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「できない」を経験しよう! 【自然体験】で子どもの可能性を拡げる

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近年、幼児教育の観点からも、【自然体験】への関心が高まっているのを感じます。【自然体験】をすると、子どもにとってどんな良いことがあるのでしょう?

自然を通じて、小さい頃から「受容」経験をすることの大切さについて、KIDS NATURE SCHOOLの企画・運営メンバーでもある長谷部雅一さん、田中博教さんにお話を伺ってきました!

「優等生」育ちへの危機感


アウトドアブランド「THE NORTH FACE」のKIDS NATURE SCHOOLでは、「生きる力」を育むことを目指して、親子が自然に触れる体験イベント・空間を提供しています。

先日の玄岳トレッキングイベントでもリーダーを務めていた長谷部雅一さんは、アウトドアに関する知見を活かし、子どもの自然教育に携わるほかに、ビジネスマンや保育士向けの研修講師も務めています。

ご自身も4歳のお子さんがいらっしゃる長谷部さん。大人と子ども、両方を見てきた経験から、いま、「優等生」育ちが危ない、と感じることがあるそうです。
(※以下敬称略、インタビューをもとに編集部で構成してお届けします。)

挫折を知らないまま、大人に

長谷部:
いわゆる「一流企業」で社員研修を担当させていただく機会があるのですが、傾向として、「ほめられることが当たり前」で、「叱られることに慣れていない」もしくは「打ちのめされることに慣れていない」若手社員のかたが結構います。これは研修講師の仲間や、企業の人事担当者の方々からもよく耳にしますね。

学校から会社という、正解が1つだけじゃない場所に移っていったとき、「できない」ことがあって当然ですよね。けれども、これまでいつも1番で来ているし、親にも「いいね」「上手だね」とほめられ続けて育ってきているために、「できない」自分を受け入れられない、「受容」できない、というかたがいるんです。

ぽきっと心が折れてしまう場合も

長谷部:
自分は今まですべて「できる」って思っていたけれど、これはできない、という事実が目の前に突き付けられたときに、そこで「もうだめだ」と足が止まってしまう。そういう人は、いわゆる「心が病んだ」状況にまでなってしまって…。

事実、そういったことへの対策として、あらかじめ新入社員向けの、「心身の安定性をはかるプログラム」みたいなものを始めている会社もありますね。

うちの子はこれで大丈夫?


編集部:
今、都会など、一部地域では小学校受験も身近にあるご時世ですよね。小さいころから「優等生」で居続けるわが子について、保護者のかたも何らかの危うさを感じていらっしゃるということでしょうか?

長谷部:
そうですね。ふとしたときに、「あれっ、うちの子このままこういう育ち方でいいのかな?」「もっと何か、経験させてあげなくちゃいけないことがあるんじゃないのかな?」と感じることがあるようです。それがKIDS NATURE SCHOOLへの参加理由につながっている保護者のかたも、過去には結構いらっしゃいました。

自然の中で、「受容」の経験をする


教育の分野でも、「自然体験」が、お子さんに多面的な経験をさせてくれるという点で注目されています。

違和感なく「挫折」を味わえる


長谷部:
普段の暮らしの中では、基本的には自分で色んな物やコトに対して「YES/NO」を決められます。「これは好きだけど、あれは嫌だ」とか、「このゲームはあんまり好きじゃないから、持っているけどやらない」とか、「あの人苦手だから、話さないようにしよう」とか。

編集部:
いわゆる「全能感」というか、自分が中心、自分が支配しているような感覚ですね。

長谷部:
そうです。でも、自然の中にポンと身を置くと、自分が中心だなんて言っていられなくなります。たとえば登山に行って雨が降ったら、雨を止ませることは誰もできないですよね。

自然が相手だと、我々人間は圧倒的に「かなわない」。だから、「受け入れる」経験をしやすいんですよ。雨が降ってしまったらしょうがないよね、と、素直に受け入れることができるわけです。シンプルですが、この経験の積み重ねが重要です。

この状況で、自分はどうするか?を考える


長谷部:
自分の思い通りにはならない状況下で、じゃあどうするか?を考える。こういうところで、小さいうちから「受け入れる」、「受容する」経験をしていくのが重要だと、日本だけでなく海外でも盛んに言われています。

編集部:
小さな「挫折」の経験、といったところでしょうか。

長谷部:
はい。雨が降ってしまったけど、レインウエアを着て歩き続けるのか、予定を変更して雨宿りするのか。歩くスピードを落とすのか、上げるのか。自然に合わせて、自分のほうを変えてみる、工夫してみる経験にもなりますね。

経験がものさしを作る


KIDS NATURE SCHOOLでも、自然の猛威を感じる悪天候に見舞われたイベントについて、スクールの校長(!)であり、KIDS原宿店の店長でもある田中博教さんにおうかがいしました。

暴風雨の中を経験した子どもたち


田中:
「朝日岳」っていう山に登った時は、強風の大雨になってしまったんですよ。ロープウェイが止まってしまい、いつ動くかもわからない。予定を大幅に変更し、大人でも吹き飛ばされるくらいの強風の中、みんなでなんとか、励まし・助け合って、歩いて下山しました。親御さんもお子さんも口々に、「こんな風は体験したことがなかった」とおっしゃっていましたね。

編集部:
望んでできるわけではない、強烈な経験ですね。

田中:
そうなんです。大変な経験でしたが、でも、あの子たちが日常に戻って、今後突然の雨に見舞われたときには、「あれに比べたらたいしたことないな」と思えるはずです。

僕たち大人であっても、自分が経験していないことはなかなか判断がしづらいですよね。子ども達が自然の中で自ら体感したことは、小さなことでも、積み重なって自分なりの判断基準のものさしになっていきます。

僕たちは、それがひとりひとりの「生きる力」につながっていくと考えています。だからこそ、自然の中で色んな体験をしてみてほしいですね。

まとめ

自然の中では、「できない」が当たり前になる。できないことを受け入れ、どう自分で考え、工夫して行動するのか。自然は子どもにとって、(時には私たち大人にとっても)最高の練習相手なのかもしれません。

小さい頃から自然の持つパワーに触れることで、身体感覚としての「生きる」力、判断基準が形成されていくというお話を伺って、ますますKIDS NATURE SCHOOLをはじめとするお子さん向けの自然学習の動きに興味が出てきた編集Sでした。

今回お話を聞いた人(左から)


◆長谷部雅一(はせべ まさかず)さん
有限会社ビーネイチャー取締役。KIDS NATURE SCHOOLの企画・運営に携わる。アウトドアイベントの企画・運営、研修講師、自然ガイドなども務める一方、幼稚園・保育園での活動にも力を入れており、自然体験を通じたボディーバランスや感性、社会性を育む教育などを行っている。
39歳。4歳の娘の父。著書に「ネイチャーエデュケーション 身近な公園で子どもを夢中にさせる自然教育」などがある。

◆田中博教(たなか ひろみち)さん
THE NORTH FACE KIDS原宿店 店長であり、KIDS NATURE SCHOOL校長。自らが福岡県の自然豊かな環境で育った経験から、今の時代を生きる子ども達にも自然遊びに親しめる機会を提供し続けたいと考え、スクールを企画・運営している。33歳。3歳、1歳の2児の父。

◆KIDS NATURE SCHOOL
http://www.goldwin.co.jp/tnf/kids-ns/
親子が自然に触れる体験を通じて、「生きる力」を育むことを目指したイベント・空間を2012年から提供。2016年はこの後も大蔵海岸(兵庫県)や北信州、大阪など、全国各地で季節に合ったイベントを予定しています。あなたのご近所のイベントもあるかも?ぜひWEBサイトをチェックしてみてくださいね。

※この記事は「たまひよONLINE」で過去に公開されたものです。

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