熱い、怖い、大笑い…!? 夏にぴったり灼熱の地獄絵本5冊
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まだまだ暑い日が続く毎日。「暑いときこそ汗をかいて過ごしたい!」そんなアクティブ思考なおうちの方ににオススメしたいのが「地獄絵本」。血の池地獄、針の山、火のくるま…あぁ、聞いているだけで暑苦しい。読み終わると汗が噴き出てきます。
日本最大級の絵本情報サイト「絵本ナビ」の編集長・磯崎 園子さんが紹介します。自分にぴったりな「地獄絵本」、見つけてみてくださいね。
磯崎 園子(絵本ナビ編集長)
日本最大級の絵本情報サイト「絵本ナビ」
見ているだけで熱くなりそう…地獄絵本5冊
熱くて怖くて大笑いできるだけでなく、地獄ってどうなっているのかな?と子どもたちの想像力をかきたてる絵本をご紹介します。
閻魔様が一念発起!?「じごくのラーメンや」
「じごくのラーメンや」(作/苅田 澄子 絵/西村 繁男 教育画劇)
絵本『じごくのラーメンや』の背景に描かれているのは、針の山や火のくるま。恐ろしい鬼たちだってウロウロしています。だって、ここは地獄だから。
大繁盛のラーメン屋「えんま軒」、ついには噂を聞きつけた天国からもお客がやってくるこ展開には驚きです。ラーメンを通じて始まる天国と地獄のやりとり。いったいどんな結末が待っているというのでしょう。
わるいことをしたらじごくにいくって、ほんとかな?「いちにちじごく」
「いちにちじごく」(作/ふくべ あきひろ 絵/かわしま ななえ PHP研究所)
もし、一日だけおもちゃになってみたら? 文房具になってみたら? おばけになってみたら…?気になっているものに「いちにち」だけなってみて、それだけで笑いが次々に巻き起こってしまう大人気絵本「いちにち」シリーズ。
一日地獄に行ったら…?恐ろしい…悪い事はしないようにしなきゃ。 そう思いながらも擬音や表情の面白さでなぜか笑ってしまう地獄絵本です。
お、オニがスーツを着込んでいる……!?「オニのサラリーマン」
「オニのサラリーマン」(文/富安陽子 絵/大島妙子 福音館書店)
彼は赤オニのオニガワラ・ケン、地獄カンパニーの平社員。今日も愛妻弁当を持ち、家族に見送られ、満員バスに揺られて地獄まで出勤です。なんてお気軽、血の池地獄はまるでプール。オニガワラさんは監視員のごとく注意をしながら、お昼の時間を迎えます。美味しい愛妻弁当を食べ終わると、満腹になってコクリコクリ……。
恐ろしい地獄にいる「オニ」にだって、こんな平凡な日常生活があったとしたら。子どもたちには理解できないかもしれないけど、「サラリーマンってなんだか大変なんだなあ」なんてパパを見直しちゃったりするかもしれませんよね。
地獄に落ちても平気のへっちゃら「じごくのそうべえ」
「じごくのそうべえ」(作/田島 征彦 童心社)
上方落語の「地獄八景亡者戯(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)」を題材にした落語絵本。関西弁と勢いのある絵にのせられ、一気に読めば子どもたちも大喜び!ユーモラスなストーリーが子どもたちに大人気のロングセラー絵本です。
こんな地獄、あったら嫌だ。…いや、案外楽しそう?「このあと どうしちゃおう」
「このあと どうしちゃおう」(作/ヨシタケシンスケ ブロンズ新社)
「このあとどうしちゃおう」と書かれたノートを残したのは、おじいちゃん。亡くなる前に自分が将来死んでしまったら、どうなりたいのか、どうしてほしいのか、ユーモアたっぷりに書いてあったのです。「天国って、きっとこんなところに違いない」「こんな神様がいてくれたらいいな」「いじわるなアイツは、きっと地獄にいく」おじいちゃんの予想した地獄の世界の愉快なこと!
「自分が死んだらどうなるの…?」確かに小さな子どもたちが考えるには難しいお題です。でも、こんな風にちょっとふざけながら、笑いながら生と死について身近に感じてみるのは貴重な体験ですよね。
暑い夏こそ地獄の絵本で大笑いを
どの絵本もインパクト抜群、強烈な個性を放っている作品ばかりです。パワーが有りすぎて持て余しているような子どもたちと一緒に、楽しんでみてくださいね。笑い飛ばしながら読むのが大正解です。