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「液体ミルク2018年夏解禁」その後…国内販売、災害時の備蓄となる日はいつ?

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romrodinka/gettyimages

今年3月、「政府が乳児用液体ミルクの国内販売を今夏にも解禁する方針を固めた」というニュースが出たのを覚えていますか? 「今夏」というのはまさに今! でも、その後、液体ミルクがどうなっているのか、知っているママはほとんどいないのではないのでしょうか。そこで、国内の液体ミルクの現状と今後の進展について、乳児用液体ミルクプロジェクト代表の末永恵理さんに聞きました。

関連:乳児用液体ミルクが、日本で販売されないワケ

東京都が災害時に液体ミルクの緊急輸入措置をとると発表!

液体ミルクとは、赤ちゃんがすぐに飲める状態で無菌パックされた人工乳。調乳不要で長期保存でき、ふたを開けたらすぐ飲ませられます。多くの先進国で普及しており、フィンランドでは人工乳の売り上げの9割を液体ミルクが占めているとか! 

液体ミルクは調乳のための水や熱源が不要なため、災害時のミルクにも最適。東日本大震災や熊本地震のときフィンランドから届けられ、日本でも注目されるようになりました。
そして今年6月8日、東京都が災害時に液体ミルクの緊急輸入措置をとることを発表。「東京都に続いて検討を始めている自治体も出てきているようです」(末永さん・以下同)

実際に東京都は、今回の7月豪雨で大きな被害を受けた岡山県倉敷市の要請を受け、フィンランドから液体ミルク2000個を緊急輸入、支援物資として提供したというニュースも報道されています。

国内での製造解禁後、販売までには1年近くかかる模様

日本でも少しずつ認知され、導入を検討されつつある液体ミルク。この夏に解禁になったら、粉ミルクのように気軽に買えるようになるのでしょうか。

「解禁になると、国内で液体ミルクを製造できるようになりますが、製造したから即、販売が始まる…わけではありません。販売できるようになるには、さまざまな検査や試験にクリアしなければならないからです」

<国産液体ミルクが販売されるようになるまでの道のり>

1.政府が液体ミルクの認可基準を定める

2.認可基準に沿って国内メーカーが液体ミルク製造を開始し、国へ認可の申請を出す

3.製造された液体ミルクが消費期限をクリアできるか保存の試験を実施し、認可基準に沿っていれば認可され、販売が可能となる

「保存の試験は消費期限の1.5倍くらいの期間、商品を保管して行います。消費期限を6ヶ月に設定した場合、9ヶ月間保管して品質検査を行うわけです。そのため、国内での販売許可が下りるのは、最短でも1年近くあとになると思われます」

現在、液体ミルク事業に参入希望の国内メーカーはゼロ

この夏に解禁になっても、その先にいろいろな懸案事項が残っているわけですが、実はその前に大きな問題が。それは、「6月末時点では、液体ミルクの開発を明言している国内メーカーはゼロ」ということ!!

「液体ミルクの製造を開始するには、専用の製造ラインを作らなければいけないし、粉ミルクに比べて輸送コストもかかるため、どうしても販売価格を粉ミルクより高めに設定せざるを得ません。『それでも液体ミルクの需要がある』という確信を持てないので、国内メーカーが液体ミルク事業への参入に踏み切れないのです」

液体ミルクが国内で買えるようになるには、まだかなり時間がかかりそう。でも、ママたちにもできることがあります。それは「液体ミルクを買いたい」という気持ちをメーカーに伝えること。

「近くのドラッグストアで『液体ミルクはいつごろから買えるようになりますか』と聞くだけでOK。店員さんを通してママの声がメーカーの営業マンに伝わります。もちろん、メーカーのホームページから直接問い合わせたり、要望を伝えてもいいですよ」

末永さんたちのグループが行っている、液体ミルクの国内販売許可を求めるオンライン署名活動は、6月末時点で4万2000人分集まりました。解禁のタイミングで、粉ミルクメーカーや業界団体に持参する予定です。

最も早い入手方法は、海外での購入

「液体ミルクが国内で買えるようになるころには、うちの子はミルクを卒業している」というママも多いでしょう。「今、使ってみたい。災害の備蓄にしたい」と思っても、乳製品の個人輸入は関税の関係で難しいのだそう。
でも、大丈夫。手はあります!

「海外に行った人がおみやげとして一箱二箱持ち帰ってくるのは問題なし。液体ミルク先進国のフィンランドをはじめ、アメリカ、イギリス、フランスなどのEU各国ではスーパーやドラッグストアで簡単に買えます。ご自身が海外旅行に行くときはもちろん、海外に行く予定がある親戚や知人がいたら頼んでみましょう」

ちなみに、液体ミルクは高温で滅菌することで常温での長期保存が可能に。熱の作用によって、いわゆる「ミルク色」ではなくベージュに近い色をしています。初めて見たときは「いたんでいるんじゃないの!?」とびっくりするかもしれませんが、それが本来あるべき色なのでご安心を。

「外国製の液体ミルクを使うと、その便利さを深く感じて、『日本でも気軽に買えるようにしてほしい』と思うようになることが多いです。ぜひ実際に使ってみて、液体ミルクの国内販売を進める発信をしてほしいですね」

関連:[新米ママハトコのドタバタ育児日記 #18] HTLV-1キャリアの私が完全ミルク育児をしてみて③

「この夏に解禁」は「この夏から法整備や試験を始める」ということで、残念ながらまだしばらくは液体ミルクを国内で買うことはできません。でも、消費者であるママたちが成り行きを見守っていくことは大切。また、夏休みで海外旅行を計画している人が周囲にいたら、液体ミルクをおみやげに買ってきてもらい、使い勝手を試してみるのもいいですね。(取材・文/東裕美 ひよこクラブ編集部)

■Profile/末永恵理さん
乳児用液体ミルクプロジェクト代表。日本での乳児用液体ミルク販売許可を求め、2014年11月にオンラインでの署名活動を開始。15年に市民団体・乳児用液体ミルクプロジェクトを立ち上げ、研究をスタート。女の子のママ。

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