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「うちの子グズグズ遅い!」はノルアドレナリンのしわざ⁉

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Sasiistock/gettyimages

子どものグズグズに悩むママ・パパは少なくないと思います。中には、なるべくグズグズしないようにかかわり方に気を配っている人もいるのではないでしょうか。しかし脳科学から見ると、子どものグズグズは成長過程で必要な行動だそうです。難しい脳科学をわかりやすく解説してくれる、人工知能研究者で脳科学コメンテーターの黒川伊保子先生にお話を聞きました。

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人工知能研究者が教える! グズグズの原因と対処法

「いつもグズグズしていて、何度、言い聞かせても直らない!」「こんなにグズグズしていては、幼稚園などの集団生活になじめるか不安」と悩んでいるママ・パパは少なくありませんが、グズグズはなぜ起こるのでしょうか!? それは子どもの性格や育て方のせいではなく、実は脳内ホルモンの影響が! グズグズが起こる原因と対処法について紹介します。

グズグズするのは、ノルアドレナリンが原因! 直す必要はありません

“やることが遅い!”“気がつくとボ~ッとしていることが多い”“人前に出るとき、恥ずしがってすぐにモジモジ・グズグズする”“〇〇と△△どっちがいい? と聞くとずっと迷っていて選べない”といったグズグズは、悪いことばかりではありません。
ノルアドレナリンという脳内ホルモンは、同じく脳内ホルモンのドーパミンとの相乗作用で集中力をつくりだします。ノルアドレナリンが不足すると、集中することが難しくなることも。また、このノルアドレナリンは単独で分泌すると、迷いや怖がりの気持ちを強めることがあります。
つまり迷ったり、怖がったりするのは、ノルアドレナリンがしっかり出ている証拠。将来、集中力を発揮する子ほど、幼いうちは潔く人前に出たり、即決することが苦手な傾向にあります。そのため無理に直そうとしたり、しかったりせずに待ってあげましょう。思いを巡らす時間を得ることは、思考力を伸ばすことにもつながります。

注意したほうがいいグズグズとは!?

「子どものグズグズは、悪いことばかりではありません!」と述べましたが、なかにはほうっておかないほうがいいグズグズもあります。

●朝、起きたらすぐにグズグズ&ボ~っとしている
目覚めが悪くグズグズ&ボ~っとするのが続く場合は、脳の栄養不足が考えられます。成長期の脳は、眠っている間に知識を構築したり、記憶を定着させたりすることに忙しく、意外にエネルギーを使うもの。脳のエネルギーはブドウ糖、すなわち血糖です。
実は寝る前に甘いものをとると、いきなり血糖値が上がり、その反動で急降下するために、ひどい低血糖に陥ることが。低血糖では脳の神経信号がうまく起こらないので、だるくてボーっとします。また寝ている間の疲労回復や知識構築もうまくいっていない可能性があります。
夜眠る前や湯上がりなどに食べるアイスクリームやジュースなどの甘いものが“朝のグズグズ”の引き金になっていることもあるので、心当たりのある方は一度やめてみては?
また健やかな眠りをもたらすメラトニン、さわやかな眠りをもたらすセロトニンなどの脳内ホルモンは、ビタミンB群を材料にしています。小腹がすいて眠れないときは、卵スープや温めた牛乳などでビタミンB群とタンパク質をとるといいでしょう。

●お友だち関係など、原因がハッキリしているグズグズ
幼児期になって、急に幼稚園や習い事などに行きたがらずグズグズするときは、お友だちや先生との関係がうまくいっているかなどの原因を探ってみて。「子どもに聞いても、何も言ってくれないからわからない」と言うときは、先生に相談してみてもいいでしょう。何か理由があってグズグズして行きたがらないときは、無理強いはしないでください。たまには休んで、ゆっくり親子の時間を楽しんでみて。

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グズグズする子について紹介しましたが、逆にグズグズしない子というのは、好奇心ややる気をつかさどる脳内ホルモン“ドーパミン”が活性化していて「〇〇って、どうなっているの?」「これは何?」と、次々と行動を起こしたり、新しいことに興味を示したりする傾向があります。グズグズする子をもつママ・パパにとっては、うらやましく見えるかもしれませんね。けれど、“ノルアドレナリン”が作用し、集中力を伴ってこそ成長へとつながります。ノルアドレナリンがもたらす集中力と思考力も、脳にとってはとても大事なことです。その2つの力を養うには、乳幼児期のグズグズ&ボ~ッする時間を、温かい目で見守ることが大切。ぜひ、たまには親子でボ~ッとする時間をもってみてください。(取材・文/麻生珠恵、ひよこクラブ編集部)

監修/黒川伊保子先生
脳科学コメンテーター、人工知能研究者。富士通ソーシアルサイエンスラボラトリで人工知能の研究に従事した後、2003年、株式会社感性リサーチを設立。代表取締役社長を務める。世界初の語感分析法を開発し、赤ちゃんの名づけなどにも応用。著書は『母脳 母と子のための脳科学』(ポプラ社)など多数。

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