。
プレゼントはいりません!ちょっと変わった誕生会
友人のアイディアは、動物保護所に寄付する備品をプレゼントとして持ってきてもらい、集めたものを実際に子どもたちが寄付しに行くというもの。友人の価値観や教育方針が出ていた素敵なアイディアでした。そして、私もそのアイディアを参考にさせてもらって息子の3歳の誕生会を企画しました。場所は動物園。息子へのプレゼントの代わりに、動物園で不足しているトラが遊ぶ段ボールを持ってきてもらうことにしました。飼育員がそれを檻に入れてくれ、子どもたちはトラが遊ぶ様子を実際に見ることができて大興奮。誕生会でよく目にする着色料と砂糖がたっぷり明らかに体に悪そうなケーキもやめて、手作りのパンでライオンを形作ってケーキの代わりにしました。
消費大国に生まれ育った夫にとって、誕生日やクリスマスのプレゼントは部屋が埋まるほどあげたりもらったりするのが当たり前。お金をかけてあげることが、愛情の証だと思っていたようです。夫の家族もそんな感じなので、プレゼントは質より量だったり、いいモノでも全く的が外れていたり、なかなか私の言わんとすることが分かってもらえないのですが、子育てを共にするからやっと分かる夫婦の価値観の違いもありますね。息子の成長の節目、節目に私たちも親として考えさせられるなあと改めて実感します。
アキコ
日本生まれの日本育ち、アメリカ南部のミシシッピ州在住。3歳の息子とアメリカ人の夫の3人暮らし。超がつく保守的なディープサウスでいかにリベラルに生きていくか、日々奮闘中。全米50州中、最下位常連のミシシッピ州。アメリカの底辺から、アメリカを、日本を、世界を見つめます。
※この記事は「たまひよONLINE」で過去に公開されたものです。