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「勇気くじきの言葉」はもう使わない。アドラー流でかなう「しからないトイレトレーニング」

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アジアの父は2歳の息子が浴室でトイレを使用するように訓練し、子供は子供の浴室の付属品、トイレの訓練の概念とトイレに座っている
yaoinlove/gettyimages

今注目されている「アドラー心理学」。アドラーの考え方を用いた「アドラー流子育て」で、しかることもなくトイレトレーニング(以下トイトレ)を進めることができるんだとか。

「アドラー流子育て」とは、ほめることも、怒ることもせずに、子どもに自信を持たせて伸ばす子育て法。子どものトイトレがなかなか進まないと、親もイライラを募らせてしまったり、強い口調でしかりつけたりすることもあるかもしれません。あるいは、気づかないうちに子どもを傷つける発言をして、子どもの自信を失わせてしまっているなんてことも…。でもこれを読めば、自信をつけながらスムーズにトイトレを進められるかも!?

『幸せ親子になれる 0歳からのアドラー流怒らない子育て』(秀和システム)の著書がある三宅美絵子さんに、「アドラー流・トイトレの進め方」を教えてもらいました。

関連:焦って始めても長引くだけ?トイレトレーニングの注意点とは

「できなくて当たり前」に挑む偉大なチャレンジャー

――アドラー流子育ては、トイトレにも“使える”のでしょうか?

三宅さん:前提としてお話ししておきたいことは、「アドラー流」は自分から働きかけた相手を変えるためのものではないということです。まずは自分が変わる。そのことによって、相手が変わるかもしれないし、変わらないかもしれません。つまり相手をコントロールするものではないということ。アドラー流を“使う”というと、自分が相手をコントロールしようという意図も含まれてしまうので、アドラー流からは外れてしまうのです。

――「アドラー流子育て」はツールではなく、親自身の考え方を変えるものなのですね。トイトレが進まないときに、親はどういうことを意識すればいいのでしょう?

三宅さん:子ども目線になって考えることが大切です。小さな子どもからすると、洋式トイレはとても高い場所にあるもの。座って足がつかないことを怖がる子もいるので、踏み台を用意してあげるといいでしょう。恐怖心を一掃するために、大人のトイレに一緒に入れてあげてもいいと思います。「トイレに行くとスッキリしていいよね」と声にするだけでも、子どもがトイレに抱くイメージはよくなるでしょう。

――たしかに「トイレが怖い場所」というのは、子ども目線じゃないと気づけませんね。

三宅さん:もしも私たち大人が、足がつかない高いトイレや、落ちてしまいそうな大きな便器のトイレに入らなければならなかったら、安定しなくてイヤですよね。「トイレの水が流れるのが怖い」という子もいます。子どもからすると、自分の体から出てきたうんちはお宝のようなもの。それが流されてしまうことに恐怖を感じていることもあるので、そういう場合は、「バイバーイ」などと言って明るい雰囲気で流してあげると、「トイレの水を流すことは怖いことじゃないんだよ」ということを教えてあげられるでしょう。

――トイレへの恐怖心を克服したとしても、トイトレが進まない子も多いと思います。そういうときに、親はどうすべきですか?

三宅さん:トイレが「当たり前にできること」と考えるのではなく、そのときも子ども目線で、「できなくて当たり前」と考えることが大切です。今、大人になっている親たちだって、最初はできなかったはずです。でもそのことを忘れてしまっているので、「どうしてできないの?」という気持ちになって、言動や態度に表れてしまうのだと思います。

――「どうしてできないの?」「どうしてやろうとしないの?」といった言葉を、悪気なく発してしまうことはあると思います。そういう言葉かけはよくないのですか?

三宅さん:そういった言葉は、子どもがもう一度頑張ってみようとするチャレンジの気持ちを奪う「勇気くじきの言葉」です。もっと子どもの気持ちに寄り添った言葉をかけたほうがいいでしょう。たとえばトレーニングパンツを汚してしまったら、「また失敗しちゃったね」ではなく、「気持ち悪かったね」と気持ちを代弁してみる。おもらししたことを責めないで、子どもの気持ちを考えてみるといいと思います。

――おもらししたときに、「どうして言ってくれないの?」と言ってしまうこともあると思いますが、こういうシーンではどう言えばいいのでしょう?

三宅さん:おもらししたくてしている子はいません。だからそのことをガーガーと責め立てても、子どもは「そんなことわかってるし…」という気持ちになって、勇気がくじかれてしまいます。「洗えばきれいになるよ」「これからママ(パパ)が洗うけど、一緒に手伝う?」と言ってあげたほうが、おもらしをしたらどうすればいいのかがわかります。失敗を責めるより、失敗してしまったらどうすればいいのかを教えるのが、親としての役割といえるのではないでしょうか。

――怒りたくなる気持ちを抑えて、「大丈夫だよ」などと前向きな言葉をかけておけばいいということでしょうか?

三宅さん:言葉では「大丈夫だよ」と言っておきながら、内心で「めんどくさいな」「また失敗しちゃったか」と思っていると、雰囲気でそれが子どもに伝わってしまいます。言葉と態度が裏腹にならないように注意が必要です。

――親の気持ちの持ち方が、トイトレにも大きく影響するんですね。

三宅さん:トイレトレーニングというのは、その子が人生で初めて生理的欲求を抑えるという、とてもハードルの高い挑戦なんです。それを乗り越えていくためには、親子が尊敬し合い、信頼し合うことが大切です。「どうしてできないんだ?」と思っていると、そういった気持ちはなかなか芽生えてきません。まずは「できないのが当たり前」「自分も昔はできなかったんだろうな」と認識することからスタートすると、「この子は今、ものすごいチャレンジをしているんだ」という気持ちでトイレトレーニングを見守れるようになると思いますよ。

関連:[うちのこと。子ども2人育ててます!#82] トイトレは嫌!うん!嫌だ!

「親がしてくれたこと」というと、経済的な支援をしてくれたとか、ごはんを毎日作ってくれたとか、そういったことが思い浮かぶところですが、「1人でトイレをできるようにしてくれた」ということは、まず挙がってこないのではないでしょうか。記憶にないこととはいえ、親の助けがあってそれができるようになったことはたしか。トイトレが進まずに「なんでできないの?」と思ったときには、「自分もできなかったんだ」ということを思い出すといいかもしれません。(取材・文/香川 誠、ひよこクラブ編集部)


三宅美絵子さん
アドラーカウンセラー、ベビーサイン講師。笑顔の子育て教室「blue bird」を主宰し、アドラー心理学の勇気づけなどによりママと子どもの笑顔を増やすお手伝いをしている。著書に『幸せ親子になれる 0歳からのアドラー流怒らない子育て』(秀和システム)。2児の母。

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