赤ちゃんのことを考えると乳房が痛む”差し乳”とは?産後に起こる母乳のフシギ3つ
お産から1年、母乳育児をしていると実感する、母乳にまつわる3つのフシギ。言われてみれば当たり前だけれど、よくよく考えるとすごく神秘的なことなのです。それはいったいどんなことなのでしょうか。助産師の岡本登美子先生に伺いました。
産後すぐから4ケ月ごろまでに経験する、母乳のフシギって?
産後3~5日に出る「初乳」のフシギ
「母乳には、赤ちゃんを感染症から守るための免疫物質がたくさん含まれています。とくに産後3~5日に出る、やや黄色っぽい母乳は『初乳(しょにゅう)』と呼ばれ、免疫物質が多く含まれています」(岡本先生・以下同)
産後しばらく続く「射乳反射」のフシギ
「乳首を吸われた刺激が脳の視床下部(ししょうかぶ)に伝わると、下垂体(かすいたい)からホルモンが分泌されます。それが乳腺細胞(にゅうせんさいぼう)に送られ、母乳がわき出る反射のことを『射入反射(しゃにゅうはんしゃ)』といいます。ツンとした刺激を感じるママもいます」
赤ちゃんに意識が向くと乳房が痛む「差し乳」のフシギ
「赤ちゃんのことを考えているときや様子が気になるとき、赤ちゃんが泣いたときなどに、乳房に電気が走るような痛みが出るママがいます。これは、『差し乳(さしちち)』と呼ばれるもので、母親としての意識がもたらすホルモンの作用によるもの。痛みの感じ方はさまざまですが、『稲妻、電気(電流)が走るような痛み』とたとえるママもいるようです」
ホルモンがなす、母乳にまつわるフシギな現象。赤ちゃんの命を守るママという存在の偉大さも感じますね。離乳食が進むと、自然と大好きだった母乳やミルクを卒業する子も出てきますが、これも赤ちゃんの成長という自然の条理がなす“フシギ”かもしれないですね。(文・ひよこクラブ編集部)
■参考:たまひよブックス「いつでもどこでもHAPPY育児生活ガイドBOOK」(ベネッセコーポレーション刊)