「アメリカのパパ育児」山田ローラさんの日米子育てリポート
2015年にラグビー日本代表の山田章仁選手と結婚、2016年9月に男の子と女の子の双子を出産したモデルの山田ローラさん。日米のハーフでご実家がアメリカにあります。そんなローラさんが、アメリカの子育て事情や、日米の育児の違いなどをリポート。今回のテーマは、アメリカのパパの育児事情です。
■前回のリポートはこちら→「仕事以外でも子どもを預けるのは普通」山田ローラさんの日米子育てリポート
出産前の両親学級から、パパが積極的に参加
アメリカでは共働きが主流で、社会の育児休業制度もあまりよくないため、パパの協力がないと育児は成り立ちません。妊娠中にアメリカの病院で開催されていた両親学級に参加したときには、とてつもないカルチャーショックを受けました。
いくつもあるクラスの中には、まさかの男性オンリーのパパ学級まで! 双子クラスにも毎回ちゃんと夫婦で来ていたり、母乳クラスにちゃんとパパも参加していたりで、ちょうど遠距離結婚中だった私は夫がいなくて少し寂しい思いをしたりしていました。
日本で通っていた両親学級にも、夫婦で参加していたカップルはもちろんたくさんいましたが、明らかにアメリカのパパは日本と比べて積極的! 自ら進んでデモンストレーションに参加したり、わからないことはすぐに質問したり、ある意味、ママよりも楽しんでいる雰囲気が伝わりました。
両親学級では「おっぱい以外は、パパのほうが動きなさい」との言葉が!
両親学級では、担当していた助産師さんもパパが育児をすることがどれだけ大切なことか、何回も説明していました。いちばん印象に残ったのが、「パパは、おっぱいを出す以外は、ママと同じことができる。むしろ出産で体力も削られていないぶん、産後はパパのほうが動きなさい」という言葉。これを聞いたときは、クラスに参加していたママたちがそろってうなずいていました。
クラスで視聴したムービーでも、授乳のときはパパが赤ちゃんをママのところへ運び、授乳中はママがリラックスできるようにクッションを持ってきてくれたり、さらにはママのおやつも準備してくれたりと、至れり尽くせり。実際にパパがここまでできなくても、積極的に赤ちゃんのお世話をするのが当たり前という風潮は、両親学級によってつくられているんだと実感しました。
CMにも、パパがママをいたわり育児をするシーンが!
アメリカのメディアも、「パパは育児をして当たり前」の風潮をつくっていると思います。赤ちゃん関連商品や家族がメインターゲットのCMのほとんどでは、パパがおむつを替えたり、ごはんを作っていたり…。とある食品関連のCMでは、夜泣きをしている赤ちゃんはパパにまかせて、ママがゆっくりデザートタイムを楽しんでいる様子を映し出していたりと、CMのシーンにもママをいたわっている状況が多く見られます。
パパがここまで育児をできる背景には、やはり日本とアメリカの勤務形態の違いがあるんだと思います。アメリカ、とくに私の実家があるアイオワ州では仕事がほとんどぴったり定時で終わるため、17時くらいには家に帰ることが可能です。なので、食後のお散歩も家族そろってできたり、パパ1人で子どもと遊んだりできます。
残業が多い日本の社会では仕事に忙しく、パパが家族との時間をとることがなかなか難しい状況だと思います。私のまわりでも朝は子どもが起きる前に出社して、夜は子どもが寝たあとに帰宅するため、平日は子どもに会えなくて寂しい思いをしているパパもいるようです。日本も、もっとパパが育児をできるような環境が整うといいですね。
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パパが積極的に育児をすることを、両親学級だけでなく、メディアでも推奨しているアメリカ。そのため、子どもが誕生したあとにパパが育児をするのが、当然のことになっているんですね。残業がない就業形態も、子育て中のママ・パパにはうれしい制度です。勤務時間や社会の風潮など、日本もパパがもっと育児をできる環境になるといいなと思います。(取材・ひよこクラブ編集部)
Profile●山田ローラ
1988年9月23日生まれ。アメリカで大学卒業後、日本でモデルデビュー。2015年3月にラグビー日本代表の山田章仁選手と結婚。2016年9月に双子のブライス・光一郎くんとグレース・桜子ちゃんを出産。
LINE BLOG:山田ローラオフィシャルブログ
Instagram:@lauraelinas