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症状は? 治療法は? 乳がんとの違いは? 乳腺炎まるわかりガイド

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SIphotography/gettyimages

「もしかして乳腺炎?」そう思うことはありませんか?  赤ちゃんの成長を願い、母乳育児の理想と現実のギャップに悩みながら授乳しているママ、本当に頑張っていますね。でも、おっぱいトラブルを抱えたまま1人で悩んでいると、心と体に大きなダメージを与えかねません。おっぱいトラブルの中でいちばんつらい「乳腺炎」。その原因や兆候と症状、対処法などを助産師の小澤千恵先生に教えていただきました。つらいときは無理せず、母乳外来などの専門機関に早めに相談しましょう。

コンテンツ
(1)乳腺炎とは? 原因は何? 兆候と症状は? 対処法もガッチリ解説
 ・「うっ滞性乳腺炎」の場合
 ・「化膿性乳腺炎」の場合
(2)乳腺炎の治療法は? どのくらいで治る? 乳がんのしこりと違いは?
(3)ほかのママはどう対処した? どのくらいで治った? 乳腺炎乗りきりレポート

関連:乳腺炎を予防する授乳のコツは?母乳育児が軌道に乗る3つのテクニック

乳腺炎とは? 原因は何? 兆候と症状は? 対処法もガッチリ解説

TomFreeze/gettyimages

おっぱいトラブルが起きると、真っ先に「乳腺炎」が頭に浮かぶママも多いかもしれませんね。乳腺炎とは、どんな状態をさすのでしょう。乳腺炎を引き起こす原因、兆候や症状、対処のしかたなどを見ていきましょう。

乳腺炎とは?

乳腺炎は、母乳が乳腺や乳管に詰まって炎症を起こす「うっ滞性(うったいせい)乳腺炎」と、細菌が乳頭から乳腺に入り込んで感染する「化膿性(かのうせい)乳腺炎」の2種類があります。産後すぐのママに多いのは「うっ滞性乳腺炎」で、母乳が出る量と赤ちゃんが吸う量に差がある場合などに起こります。「乳腺炎」の症状は個人差があります。心配な場合やつらいときは、なるべく早く産婦人科や母乳外来などに相談することをおすすめします。

乳腺炎の原因は?兆候と症状、対処法をチェック!

乳腺炎の主な原因をはじめ、多くのママに見られる乳腺炎の兆候や症状、対処法を解説します。乳腺炎の“なりかけ症状”もぜひ参考にしてくださいね。

「うっ滞性乳腺炎」の場合
【主な原因】
●乳管の開きが悪い
●赤ちゃんの吸う力が弱い
●授乳間隔があく、授乳回数が減るなど

【主な兆候・症状】
●おっぱいが張ることが続く
●おっぱいの一部にしこりがある(状態が続く)
●体を休ませても疲れと体調不良が改善されない
●体がだるい
●授乳中、おっぱいにチクチクとした痛みを感じる
●おっぱいを触ると強い痛みを感じる
●おっぱいが赤く腫れる
●おっぱいが熱っぽく感じる
●悪寒がする
●微熱がある
●38.5度以上の熱が出るなど

【主な対処法】
●頻繁におっぱいを吸わせる
●しこりのあるおっぱいから先に授乳する
●しこりを手で軽く押しながら授乳する
●赤ちゃんの舌がしこりのある側にくるように、授乳姿勢(横抱き・たて抱き・フットボール抱き・交差抱き)を調整する
(例1)おっぱいのわき側にしこりがある…フットボール抱き
(例2)おっぱいの内側にしこりがある…横抱きなど
●おっぱいが熱っぽい場合は、ぬらしたタオルなどで冷やす
●授乳のたびに水分補給を心がける

【やってはいけないこと】
●自己判断で授乳をやめる

「化膿性乳腺炎」の場合
【主な原因】
●細菌が乳頭から乳腺や乳管に入り、乳房全体に感染する
●細菌が乳頭にできた傷から乳腺や乳管に入り、乳頭全体に感染する

【主な兆候・症状】
●母乳に黄色や緑色の膿が混じることがある
●激しい悪寒、頭痛、関節痛などの症状がある
●おっぱいのしこりがない場合もある
●39度以上の熱が出る

【主な対処法】
●乳頭の傷や水疱などは早めに治療する
●直ちに母乳外来などの専門機関に相談する

乳腺炎は予防できる! “なりかけ症状”と対処法をマスター

乳腺炎は赤ちゃんが生まれてすぐになるわけではなく、さまざまなおっぱいトラブルが積み重なって引き起こされます。今、悩んでいるトラブルを確認し、それに合った対処法をチェックしましょう。とはいえ、対処しても乳腺炎になるママも少なくありません。おっぱいトラブルが重なる前に専門機関に相談を!

なりかけ症状
進度(1) 赤ちゃんがうまく飲めない・浅飲みする
□ここで改善できるとその後トラブルになりにくい
……対処法はコレ!
★乳輪が隠れるくらい深くくわえさせる
★ママとおなかを密着させ、赤ちゃんの鼻先と乳首が向き合うように抱っこする
★授乳前に軽く乳頭をマッサージしてやわらかくする

なりかけ症状
進度(2) 乳首が痛い
……対処法はコレ!
★乳輪が隠れるくらい深くくわえさせる
★乳首をはずすときは赤ちゃんの口の端に人さし指をそっと入れる
乳首から口をはずす方法:乳首を含んだまま赤ちゃんが寝てしまったときは、無理にはずすと乳首が傷つく場合があるので危険です。人さし指を赤ちゃんの口の端にそっと入れて、中に空気を送ってからはずすようにします。
★抱き方を変えていろいろな方向から吸わせる
★傷はラノリン(羊の脂)、馬油などで保湿する
★傷がないおっぱいから先に授乳する
★手でやさしく搾乳したものを飲ませる
搾乳の方法:乳房を両手で中央に寄せて約30秒キープ。次に両手で下から持ち上げて約30秒キープ。さらに乳輪部を親指と人さし指で挟み、乳輪を外に広げるように押します。いろいろな方向から行うといいでしょう。

なりかけ症状
進度(3) おっぱいが詰まる
……対処法はコレ!
★頻繁におっぱいを吸わせる
★抱き方を変えていろいろな方向から吸わせる
★赤ちゃんに鼻詰まりがないか確認し、必要なら治療する
★栄養バランスのいい食事をとる
★休息時間をつくる

なりかけ症状
進度(4) 乳首に白斑(はくはん)※ができる
※白斑…乳頭の先端にできる直径1㎜程度の白い斑点。ニキビのような痛みがあります。脂肪分が詰まった状態を言います。

□この段階まででケアできればトラブル悪化を防げる!
……対処法はコレ!
★頻繁におっぱいを吸わせる
★乳輪が隠れるくらい深くくわえさせる
★白斑があるおっぱいから先に吸わせる
★抱き方をかえていろいろな方向から吸わせる

なりかけ症状
進度(5) おっぱいにしこりができる・腫れる・張る・かたくなる
……対処法はコレ!
★頻繁におっぱいを吸わせる
★しこりのあるおっぱいから先に授乳する
★しこりを手で軽く押しながら授乳する
★赤ちゃんの舌がしこりのある側にくるように、授乳姿勢(横抱き・たて抱き・フットボール抱き・交差抱き)を調整する
(例1)おっぱいのわき側にしこりがある…フットボール抱き
(例2)おっぱいの内側にしこりがある…横抱きなど
★おっぱいが熱っぽい場合は、ぬらしたタオルなどで冷やす
★授乳のたびに水分補給を心がける


(1)~(5)のおっぱいトラブルが改善しないと…


進度(6) うっ滞性乳腺炎になる
□産婦人科や母乳外来などの受診がおすすめ!!

進度(7) 細菌が乳頭から入り込んで感染する

進度(8) 熱が出る

進度(9) 化膿性乳腺炎になる
□産婦人科や母乳外来などの受診が絶対必要!!

乳腺炎の治療法は? どのくらいで治る? 乳がんのしこりと違いは?

SIphotography/gettyimages

おっぱいがカチカチに張ったり熱が出るなど、つらい症状を伴う「乳腺炎」。その治療法と受診から治るまでにはどのくらいの期間が必要なのでしょう。乳がんなどのしこりの見分け方についても触れていきます。

乳腺炎の治療法って何?

症状によって異なります。助産師による乳房マッサージや、医師の視診・触診、画像診断などを行うことが多いようです。発熱などの症状に応じて抗生物質や解熱鎮痛剤を処方されたり、授乳方法の指導を受けたりします。投薬などの処置をしても改善が見られない場合は、より詳しい検査などを行うケースもあるようです。乳腺などに膿がたまっている場合は、切開手術で膿を取り除くこともあります。治療中も、医師の指示に従ってできる限り授乳を続けます。十分な睡眠、こまめな水分補給などを心がけるといいでしょう。

乳腺炎が治るまでの期間はどのくらい?

乳腺炎になってから治るまで期間は、症状によって異なります。微熱があっておっぱいがカチカチに張って痛みがある状態で受診したママの場合なら、医師や助産師の指導に沿って対処すれば、数日で改善するケースが多いようです。

乳腺炎のしこりは乳がんとどう違う?

乳腺炎になっておっぱいにしこりができると、「乳がんかな?」と心配になるママもいることでしょう。自分で触っても判断がつきにくいので、医師に相談することをおすすめします。超音波検査や画像診断などで、乳がんに限らず女性ホルモンの影響でできるといわれる線維線種(せんいせんしゅ)や乳管内乳頭腫(にゅうかんないにゅうとうしゅ)などの診断を受けるケースもあるでしょう。くれぐれも自己判断はせず、早めに受診しましょう。

ほかのママはどう対処した? どのくらいで治った? 乳腺炎乗りきりレポート

NataliaDeriabina/gettyimages

セルフケアで予防していても、乳腺炎やその一歩手前のつらい状態になってしまうママは少なくありません。妊娠・出産・育児などをテーマにママたちが意見交換するサイト「ウイメンズパーク」には、乳腺炎を経験したママたちのエピソードや乗り越え方などがたくさん語られています。その中から選りすぐりの体験談を紹介します。ぜひ、チェックしてみてくださいね。

頻繁授乳&マッサージで復活!(6ヶ月のママ)
娘が1ヶ月のころ、乳房がカチカチに張ってしこりもできて、触っても腕を動かしても体中に激痛が走りました。でも、助産師さんのマッサージと頻繁授乳で2日後に完治。やってよかったなと思ったのは、授乳時にしこりを押しながら吸わせたことです。マッサージも効果が期待できますが、何よりも赤ちゃんに吸ってもらうことが大事だと思います。

抗生剤の点滴で苦しかった痛みが3日で消えた♪(3ヶ月のママ)
助産師が訪問してくれる自治体の子育てサービスとお産入院した病院で2回ずつ母乳マッサージを受けました。そのときはラクになるのですが、すぐにおっぱいが赤くなって痛みだすので、思いきって乳腺科へ。3日通院して抗生剤の点滴&処方薬の塗り薬をつけたら、痛かったのがウソのように改善! ママによってベストな治療法はさまざまなのかな。私の在住地域では上限2回まで1回2000円で助産師さんの出張母乳マッサージが受けられたので、住んでいる地域の制度を調べてみるのもいいかもしれませんよ。

母乳外来に通って治るまでマッサージ。ようやく克服♥(3歳のママ)
息子が生まれて4ヶ月ごろまで、何度も乳腺炎を患いました。マッサージに通ってようやく治りました。ある日は近所の母乳外来へ、またある日はタクシーで数千円かけてでも行きましたね。自己流で治そうとするとなかなか治らず、かえってつらい時間が続いたな。つらい時間が長引くとストレスになるので“まずは受診”が正解だと実感!
 
自分のトラブルを解消するのが得意な母乳外来を探すと◎(4歳と1歳のママ)
1人目のときに3日おきにおっぱいが詰まって、散々な目に合いました。里帰り先の産院の助産師さんは、私のおっぱいの詰まりを取るのがとても上手。取るときの痛みは半端じゃないですが、すごくラクになりました。でも、生後2ヶ月ごろに自宅に戻ると、また乳腺炎に…。母乳外来をイチから探して通いましたが、30分以上マッサージをしてもらっても詰まりは取れず、痛みは倍増。本当につらかった…。自分の症状を説明して解決してくれそうな母乳外来を探しあて、ようやく相性のいいところが見つかって無事に治まりました。

赤ちゃんがおっぱいを吸う姿を見るのは、ママになった実感を味わう至福のひとときかもしれませんね。でも、「おっぱいが石のようにカチカチ」「痛くて触れない…」などのトラブルは、いつ起こるかわかりません。赤ちゃんのお世話はしなくてはならないから、自力で改善して授乳を続けるママもいるのではないでしょうか。ママの頑張りはすばらしいですが、乳腺炎は「つらい…」と思ったら“すぐ受診”がいいようです。授乳は親子の心を通わす大切な時間でもあります。無理せず、だれかに頼ることも視野に入れて進めたいものですね。(取材・文/茶畑美治子)

監修
Profile:小澤千恵先生(埼玉医科大学総合医療センター 総合周産期母子医療センター 母子胎児部門 副看護師長 アドバンス助産師)
助産師歴24年。母乳指導やママの心や体の悩みに関するカウンセリングも担当。ママに寄り添った丁寧なアドバイスが人気。8歳の女の子のママ。

関連:母乳はいつまで「あげる?」「出る?」「栄養は十分?」…授乳のハテナを深堀り!

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