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立体パズル「マグネットボール」に注意!誤飲で子どもの胃に穴があく事故が発生!

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近年、複数の強力な小型な磁石で、いろいろな形を作って遊ぶ「マグネットボール」という商品が大人や子どもの間で流行しています。この商品を含め、磁石の誤飲によって子どもの消化管に穴があく事故が発生し、商品テストを行う「国民生活センター」にいくつも情報が寄せられているそうです。
そこで今回は、「国民生活センター」が発表している、事故事例を紹介します。

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マグネットボールの磁力は非常に強力


マグネットボールとは、直径3~5㎜程度の小さい球体や立方体の磁石が、200個ほどで1セットになっていて、いろいろな形を作って遊ぶという商品。通販サイトなどでも販売されているので、おそらく見たことのある人は多いことでしょう。

国民生活センターの資料によると、使われている磁石は「ネオジム磁石」と呼ばれ、ホワイトボードなどに使われる「フェライト磁石」の「10倍以上もの強力な磁力を持つ」そう。さらに1個1個が小さく、乳幼児の口に容易に入るサイズのものがあることから、「EUやアメリカでは、子どもの誤飲事故が多発し、2009年から14歳未満の子どもに対する流通や販売が規制されている」のだそうです。

胃や腸に穴が!マグネットボール誤飲事故

実際にどんな事故が起こっているのか、国民生活センターに寄せられた事例を紹介します。

37個を誤飲して小腸に3つも穴が!

「友人の子が遊んでいたのを見て欲しがったので、子どもが1歳半ごろに購入。その後、子どもが磁石を口の中に入れていたことがあったため、親は手の届かないところに保管していた。
ある日、子どもが嘔吐を繰り返したのでかかりつけ医を受診したところ、胃腸炎の疑いで薬を処方された。しかし翌日も嘔吐が続いたため、他院を受診し、X線検査を受けたら、小腸の中にマグネットボールを発見。小腸内の3ケ所で磁石が引き合って小腸を結着させ、壊死を起こして穴があいていた。開腹手術で、直径3mmのマグネットボールを37個摘出した。(1歳9ヶ月・女の子)」

胃内の磁石と小腸内の磁石が引き合い貫通

「クリスマスプレゼントとしてインターネットでマグネットボールを購入。直径3mmのボールを5個誤飲したところを親が気づいて受診。X線検査で消化管内に5個連なっていることを確認し、経過観察をすることに。しかし翌日もマグネットボールが移動せず、紹介先の病院で内視鏡検査を実施したところ胃内になく、経過観察に。しかしその翌日もマグネットボールが移動しておらず、手術を開始。マグネットボールは、2個は胃壁から3個は空腸(胃、十二指腸の次に通る前方の小腸)の壁に穴をあけて引き合っていた。(3歳・男の子)」

これらは命が助かった症例ですが、海外では実際に死に至った事故もあるのです。

直径39mm以下のものは与えない

赤ちゃんや子どもの誤飲事故を予防するためには、そして万が一飲み込んでしまったときにはどうしたらいいのか、小児救急医療に詳しい、市川光太郎先生に対処法を聞きました。

「口の中に物を入れることは、赤ちゃんや子どもにとって気持ちのいい感覚につながるとも言われていて、3歳ぐらいまでの子は何でも口に入れようとします。
3歳の子が口を開けたときの最大口径は約39mm、のどの奥までは約51mmと言われています。そのため、目安として直径39mm以下のものは、赤ちゃんや子どもには与えない、また手の届かないところに置くことが大事です」(市川先生)

万が一誤飲した可能性がある場合はすぐ受診

「複数の磁石の誤飲や、磁石と磁石につく金属の誤飲は大変危険です。消化管に穴があく恐れがある状態になっていても、初期にはあまり症状が現れない場合も。万が一複数の磁石を誤飲したと思われる場合は、すぐに受診してください」

文房具や生活雑貨の小さい磁石にも注意

「マグネットボールはもちろん、文房具や生活雑貨などでも強力な磁力を持つ小型のマグネットが販売されています。
とくに、ネオジウム磁石は磁力が強く危険性が高いと考えられます。缶などの金属につけていたり、壁などにつけているものが落ちて、乳幼児が手に取る場合もあります。使用の際には、十分注意しましょう」

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赤ちゃんや子どもの誤飲は、ママやパパが室内をチェックして予防することがもっとも大事。開腹手術で命をとりとめたとしても、体に傷跡が残るだけでなく、先々手術による癒着などの心配もあり、リスク大。十分注意したいですね。(取材・文/ひよこクラブ編集部)

■取材協力・写真提供/国民生活センター

■監修/市川光太郎先生
北九州市立八幡病院救命救急センター・小児救急センター院長。小児科専門医。日本小児救急医学会名誉理事長。長年、救急医療の現場に携わり、子どもたちの成長を見守っていらっしゃいます。

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