乃木坂46×小島慶子 [私たちの理想の子育て] #3女性の人生設計編
乃木坂46メンバー25才の3人と、現在高1と中1の母でエッセイストの小島慶子さんが子育てのこれからを語り合う「ミライ育児座談会」。前回の「これからの家族って?」に続く最終回は、「女性の人生設計」。アナウンサー出身の小島さんと、20代半ばのアイドルが直面する意外な共通点も見つかりました(全3回)。
乃木坂46×小島慶子 [私たちの理想の子育て]
第1回 子育てしやすい社会編
第2回 理想の家族編
第3回 女性の人生設計編(本記事)
アイドルは「一生の仕事」にできる? 乃木坂46の人生プラン
小島慶子(以下、小島) 自分の人生プランはあるの?
伊藤かりん(以下、伊藤) 私、今の仕事が大好きなんです。子どもを産んでも受け入れてもらえるなら、乃木坂46を一生やり続けたい!
斉藤優里(以下、斎藤) 現実は…、年齢を意識しないわけにはいかない職業だよね。
高山一実(以下、高山) 私も今はこの仕事が楽しいけれど、アイドルって資格があるわけではないし、私は大学にも行かずにこの道を選んだ。アイドルを卒業して子どもを産んで、この先自分には働き先や職があるのか不安。専業主婦を選ぶとしても、何か自宅でできる仕事があるといいな、と小説を執筆したり、投資を学んだりしています。
斉藤 私たちの25才という年齢は、これから先を考え始めないといけない時期だよね。私はアイドルとしてやりたいことがまだまだある。自分で納得ができたら1つの区切りができると思っています。どこまでやれば満足するのかまでは見通せていないけれど…。
小島 アイドルグループの出身で、その後も女優さんやタレントさんとして活躍されている先輩たちがたくさんいらっしゃるじゃない? そういう未来は描かないもの?
高山 うーん…。私はあまりないかも。素敵だし、すごいなって憧れるけれど、自分には「手に職をつける」ことのほうが現実的ですね。
伊藤 私も考えにくい。今もタレントとして活躍されているのは、アイドル時代に国民的人気レベルで高い知名度があったかたたちばかり。アイドルという共通項だけで、同じようには考えられないです。子どもがほしいのは絶対だから、その上で自分の仕事を持てるようにここ何年かでつくっておきたい。
小島 アイドルにとっての年齢の壁は、女性アナウンサーと似ているかもしれない。局アナは、大学卒業後の22才で新人アナウンサーとしてデビューし、若さという強みでテレビに出る仕事がどんどん回ってきて、人気や知名度だけは上がります。そこから3年~4年経つと、「経験も実績もない自分には何も残らないのでは…」という壁にぶつかる。私がかつて勤めていたテレビ局では、週刊誌が勝手に書き立てた「女子アナ30歳定年説(テレビ局所属の女性アナウンサーは、30才を過ぎたら起用されない)」を真に受けている人もいました。どうなるにせよ、30才に向けて準備しないといけないのではないか、とみなさんぐらいの年齢から考え始める人が多いんです。
伊藤 そうなんだ。親近感がわきます。
小島 一般企業なら20代半ばなんてまだ若手も若手。キャリアプランを立てるにも、20代で下積みをして、30代からキャリアを考えることができます。女子アナもアイドルも、その土台をつくるために与えられる時間が短いのよね。
伊藤 アイドルが女性アナウンサーさんより難しいのは、恋愛ができないこと。仕事と(結婚につながる)恋愛を並行しての将来設計を描けない。
斉藤 そう、両立できないからどこかで決断しないといけないんだよね。
小島 恋愛禁止のルール! 人生プランを考える上で恋愛時期をどう飛び越えちゃうかよね。高齢化社会なのだし、ファンのかたと一緒に年齢を重ねていく方法を探るのも一つあるかもしれないですよ。男性アイドルの大先輩、郷ひろみさんみたいに!
(おわり)
乃木坂46×小島慶子さんのインタビューはひよこクラブ11月号(10月15日発売)にも掲載されています。乃木坂46のメンバーのこども時代の秘蔵写真も掲載。
乃木坂46プロフィール
2011年に「AKB48の公式ライバル」として誕生。2017年にミリオンセラーとなった楽曲『インフルエンサー』が日本レコード大賞に輝く。21thシングル『ジコチューで行こう!』が発売中。
斉藤優里さん
1993年7月生まれ、東京都出身。愛称はゆったん。高校の文化祭で踊ったことを機にアイドルに憧れ、高3で乃木坂46の1期生オーディションに合格する。
伊藤かりんさん
1993年5月生まれ、神奈川県出身。愛称はかりん。2013年、2期生として乃木坂46に。将棋アマチュア初段を持ち、『将棋フォーカス』(Eテレ)で司会を務める。
高山一実さん
1994年2月生まれ、千葉県出身。愛称はかずみん。2011年乃木坂46の1期生オーディションに合格。趣味は読書。長編小説『トラぺジウム』など執筆活動行っている。
小島慶子さん
1972年7月生まれ。東京都出身。TBSのアナウンサーを経て、コラムニスト、小説家として活躍中。高1と中1男児の母。家族のいるオーストラリアと日本との往復の日々。
撮影/奥本昭久[killi office] ヘア&メイク/新山知佳[PON](乃木坂46)、藤原羊二[EFFECTOR](小島慶子さん) 取材・文/平山ゆりの