きょうだいの学年差で見るお金のメリット&デメリット
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子どもが2人以上いる場合は、学年がいくつ違うかによってマネープランが変わります。そのため子どもが小さいうちや、下の子を考えている時期から経済的な負担の違いを知っておくことが大切。学年差による教育費などのかかり方の違いを2人の女の子のママでもある、ファイナンシャルプランナー・鈴木さや子先生に聞きました。
子どもにかかるお金の傾向を、FPが学年差別に解説!
教育費で最もお金がかかるのは、塾などに通う受験の時期と入学金や制服の準備などが必要になる入学時期です。きょうだいの学年差によっては、受験と入学が同じ年に重なり、経済的負担が重くのしかる場合も…。
学年別に子どもにかかるお金の傾向などを見比べて、マネープランを考える参考にしてください。
【1学年差】子どもの独立が早く家計的にはおすすめ
〈メリット〉
●1人目の小学校入学から、2人目の大学卒業まで17年と最短なので、子どもが独立したあとに老後資金を貯めやすい!
☆働くママの場合は、仕事のブランクも短くて済むので復帰にも有利。
〈デメリット〉
●所得が上がらないまま2人目育児に突入するケースが少なくないため、家計のやりくりに苦労する場合も。日々の家計から子ども費や教育費をねん出できるように、子どもが小さいうちに無駄づかいの立て直し計画を!
【2学年差】立て続けに受験費用、入学費用が必要になる時期が
〈メリット〉
●保育園・幼稚園・こども園時代は、2人目の保育料が割引に。
●2人目になると習い事を厳選し、無駄な出費を抑えられる傾向が。
〈デメリット〉
●1人目の入学と2人目の受験準備が重なる時期があり、立て続けにまとまった出費が…。対策としては、1人目にお金を多く使う家庭が多いので、きょうだいそれぞれに自動積み立ての貯蓄口座をつくるなどして、計画的に貯蓄を。
【3学年差】受験&入学がダブルで来て経済的負担MAXに!
〈メリット〉
●紙おむつ代など育児費用が重ならず、2人目が小学校低学年くらいまでは子ども費が分散するため、家計は安定傾向に。
☆働くママの場合は、1人目の復職から次の産休までに期間があり、仕事で実績が残しやすい!
〈デメリット〉
●受験、入学が重なる時期は、出費が増大! 対策としては、子どもが小さいうちから貯蓄を進めて。元本割れしないこども保険を活用するなど、強制的に貯蓄するしくみをつくりましょう。
【4学年差】やりくりしやすいけれど老後資金の準備期間が短い!
〈メリット〉
●親の所得が上がってから2人目が生まれるケースが多く、教育費もほどよく分散傾向に。
●入学が重なりにくいので、教育費に余裕が生まれやすい。
〈デメリット〉
●子どもが独立したあと、老後資金を準備する期間が短くなる場合も。対策としては、30代以降のママ・パパであれば、2人目出産と同時に老後のための貯蓄をスタート。予想外の出産の場合は、家計を大きく見直して。
「きょうだいの学年差で見るお金のメリット&デメリット」いかがでしたか。子育て費や教育費は避けては通れないので、今から見通しを立てることが大切! 「下の子が欲しいけれど何歳差がいい?」と悩んでいるママ・パパは、経済的な視点から子どもの年齢差を考えてもいいかもしれませんね。教育費は、幼稚園から大学まですべて国公立でも総額約1000万円はかかります。「高校&大学と子どもの入学がダブルで、経済的に大変そう…」など不安があるときは、早いうちからファイナンシャルプランナーに相談して、家計を見直してもらうのも一案です。(取材・文/麻生珠恵、ひよこクラブ編集部)
監修/鈴木さや子先生
ファイナンシャルプランナー。株式会社ライフヴェーラ代表。家計管理や資産形成、キャリアなど、主にママ・パパ向けに講演を行う。2人の女の子のママでもあります。
参考/ひよこクラブ2018年5月号付録「第2子 妊娠/出産/育児“こうすればうまくいく”見通しBOOK」より
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